表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
87/335

C6.9 足場固め ― 9 ― 魔王と星3の魔導師

あの魔導師、見た目は90歳でも通じそうな程萎びているが・・・あれでまだ60歳でしかない。

禁呪・外法の類で色々擦り減らしているようだ。

マナ・オドの流れが壊れているのであれば、私の力で何とかできるかもしれないが・・・。


それにしても、記憶を見てみたが碌な人生を歩んでいないな。

強い記憶以外にも、殆ど裏切られてばかりの人生だ。


そう言えば私の事を知っていると言っていたな。

私が学院に居た頃とも被るのか。

・・・噂話に上がる程目立っていた覚えは無いんだがな。


そのあたりも記憶を探ってると確かに出てきた。

才覚には見張るものがあるものの扱い難い生徒、として・・・。


む?お師匠様も出てきたな・・・まぁ当然か。

専門が違うから余り絡みは無いようだが・・・。

たまの会話でお師様が私の事を褒めちぎっている・・・ちょっと・・・いやかなり恥ずかしい。


あー・・・いや、彼の魔導が構築される様子を探ろう、うん。

・・・これは・・・芸術的、と言っても過言では無い美しい術式。

この魔導師には一度師事してみるのも悪くないな。


・・・

・・


「いやはや・・・近くで見ると・・・凄まじいものですね。」


死にかけた老人にしか見えない星3の魔導師は、嘆息しながら私を前にした感想を述べた。


「世辞は要らん。」


「世辞ではありませんよ、本心です。

 ご存知でしょう?」


確かにこの者が提供した主従契約は、記憶やら心の中が主に筒抜けになる。

ある種、危険極まりない魔導だ。


「こんな危ないものばかり扱っているから寿命を削るのではないか。」


「自棄になっていたことは否定しません。」


禁呪・外法に手を出したがための結果であることは自覚しているようだ。


「一つだけ聞きたいことがある。」


「それが私の私怨に関することであれば、いいえとだけ。

 ちなみに魔王様の心を読んだわけでは無く、不敬ながら牽制させて頂きました。」


「約束、か。

 私には分からない感覚だな。

 ということは、私はもう人の心は持ち合わせていないのかもしれないな。」


「それは無いでしょう。

 そもそも魔族を統べる王であれば、一個人の私怨など気にしません。」


「分からんぞ?

 恩を売って従属を更に確たるものとするかもしれん。」


「裏切れば死をもたらす主従契約下で、ですか?」


・・・中々に食えないな、面白い。

それだけに残念だ。

この者のマナやオドの流れは正常。

生命力だけが尽きかけていて、私にはどうしようもない。


「本題に入ろうか。

 先程そこの闇エルフがお前に見せたインプ、いやデーモンか。

 私はそれを召喚したのだが、まるっきり門外漢でな。

 補助を頼みたい。」


「頼まれずともご命令下されば・・・」


「私はお前の召喚魔導の芸術的センスに敬意を払っている。

 これは師事したいという申し出と思ってくれて良い。」


「勿体ないお言葉で御座います。」


星3の魔導師は深々と頭を垂れる。


「ではもう一度あの子を良く見てから、それから魔王様の術式を見せて頂きましょう。」


「分かった。

 それが済んだらそのまま地下の実験場に案内してもらえ。

 デスロード、お前は前回と同じ準備を。」


「かしこまりました。」


これでようやく召喚魔導が軌道に乗ることになるな。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ