四十三話 決着
投稿が遅くなりすいません。
でも怒涛の四千字なので許してね☆
今日わかった事だが、俺の障壁は燃えると、爆発する。
今思い出せばレッドグリズリーのブレスを防御した時に消滅までが異様に早かったのもそれが原因だったのかもしれない。
吐き終わった後の顔の周りが焦げていたが、あれはブレスがちょっと反射した、とかじゃなくて爆発によるダメージだったようだ。
・・・で、敵の攻撃がめちゃ厚めにした障壁にぶつかって・・・BOMBという訳だぜ。
「ふう、まさかこんな終わり方をするとは思っていなかったぜ」
爆心地には怪獣の足跡のようなクレーターができていた。
こんだけの威力なら、俺のレベルがもっと上がれば、さらに強くなるのだろうか?
「終わったし・・・そうだ、えぐっちゃんの方を助けに行くかな。
グランツさんの方にブラックな感じの奴が飛んでってたが、大丈夫かな?
・・・・・・俺が行って足手まといになる可能性は考えないようにしよう」
今思い返すと、もう俺魔力残ってないからフラフラなんだよなぁ。
とても新型魔力を展開する気力もないし、消費の少ない特技ですら『飛翔円周斬』が一回しか使えないと思う。特技ナシはキツいな・・・。
いや、特技とか魔法のある異世界がオカシイだけで、本当は無いのが普通なんだけどな・・・。
「『ファイアーボール』」
ジュッ
「!!」
何!?炎の玉は俺の服を掠めて飛んでいった、どうやら狙いが逸れていたようだが・・・。
「生きて・・・いたのか?」
あの爆発が直撃して、耐えているなんてすげぇな、だが体のあっちこっちがボロボロだ、とても戦えないだろう。片腕に至ってはあらぬ方向にひん曲がってやがるぜ。
「ああ、ギリギリの所でな・・・死んだかと思ったぞォ・・・FOっ、うぐっ!」
「おい、大丈夫かよ!?」
「うるせー、FOX!!」
奴の背後に紫の狐が出現する。だが、それも穴だらけだ。
「そんな様子じゃあ戦えないんじゃないのか?」
「へっ、優しいなァ!だけどよォ、自分の心配をしたほうがいいと思うぜ!!」
「てめー、なんかする気だな!?」
じりじりと距離を詰めながら警戒を深める。
ゲーム風に言うなら、奴は今HPがないがMPは残ってるかもしれないんだ。
最後のターンに殺されちゃあやってられないぞ、こっちはHPがあるとはいえ、MPがないんだからな。
「『生まれし時から定められし蝋燭を薪炭に』『天命の山火事』うおおおおおおおっしやあああああああ!!!!」
「うおッ!?」
な、なんだ!?ファルシュから強い力を、肌で感じるぞ!?!?
擬音で、「ドドーン」って感じのする力強さだ。
傷もいきなり治りはじめている。流石にすぐとはいかないが、あと数分もすれば完治するだろう。
「この技はなァ・・・自分の戦闘力を何十倍にも引き上げるんだぜェ!!」
「はぁ!?そんなん隠し持ってたのかよ・・・ん、ちょっと待て」
そんな一気に自分を強化できるなら、もっと早めに使っててもおかしくない。という事は・・・。
「その技、制限時間付きだな!!それも、そんなに長くない!!!」
「あたりめぇだろォ、長い間何十倍にもできたら最強じゃねーかァ!!!
ヒヒ、まぁ使うのは初めてだからどんくらいかは知らねーがなァ」
「え?使ったこと無い?」
「その通りだぜェ、まだ残ってるとはいえ、少ない魔力で強いバフは使えない。だから別の燃料を使用するこの技を選んだんだが、それが特殊な奴でよォ、余程の事じゃないと使いたくないモンなんだぜェ」
「魔力じゃない、他の媒体で・・・?それは一体!?」
「へん、教える義理はねぇなァ!!!!オラッ!」
なんだよ、さっきはあんな馬鹿みたいなネタばらししてたのに・・・!
うお、こっちに突進してきたぞ!!
そのまま剣を振り下ろしてきたので、こっちは剣の腹で受け止める。
ガンッ!!
「ぐええええ!!」
(な、なんだコイツ、俺も使ってないとはいえ特技無しでこのパワー!!!)
ちょっとヤバイかもしれない。しかも奴は今片手で剣を使ったのに対して、俺は両手。
見る感じもう数十秒でファルシュのもう片方の腕が治りそうな勢いだ。
くそ、さっさと片を付けておきたいぜ・・・!
「オラオラァ!!」
「うおっ!!てえぃっ!!いてっ!!」
打ち合い一回目はちょっと衝撃が来ただけだったが、打ち合い二回目でかな~り手が痺れたぞ。
しかも掠っただけで済んだが、ちょっとだけ服の一部が切られちゃったぜ。
だいぶ押されているし、相手は回復していく。このままだと不味いな。
そもそも、なんで奴はあんなにいきなり強くなったんだ?
魔力じゃあないんだろ・・・?流石に嘘じゃないだろうし。
確か詠唱が『生まれし時から定められし蝋燭を薪炭に』『天命の山火事』だったよな?
ものすごく臭いが、まあ魔法を使うのには必要だから見逃してやるとしてだな・・・。
『生まれし時から定められし蝋燭』ってなんだ?
『薪炭』は・・・知らないけど多分燃料とかそういう意味合いだろ。
『天命の山火事』は・・・天命が純生命力だと考えて・・・。
「わかったぞ!てめぇのバフ技!!」
「お?わかったかァ!?」
「そうだ!!おめーの技は『自分の生命力を利用してパワーアップ』する効果の奴だろ!」
「チッ!正解だぜェ!!その通りこの魔法には『寿命を火種にして強化させる』能力があるぜ!
効率は最悪だから、体感あと数十分で死ぬけどなァ!!それまでに片付けりゃあ良い訳だァ!!!!」
あ、生命力とかじゃなくて寿命だったか。
答え間違ってたぜ・・・。
それにしても『火種』という表現・・・やっぱりこれはFOXとやらの力で使った魔法なのか?
「中々に厄介だな、そのFOXの能力」
「ヘヘへ、そうだろそうだろ」
カマかけるって程じゃないけど、やっぱりFOXの能力のようだ。
「さて、話の時間稼ぎをするって目論見はいいが、流石に短すぎだと思うぜェ!!」
ダダダ!!
そのまままたファルシュが駆けてくる。
本当なら障壁張って頭ごっつんこさせたいけど、魔力は殆ど回復してない。
あと時間稼ぎする気なかったからね、それただの考えすぎだからね。
「おらァッ」
掛け声と共に斬ってくるのはわかってるから、一歩下がる。
空振りした奴に向かって適当に斬りかかる。
「はッ!」
無理矢理振り上げてきたのに逆らわず、自分から体重をかけて後ずさる。
「アァ、また振り出しかよォ」
と小さく呟く奴を横目にそのまま剣を手離して懐をまさぐる。
あった!
「くらえやぁ!!チートバインド!!!」
叫んで、宝石部分を砕く。硬いんだけど、力を込めれば割れる、不思議な宝石だ。
しかし、奴はそれを読んでいた。
「かかったなァ!!『火炎斬り』!!!!」
「な、なぁーぬぅぃーッ!?」
しかし・・・。
その剣は宙を空振った。
「え?」
「ふぁ!?」
・・・。
さて、とてもどうでも良い話なのだが、この魔法のオーブには2つの魔法があるが、宝石は3つ付いていて、そのうち1つの中身は空である。
・・・・・・つまりはそういう事である。
「くっそォ、フェイントだったってのかァ!?」
「(あっぶねー)」
「・・・チッ、その様子だとたまたまだったようだなァ?」
「そ、そうだ。なんで炎をちゃんと纏わせてないのに『火炎斬り』を使えたんだ?」
「へっ、実はこの剣にはアーツが入ってる特殊な奴なんだぜェ!!予めストックしてあったんだァ。
つって騎士サマとの戦いで使ってた分もあるからもう残ってないがよォ」
スキルのある武器・・・。
そういえば、今俺の持っている武器「レッドビースト」のもう一つの進化先にあった「火熊の爪」って剣に確か『三斬赤閃』とかいう武器アーツがあったな。
まあ魔力通せるこっちにしたんだけど。
「オラァオラァ!!」
「ぐっ」
くそ・・・考え事をする暇も与えない気だな・・・!?
剣を剣で受け止める。しかし、弾け返せずにのかされてしまう。
ダメだ・・・パワーが・・・!
なにか、なにか手はないだろうか?
さっきの『火炎斬り』はスカしたとはいえ、『チートバインド』をぶっぱしても多分当たらないだろう。
そうだ!!あれだ!!!『鑑定』ッ!!!
(ΦωΦ)
名前:火炎の剣
ランク:5
スキル:魔法力強化*魔法効率強化*ストック
武器アーツ:火炎斬り
状態/品質:破損(大)*ストック(0)
備考:鋼とレッドドラグーンの素材を組み合わせて作った両手剣。
武器アーツの火炎斬りが使える他、更にそれをストックすることが出来る。
(ΦωΦ)
それに対して俺のは・・・。
(ΦωΦ)
名前:レッドビースト
ランク:6
スキル:武器進化*破壊困難*暇神の加護*復活修復*魔力強化
状態/品質:破損(微細)*進化(八割)
備考:レッドグリズリーのように刀身まで全てが赤く染まった剣。
魔力を付加させることができ、切れ味を抜群にすることができる。
もう少しで進化しそう。
(ΦωΦ)
そうだな・・・。今までは進化がどれくらいかは確認出来なかったけど、今は出来るみたいだぜ。
今はそれは捨て置くか。
えーと、奴のに対して、俺の方はあまり壊れていないし、丈夫っぽいな。
それなら、なんとかして奴の剣を破壊出来ないだろうか?
流石に強化されていても無手なら勝てるはずだ。
そのためには・・・。
「死ねェ!!!」
「っ」
奴の振ってきた剣に対して、打ち合わずに、体を引いて避ける。
「おらおらおらおらァ!!」
段々後ろに下がるペースを早めて、なんとか躱しきる。
「うおおおおお『スラッシュ』ゥ!!!!」
しかし、後ろに下がるよりも前に進む方が速いのは当然の事で、射程圏内に入ってしまったところで、アーツを使われる。
この状態、下がるのも難しいし、後ろに慣性が働いているので懐に潜り込むのも難しい。
と、いう訳で。
サッ!!
奴の剣が俺を逸れた。
それは、俺が取り出したあるもののせいだ。
「チッ!!!」
それは、魔法のオーブ。
破壊する事で発動するこれを切ってしまっては、アーツの硬直で避ける事がが出来ない。
だから剣をそらした。
その場合なら俺が発動させるだろうから、その間に体勢を整え、それをなんとか防ぐ。
そういった参段だったのだろう、奴は剣を横に構えようとしていた。
「くらえ!!!」
そこに剣を振り下ろす!!!
「な、なんだとッ!?」
よし、意表をついたぞッ!!
べキンという音とともに剣はぶっ壊れたぜ!!!
「しまったァ!!!『ファ』」
魔法!?させるか!
「『飛翔円周斬』!」
グゥウウウンという効果音でもつきそうな急カーブで奴を斬り、打ち上げる。
「う、うごおおおおお!!!」
「やっと!やっとだぜ!!チートバインド!!!!」
今度はスカしていない、ちゃんと最後の宝玉を握りつぶし、チートバインドをファルシュの胴に叩き込んだ。




