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エイリークの任務報告書①

こんにちわ。雪代コハクです。


第三部をゴールデンウイークから開始予定ですので、それに先立って、第二部のエピソードを追加しました。


エイリーク君に第二部のあらすじを報告してもらいます!

 皆さん、こんにちは!


 僕は〈星芒騎士団〉七番隊のエイリークです。


 前回はシュカ先輩が報告書を書いたそうですが、今回は僕にお鉢が回ってきましたので、

 僕から皆さんに『第二部』のご報告をさせてもらいますね!


 ……と言っても、大事なところだけを掻い摘んでまとめてしまうので(報告ってそう言うモノですよね?)、ちょっとでも興味を持っていただけたら、是非本編をご覧いただけると嬉しいです。


 では、早速。



     Ψ


 まず、第二部の報告の前にちょっとだけその前のお話を。


 この物語の主人公はアリスという名前の僕の先輩——というか、今は七番隊の隊長なので、僕の直属の上司です。


 彼は訓練学校では僕の一年先輩だけど、年齢は二つ下だからまだ十六歳。

 〈星芒騎士団〉では最年少の隊長です。


 艶めく亜麻色の髪に、煌めく藍玉(アクアマリン)の瞳。

 男性の筈なんですが、外見はどこからどう見ても超絶美少女。

 オマケに華奢で小柄で、ここだけの話ですが、とても成人(この国では十五歳です)しているようには見えない。

 もっとも、先輩本人は自分の容姿を結構気にしているみたいです。


 見た目はそんな感じの先輩ですが、実力は折り紙付き。

 大陸中に名を馳せる魔法剣士〈星芒騎士団〉の中でも、その魔力と剣技は随一なんです。


 アリス先輩はもともとは一番隊の副隊長だったんですが、前回の任務(第一部のお話です)で、最終的にゴブリンの大きな群れと、稀少な貴族種である”ゴブリンロード”を討った功績を認められて、この四月から晴れて僕たち七番隊の隊長に就任したばかり。


 だから、第二部は先輩が隊長に就任したところからのお話と思ってくださいね。


     Ψ


 さて、ここからが第二部の報告ですが……


 まず、四月に七番隊隊長に就任した後。

 アリス先輩の隊長としての最初の仕事は、隣国ローエンデール皇国との『国交正常化記念祝賀会』への出席から始まります。


 この祝賀会は、しばらく断絶していたナディアとローエンデールの国交が今から五年前に再開し、今年、晴れて五周年を迎えられたことを記念するもの。


 後からシュカ先輩に聞いた話だとアリス先輩、相当このパーティの出席が憂鬱だったみたいです。

 まあ、先輩は少し——いやかなり、人付き合い苦手だったりしますからね。

 ……昔よりは大分慣れてきているみたいですが。


 この祝賀会でアリス先輩は、隣国の第三皇子ローレンス殿下と第六皇女のセシリア殿下にお会いしたそうです。

 特にセシリア皇女とは、いろいろとお話をする機会があったようですよ。


 恐らくはそれが理由なんだと思いますが、祝賀会終了後、ローエンデール一行の帰路の護衛として急遽、僕たち七番隊が途中から同行することになったんです。


 本来なら祝賀会の後、皇子と皇女は、ナディアが誇る港湾都市サザンクロスと砂漠の交易都市サンダリアン市内を、()()()()()()()()視察してからローエンデールに帰国する予定だったんですが……。


 なんでも、ローレンス皇子のわがまま——もとい、“ご希望”で、皇子はサンダリアンの冒険者ギルドが主催するモンスターハントツアーの見学をすることになったそうです。


 さすがに皇女までツアーに同行させるわけにもいかないので、やむを得ず皇子と皇女は別行動に。

 そのため、護衛も二手に分かれる必要が生じた訳です。


 いくら冒険者ギルドが安全を保障すると言っても、何せお客人は千年皇国の第三皇子。

 万が一があっては致命的な国際問題になる訳で、当然そちらには十分な戦力を割かなければいけないですよね。

 だからと言って、皇女の警護も手薄にしてはならない。


 そこで急遽、僕たち七番隊に白羽の矢が立ったという訳です。

 ちなみに、皇女の護衛に七番隊を指名したのはローレンス皇子だったとか。


 そういう訳で、アリス先輩を迎えた僕たち()()七番隊は、一足先に王都からサンダリアンに行き、そこで港湾都市サザンクロスの視察を終えていらっしゃるローエンデール使節団をお迎えすることになりました。


 新生七番隊としての初任務が決まったその日の夜、早速隊員五人で集まって、酒場で決起集会をやりましたね。


 《光の剣》の使い手たる〈星芒騎士団〉の中でも、さらに『異能』を持った人が集められたのが僕たちの七番隊。


 その構成員は、まず、”騎士団一の人格者”と名高い、副隊長のジルさん。

 それからアリス先輩の同期のローズ先輩に、僕の同期のリリィさん。

 そして僕エイリークの、合計五名。


 僕が言うのもなんですが、先輩にとっては結構いいメンバーが集まってると思うんですよね。

 〈星芒騎士団〉の中に一定数いる、人種差別主義者もいないし。


 さて、任務の報告に話を戻しましょう。


 決起集会の翌日、僕たちは王都発の列車に乗って砂漠の都サンダリアンへ。

 サンダリアンと言えば、ナディア第三の人口を誇る巨大都市で、ナディア王国の冒険者ギルド本部がある交易都市です。


 僕たちはローエンデール使節団の到着日前日にサンダリアン入りしたんですが、休む間もなく砂漠の魔物退治の任務をねじ込まれてましたね、そう言えば。

 〈星芒騎士団〉は万年人手不足とは言え、団長も人使いが荒いですよ、ほんと。


 討伐任務では、砂漠で巨大なミミズ型の魔物アビスワームに襲われていた隊商を助け、そこでグンゼルさんと言う人と知り合いました。

 この人は隊商のリーダーで、サンダリアンにほど近いオアシスの街ファウンティナ出身の大商人だとか。


 その後、グンゼルさん達と分かれてサンダリアンに帰還すると、もう夜でした。


 翌日、列車の発着駅でローエンデール一行をお出迎え。


 ローエンデールの皆さんは、何と言うか……僕たちナディア人を下に見ている空気がビンビン伝わってきましたね。


 まあ、ローエンデールと言えば聖王歴が始まった直後から続く、大陸有数の歴史を誇る『千年皇国』。しかもかつては大陸全土を支配する大帝国でしたからね。

 建国から六十年足らずのナディアを同格と思っていない人も多いみたいです。


 皇子殿下と皇女殿下だけは僕たちにとても好意的なのが、唯一の救いでしたが。


 あと、実はローエンデール警護団以上に怖かったのが、祝賀会終了直後からナディア側の警護団として皇子殿下たちに同行していた〈星芒騎士団〉三番隊のオルフェ隊長。


 妖精小人(レプラコーン)と人間のハーフのオルフェ隊長は、見た目はアリス先輩よりさらに小柄で、顔立ちも整っていて、とても可愛らしいカンジなんですが。

 あの人、中身はすごく怖いんですよ……


 特に今回は、合流した時点ですでに不機嫌オーラ全開でしたね。


 何でも、サザンクロスでも、ローレンス皇子の“わがまま”に振り回されていたようで。

 ……でもそれって、別に僕たちのせいではないですよね!?


 とは思うものの、オルフェ隊長の苛立ちもまあ、分からなくはないというか。

 何故なら、サンダリアンに着いて早々、ローレンス皇子がまた“わがまま”を言い出したからです。

 この人、見た目や物腰はとても素敵で柔らかい人なんだけど、中身は結構やんちゃな方のようで……。


 今度は『冒険者ギルドに挨拶に行きたい』と言うんです。


 でも冒険者なんて言っては何ですが、手に負えない”荒くれ者”たちばかり。

 ナディアの総本山たるサンダリアンの冒険者ギルドは、そんな彼らのたまり場なわけで。


 モンスターハントツアーについては大至急根回しをして、なんとか優秀で“お行儀の良い”冒険者パーティを選抜してもらうように手配していたって言うのに、突然アポなしで皇子自ら荒くれ者たちの巣窟に行きたいなんていうから、皆大騒ぎ。


 警護団はローエンデール勢もナディア勢も大反対だったみたいですが、皇子は爽やかな笑顔のまま全く折れず。

 結局は“お忍び”というテイで、警護団幹部の何名かのみを連れて、ギルドに行くことになったそうで……。


 そして、ギルドに行ったら行ったで、案の定というべきか、また一波乱……というか大波乱がありました——


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