第三話 賭け
『ふぅ〜疲れたな〜』
頼博はへとへとになって言った。
『おいおい、これぐらいは大したことないぞ?』
老人は息一つ乱れていなかった。
『ここらへんに例の御目賀使いがいるはずなんだg』〈『俺のことか?』
『!?』
『!?』
頼博と老人は背後をとられ、動けなくなってしまった。
『義平さん、ここ1000年以上見かけないものだからてっきり死んだのかと、、、』
老人、義平は理解した。今、自分の後ろにいる御目賀使いが史上最強にして最悪の御目賀使い、ラスト・エラーであることに。
『貴様ッ!今すぐ殺してやる!』
『落ち着けよ老害。お前が振り向けば、このガキの骨一つ残さないぞ?』
ラスト・エラーはフードから大きな右目だけを覗かせて義平を睨んだ。
『(くそっ!なんて圧だっ!体が硬直して動かない!)』
義平がまともにラスト・エラーと戦えば、確実に負ける。だが、こんな絶好のチャンスを逃す訳にはいかなかった。何としてもここで殺す。
『義平、黙ってないで何か喋ろうよー』
ラスト・エラーは呑気だった。
『お前は昔から隙だらけだな。』
義平がそう言い終えると同時にラスト・エラーの足元に超高密度の御目賀の塊を放出した。
『なにっ!?基本的な御目賀操作に、睦月の上乗せを行ったか!?』
高密度御目賀は中心に核を造り、層状の御目賀を複数重ね、一つ一つの層に睦月を上乗せする事で爆破の微調整が可能となっている。義平はあえてラスト・エラーに御目賀の放出を見せる事で、相手の反応後に爆発するよう調整し、カウンターを狙った。
爆発は想定通りラスト・エラーの反応先で起こった。御目賀で守っていなかった両足はいとも容易く破壊された。
『ぐっ!バカな真似をっ!』
ラスト・エラーはその場で倒れた。
『頼博!お前は逃げろ!ここは俺が食い止める!、、、、、御目賀!水無月の刻!蓮叉の翔!』
義平を中心とする半径20m以内の大気中の水蒸気が全て御目賀に変換され、連鎖爆発を起こす。
『ラスト・エラー!今ここでお前を殺す!』
『おのれぇ!義平!魅せてくれたな!御目賀っ!師走の刻!元素合成!』
ラスト・エラーは義平以上の出力で、義平の変換した御目賀を再び水蒸気に変換し直した。
『凄まじい出力、、、っ!!』
義平は瞬時に御目賀を解除し、ラスト・エラーの負傷した両足に直で御目賀を流し込み、近接戦闘に持ち込んだ!
『ぐあっ!貴様義平!冥王の分際で舐めた真似をっ!』
ラスト・エラーは御目賀を解除せずに、拳と両足の素材を黒曜石に変化させた。
『なぶり殺す!』
ラスト・エラーは義平の猛攻を全てかわして、背後に回った。
『くたばれ義平ぁ!』
黒曜石の拳に御目賀を最大限流し込み、義平のうなじを強く殴った。
『くはっ!ま、まずい!俺が死ねば頼博が狙われる!耐えろっ!』
義平はラスト・エラーの一撃を耐え、向き合った。
『驚いたよ、御目賀を解除した肉体で俺の渾身の一撃を耐えるとは、、、』
『あまり、、、舐めるなよ、、!』
『ふっ、だが、もう決着だな。』
『何!?』
義平のうなじはラスト・エラーの御目賀によって素材が"水"に変換されていた。
『ぐぁあぁああ!液体に変換されてしまっては再生に時間がかかりすぎる!』
義平のうなじはますますえぐれていき、その凄まじい破壊力を前に義平は倒れてしまった。




