C5.20 勢力拡大 ― 20 ― 新顔との謁見その2
ミノタウロス兄の登場です。
「主、次に謁見を求めているのはミノタウロスの連れてきた兄です。」
「分かった・・・って言うかさっき居なかったな?
どこにいた?」
「黒と闇のエルフに捉まっておりました。」
「で?」
「謁見は明日にしてほしいとのことです。
許可しましたが問題あったでしょうか?」
「無い、それで良い。」
全部一日で済ませる必要はないからな。
デスロードは恭しく頭を垂れてから、メイドの誰かにミノタウロスの兄を通すよう指示を出した。
誰か、というのはここに居ないからで、デスロードはイモータルズをそれと分からないように城中に配置している。
もはやこの城のどれ位設置されているのか不明だ・・・。
まぁ元々こいつの城だったから文句は言えないが、最初からこうやってイモータルズを配置することが前提だったんだろうな。
暫くすると、猫メイド姉に連れられて半巨人とも言える巨躯を持ったミノタウロス兄がやってきた。
・・・よくここに入ったな。
「改めてご挨拶申し上げる。
俺、いや、私は・・・」
「面倒くさいから畏まるな、“俺”でいい、普通に話せ。」
「え?あ・・・はぁ・・・。
俺は元古竜魔王軍第三軍軍団長を務めていた者で、この度、弟の説得を受けて参上致しました。」
「そうか、軍を率いていたのか。
彼には良い土産が出来たな。」
「彼?元主のことでしょうか?それと土産・・・ですか?」
「古竜魔王を引退に追いやった張本人、冥魔王の詳細を教えてもらう条件にな、お前達元古竜魔王配下を3人連れていくというのがあったのだ。」
「おお、元主とはもう面識がおありでしたか。」
「全盛期のどれ位かは分からないが、それでも秘めた力を感じたよ。」
その言葉を聞いて嬉しそうにする巨漢。
「お前はやはり彼から力を受け継いだのか?」
「ええそうなります。
この体躯はその影響が大きいでしょう。
ですが、それをもってしても貴方のお力は脅威であると断言できます。
こいつのしつこさに折れたつもりでしたが、会ってみて自尊心が完全に折れました。
会うまではいっぱしの魔王になる!そのつもりでおりました。」
苦笑する巨漢はそれでも悔しさは感じさせない雰囲気で言葉を続ける。
「弟の惚れこむ理由も分かる、私も全身全霊お仕えいたしたい所存です。
・・・ただ、新しい主君に一言申し上げたい。
冥魔王は対立してはなりません。」
「それほどか。」
「あんなに魔導に長けた魔王を俺は知りません。
支配下におけるマナの多少は、基本的に魔導・魔術・魔法を使える如何に関わりません。
ですが、あそこまで自由自在に魔導を操る魔王となると、支配下のマナの過多以前の脅威です。」
軍を率いていたものがそこまで言うということは・・・考えを改める必要があるな。
「どうか、心に留め置かれますよう、強くお願い申し上げる。」
「分かった、大いに参考にさせてもらう。」




