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第20話 「???(???視点)」

 それは僕にとって突然の出来事だった。


 親友が突然行方不明になったその日の夜。夢の中で黒い物体が話しかけてきた。


 曰く、『お前は選ばれたのだ』と。


 曰く、『今から時が満ちるまで長い眠りについてもらう』と。


 曰く、『目覚めた時、お前は全てを壊す力を手に入れているだろう』と。


 どうせなら、壊す力ではなく、親友を探す力が欲しいと思ったのだが、僕に拒否権はなかった。


 身体をふわふわと暖かい繭に包み込まれた時、僕は初めてそれが夢ではないことに気が付いた。


 そうして、僕は不思議な塔の最上階に作られた繭の中で、長い眠りにつくことになったんだ。



 それから何年か後。また、夢の中に黒い物体が現れた。


 曰く、『もうすぐ時が満ちる』と。


 曰く、『お前を迎えに来る者に付いて行け』と。


 曰く、『邪魔者は全て排除しろ』と。


 そして目が覚めると、繭の外には彼らがいたんだ。


 彼らは3人で、僕の繭を興味深そうに、だけど警戒した感じで調べていた。


 でも、何となく不思議な感じがした。僕が感じた気配は、彼らを含めて5人だったからだ。


 ふと下の方に目を向けると、塔の最下階で眠っている女の子と男の子がいた。


「何で眠っているんだろう」


 僕の声が聞こえたのか、3人が腰の剣に手をやって繭を睨んでくる。


 黒い物体が言っていた迎えに来る者は彼らなのかと思ったけど、彼らの態度と僕の本能がそれを否定していた。


 そして悟った。彼らは邪魔者だと。


 彼らを排除しろと、僕の中で誰かが命じる。


 状況は何も分からないけど、その声に従うしか僕には道がないことは分かっていた。


 その声に従って手をかざすと、僕を包んでいた繭は彼らを巻き込んで爆発した。


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