港の祈り
ミレアたちは港の石段へ降り、取り決めどおり自分たちから武器を差し出した。荷箱には薬草の種、織物、鉱石の見本が収められ、どれにも交換を望む品が記されている。服従の貢物ではない。対等な隣人になるための最初の品だった。
アレンが望んだのは、人類への勝利ではない。知らずに恐れる者へ、知るための道を一本渡すことだった。その道が閉ざされようとしても、同じ方法で閉ざし返すことはできない。
王国の兵にも迷いはあった。命令書には魔物の拘束とあるが、牢の中から聞こえるのは仲間の傷を案じる声と、薬を求める声だった。剣を握る手は、教えと目の前の事実の間で震えた。
港で荷を扱った者たちは、使節が誰一人として威嚇しなかったことを見ている。命じられた説明と自分の目が食い違い、その違和感はまだ小さな声で交わされた。
鐘の音は町中へ届いたが、同じ意味では聞かれなかった。救いの合図と思う者、命令と受け取る者、初めて恐ろしいと感じる者がいた。
記録する者は、見たことと命じられた説明を別々の頁へ書いた。その小さな区別が、後に真実を選び直す場所になる。
祈る者のすべてが処罰を望んだわけではない。声を上げられない者の沈黙まで、教会は賛同として数えていた。
港の風は白布を揺らし、その向こうで教会の旗も同じ風を受けていた。旗が違っても、空まで二つに分かれてはいない。
記録する者は、見たことと命じられた説明を別々の頁へ書いた。その小さな区別が、後に真実を選び直す場所になる。
祈る者のすべてが処罰を望んだわけではない。声を上げられない者の沈黙まで、教会は賛同として数えていた。
港の風は白布を揺らし、その向こうで教会の旗も同じ風を受けていた。旗が違っても、空まで二つに分かれてはいない。
(本文実測:718字)




