C0.5 事の発端 ― 5 ― 試し撃ち
最初の犠牲者として狙いをつけたのは死霊使い・ネクロマンサーとして有名な、魔導師・・・になりそこねた魔術師の老人だ。
才覚は素晴らしいが、性格と扱えるマナの量に難があることで有名な人物だった。
魔術師を選んだ理由は、下手に魔導師に狙いを定めると、それがたまたま他の7人だった、なんて可能性もあるからな・・・。
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実際に良い人選だった。
彼の魔術は極めて質が高く、どれもこれも解析をかけてみたくなるようなものだった。
なのに扱えるマナの量が小さいせいか、歯ごたえはまるで無かった。
万が一のために用意しておいた幾つかの魔導でさえ、使わずに済みそうだ。
「お、おのれ・・・わしを小物と侮りおって!
ただでやられると思うなよ!」
追い詰められた老人は取って置きのネクロマンシーの術式を編み上げ始めた。
おお・・・なかなか期待できそうだ!
こちらも魔導・「解析」の発動の準備をする。
私と老魔術師の魔導・魔術、双方の準備が整った頃“それ”は突然襲ってきた。
ジュオオオオオオオオオオオオオ!
どこからか放たれた高密度の魔導の光線が私達(恐らくは私?)に放たれたのだった。
私は咄嗟に用意しておいた防御術式を最大限に展開して応じる。
ズドオオオオオオオオオオオオオオオオン!
老魔術師の隠れ家は跡形も無く吹っ飛ぶも、私の防御術式の防御範囲に守られる形で老魔術師は無事だった。
私はというと ―そもそも目の前の相手のために用意してた術式だったため― 反応が遅れ完全に防御しきれず、左半身に手酷い火傷を負う羽目になってしまった。
「う・・・ぎ・・・ぐ・・・」
酷い痛みだが、反撃できない程ではない。
急いで魔導によって攻撃者を探査する・・・が、反応なし。
撃つだけ撃って直ぐに逃げたようだ。
老魔術師はというと戦意を喪失しへたり込んでいる。
どうやら今の攻防で格の違いを悟ったようだ。
彼は置いとくとして、例の本から奇妙な気配を感じて痛みに耐えながら本を取り出す。
傷の手当もしなければならないが何よりまず気になることを片付けねば。
「何だこれは・・・」
本を開いて読めなかった部分を開くと、そこには周辺の地図らしき物と幾つかの星のマークの塊の光が2点浮かんでいた。
・・・片方は私の現在地だ。
「造りし魔導を発動すると、その場所が表示される・・・だと!」
無意識で口に出してしまう、が、そもそもその場にいる老魔術師には分かった所で扱うことも出来ない本の話だ。
それより厄介なのはこの本で作った魔導を使えば、他の魔導師にも察知される上に場所まで分かるということの方が問題だ。
「急いで移動しなければ・・・。」
そう思った瞬間、視界が一転した。




