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お題【気体状の学校】

「よいですか?」

 先生の声は思っていたよりも甲高かった。もっと威厳のある声を想像していたのに。

「まずは身をまかせること。諸君らの今現在その浮わついている心をそのままに」

 声で油断させておいて、先生はやっぱり先生だった。気体に胸膨らませている僕らはしっかりと見透かされている。周りも動揺したのか、ざわざわと震えはじめる。ちらりと隣を見てみると、恥ずかしさで顔を赤らめているヤツとか図星に恐怖して青くなっているヤツなんかが居る。しかしその後、厳しい言葉は一つもなく、先生は僕らの人生に必要なことを淡々と教えてくれた。

「いいですか。手放しでは喜ばない。責任を果たさない自由なんてもっての他です」

 僕らはただただ頷くばかり。

「地に足が付いたとき、そこでもう一度踏ん張るんです。楽しんでもらうのが私たちの使命なんですよ」

 勉強に励み、そして一人前の覚悟が出来た頃、僕にもとうとう初めての仕事が割り振られた。目の前の小さな坊やを笑顔にする仕事だ。

「ハイ、足をしっかり結びつけて!」

 もたつく僕をサポートしてくれる先生の声。そう、同級生達とは離れたけれど、学校はいつでも僕の中にあるんだ。

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