買い出し
会話が多くて話が進みません!
朝飯も食べずに全農会館に向うフィリップはすきっ腹からくるイライラが募っていた
「ねえちゃん!金や、退職金貰いにきたで、今日こそは貰えるんやろなぁ!」
押し込み強盗のような勢いで会館に突入するなり大声で怒鳴りだす男にドン引きする全農職員一同は『すわっ!強盗か?』といきり立つがよく見れば昨日騒ぎを起こしていた男である事を確認し
「え~と!確かフィリップさんですね、フェルナンデス部長がお待ちです、こちらへどうぞ」
「フェルナンデスなんかどうでもええねん!退職金出してんか?」
「いえ!すいませんがフィリップさんがお見えになれば連れてくるよう申し付けられておりまして・・」
「ワイは忙しいんや!そないに暇やないねん」
「うるさいぞ!フィリップ、手間をかけさせたんだからちょっと来い!」
騒ぎを聞きつけたフェルナンデスがフィリップを会議室へと連れていくとソファーに座らせる
「とりあえずこの書類にサインしてくれ!受け取りと退職願いだ」
「ああ!受け取りはわかるけどなんで退職願いなんや?」
「自己退職ってことでこの金額を引き出した!構わんだろ?」
「そうか!偉い頑張ってくれたみたいやな、おおきにな!」
多くは語らずとも同期の二人にはこの会話だけでオッケイであった、フィリップはサインを済ます
「それで?スコッティとやりあったんだって?詳しく教えてくれ」
「ああ~!別になんでもないで、気に入らんからやめるんや、これからは農業やるかななぁ」
「ふっ!相変わらずだな、だが全農敵に回して農業なんて出来るのか?」
「当たり前じゃ!逆に農民敵に回して全農成り立つんかい?」
「馬鹿野郎が!もう言わんが困った事があったら言えよ」
「お前さんもな!まぁ、どうしても困ったら頼むわ!」
フィリップは思っていた以上の金額を手にし(振り込みだが)全農会館を後にした、そのままシゲモン商会へ向かい
「邪魔するでぇ!スワッチはんいてるかぁ~?」
「いらっしゃいませ!スワッチさんですね、少々お待ち下さい」
「おお~!フィリップ殿ではないか、どうしていたのだ?」
「スワッチはんも元気そうで!ワイは農業する事になったからちょっと挨拶にな、それと買い物や!」
「ほう!どうやら無事退職金が出たようだな、何が必要なのだ?」
それからフィリップは生活必要品のリストアップした紙を読み上げていくがほとんどの品が無く取り寄せを頼むことにした
「それから食材が欲しいんやけど!おいてるか?」
「食材ですか?当商会では・・・え~と・・・レーションなら在庫がございますが」
「あかんっ!レーションなんかいらんのやっ、もっと普通の食べ物ないんか?」
「すいません!それ以外の食材はおいてません」
「なんで!レーション置いてて普通の食材置いてないんや」
「すみません!当商会の売れ筋商品なもので、一部のお客様に大人気で・・・」
「そうなんか!もうええわ、なんや一部のお客様って知り合いみたいやし・・・」
「そうだ!二階の飲食店でご飯は食べれますよ、食材は置いてないと思いますが」
「ほんまか!二階やな」
言うが早いかフィリップは二階の昼は飲食店【胡麻屋】、夜はバー【らく~だ・らく~だ】のお店に駆け込んだ
「急いで食べれる物頂戴な!」
「あれ?たしかフェレット・・・ううん、フリップさん」
「ちゃうわ!フィリップや、あんたは確か・・・」
「アケミです!スワッチさんの友達の方ですよね」
「みっ!見つけたぞ、お前がフィリップだな、アケミさん、こいつですよ僕が探していた男は」
「なんやお前は!誰や?」
「僕はマーサト・シー全農の局長だ!とうとう見つけたぞ!全農の指名手配犯め!」
「なんや?指名手配て、頭悪いんかお前は」
「うっ!うるさいぞ、お前とスワッチという男は捕まえるんだ!神妙にお縄に付けっ!」
「お縄って!お前ほんまもんのあほか?ワイ捕まえてどないするっちゅうねん?」
「あら?スワッチならうちで働いているわよ、この間から」
「本当ですか?アケミさん、そいつも逮捕しなくっちゃ」
「せやから!逮捕してどないすんねん?お前警察か?何の容疑やねん?えっ?僕ちゃん?」
「うるさいっ!とにかく逮捕する、アケミさんスワッチも逮捕させてもらいます」
「だめよ~!うちの社員なんだから、それに何の容疑なのよ?」
「それは!・・・」
「もうお前は帰れ!これ以上グダグダ言うとったらいてまうぞ」
マサートは店を飛び出し逃げ帰って行った、実際逮捕しようが無く命令されていたのは見張る事だけだったのだが不意に見つけてしまい動揺し逮捕などと先走ってしまったのだった
「なんや!難儀なやっちゃなぁ~、おねえちゃん!ご飯早う持ってきて!」
「本当!どうしちゃったんだろうね、マー君ったら・・・」
意味が分からない二人だがフィリップ達の居場所が敵に明らかにされた瞬間であった
明日はお休みします