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C0.4 事の発端 ― 4 ― 本の真価

・・・この本は・・・この本にはとてつもない価値がある!

魔法というものの創世記に書かれたと思われる魔導の奥儀が記されていた!

しかし興奮と共にいささか残念な気分に襲われる。

それは


「この書、組み上げる事の出来る魔導は、一度きり。

 一つの対象に効果は一度きり、対象は生物に限る。」


という但し書きが添えられていたからだ。

創れる魔法はたったの一つ。

そして、一つの対象に一度きりしか発動できないために、何度も重複して効果を及ぼす類の魔法も作れない。

これらの制限がかかるようだが、まぁそれでも何でも好きな魔導を一つ創造できるのは魅力的としか言いようが無い。


気になる一文といえばこんなのもあった。


「我らは八つで一つ、全て等しき顔を持たん」


この書があと7つあるということを指すのだろうか。

ならばこの書と同じ物を手にした他の7人も魔導を創造していることになるな。


私が創造した新しい魔導は「解析」。

マナの根源に至る研究を師匠から受け継ぎ、続けていた私にはぴったりの魔導だ。

元々魔導師には現存する魔法・魔術等を解析するだけの力はある。

しかし自由に組み上げられた魔導となれば、一朝一夕に解析できるなどということはない。

無論かなりの時間を費やせばできなくはないだろうが・・・。


・・・話が逸れたな。

で、こうやって名前だけ聞けば、相手の魔導を解析して己が者にできる万能の魔導のように感じるかもしれない。

しかし欠点は多く、目の前で魔導(魔法・魔術含む)が発動していなければ不発に終わること。

相手の魔法を強制的に解除する類の効果でもないこと。

これについては、解析後にある程度時間があれば発動阻止や解除も可能にはなるだろう。

しかし余りに早い発動(解析魔導が間に合わない・気付けない)や、発動する魔導の類(発動で昏倒・即死等の行動不能系)によっては一方的に窮地に立たされるだろう。


更に、相手を一度しか対象にできないため、奥の手を使う状況に持ち込まなければならない(出来るだけ相手を追い詰めてやるのも手だ)。

気をつけるべきは、他愛の無い魔導にこの解析を発動してしまっては、その相手の奥の手は二度と私の物にならない。


しかし・・・他の7人に造られし魔導・・・それらを私が手に入れられたなら・・・?

ただ、双方とも1度限りの奥の手であるため難易度は極めて高い。


最後の懸念は、他の書を手に入れた魔導師達がどこに存在しているか、だ。

他の7人を見つけ出すのは容易ではないだろうし、まずは試し撃ちしてみなければならないだろう。


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