エルフ=森の民
エルフってさ~
そんな話。(約700字)
冒険者ギルドに併設された酒場にて。
中堅剣士とエルフの青年が今日の討伐内容の反省会をしていました。
田舎から出てきたばかりのエルフの青年は、初心者の世話役である剣士のパーティーにまざって依頼をこなしました。かすり傷程度ですんだので成果は上々なのですが、中堅剣士は酔いが回ったのもあり、愚痴っています。それを、やはり少し酔ったエルフの青年が笑って返します。
「確かにエルフは少数民族だが、俺以外にも会った事があるんだろう?」
「会ったっていうか、遠目に見かけただけだが、物語のようにたおやかな姿だった……のに!お前ときたら!」
「いや、大概のエルフは俺みたいなもんだって」
「嘘つけぇぇっ! どこのエルフが鉈を武器にしてんだよっ! しかも両手に構えるとかどこの恐い話だよぉっ!?」
「え、だって鉈って便利だぜ? 薪も割れるし、森歩きで邪魔な枝なんかすぐ刈れるし、弓より邪魔にならないし、熊なんか眉間に当てれれば一撃だし、血抜きをするのにも鳥と兎なんか一発で首を落とせるし、」
「血濡れのエルフッ!? 夢を壊さないで~っ!?」
「だいたい、森に住んでて力が無かったら死活問題だぞ。畑は小さいから木登りと弓だけじゃ絶対食料が足りないし、女だって斧くらい振り回せないと村に迷いこんだ熊を仕留められない」
「そんな山男みたいな情報はいらないっての!?」
「斧を使いこなすエルフなんてたくさんいるけどなぁ……叔父さんたちなんか両手斧を担いでいたり、大剣使ってたけど……」
「マッチョなエルフなんて~~っ!?」
「ハンマー使いもいたよ?」
「たおやか!たおやかでツンデレなエルフを至急求む!!」
「つんでれ?何を摘むの? 都会は色んな言葉があるなぁ、ハハッ」
そうして、剣士の夢は一個ずつ潰されていったのでした。
おしまい。




