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C7.7 衝突 ― 7 ― 銃創

ケンタウロスの女リーダーの状態は良くない。

奥の手を使うしかないな・・・こんな早くに使うことになるとは・・・くそっ!

普段城の中に溢れ出てしまっている余のマナを、手元に集めて治療に充てる。

治癒の魔導はもちろん専門外だが、奥の手をカモフラージュするために同時に行う。

これは眷属にも余り知られたくない・・・それが常態化すると不味いからだ。

一通り治癒を施し、奥の手を駆使して命を取り留めたのを確認してからケンタウロスに告げる。


「大丈夫だ、命に別状はない。

 とはいえ安静が必要だ、暫くの間休ませてやるが良い。」


「おお、おお!おおおおおおお!!!ありが、有難う御座います!魔王様!」


ケンタウロスは歓喜に吠えると、大事そうに女リーダーを抱えて静かに謁見の間を後にしていった。

そして余は、治療の最中取り出しておいた金属の欠片のいくつかを手に転生者へと向き直る。


「先程、お前は何か言ったな。

 それは何だ?何を知っている?包み隠さず分かり易く丁寧に答えろ。」


自分でも信じられない程の威圧を込めてしまったのだろう。

眷属達が恐慌をきたし、普段はそれでも耐えているはずのデスロードや、面白がっていた偽メイドまで仰け反っている。

転生者には余の威圧はまるで効果が無いためきょとんとしていたが、周りの様子を見て改めて余の怒りの程を知ったようだ。

ヒィッ、と小さく悲鳴を上げるとへたり込んでしまう。


「主!我が主様!それではその人間が死んでしまいます!」


「害する意志など込めておらぬ故、こやつは何も感じて等おらんよ。」


「ですが!仮にも我等が全く主を直視できておりません!

 感じれなくても影響がないとは言い切れません!

 どうか!どうか!気をお静め下さい!」


気を静めろ?どうやって?

そうして怒りを振りまいていると不意に目の前が暗くなる。


・・・

・・


「おいおい、どうした?キレ過ぎだろう?」


「・・・お前か。」


「本当、落ち着けって。

 唯一の情報源をどうにかしちまったら、それこそやられっぱなしになるんだぜ?」


「・・・影響はないだろう。」


「過去、加護の無かった人類がどうなったか知らないわけじゃねえだろ?

 落ち着け、マジで。」


・・・そう・・・そうだな・・・落ち着いて・・・それから・・・情報を。

怒りをぶちまけるのは後でも良い・・・そうだ、落ち着け。


・・・

・・


視界が元に戻ると集まった眷属達がへたり込んでいた。


「すまなかったな、眷属達。

 少し取り乱したようだ。」


「いつもの魔王様に戻られてほっとしております。」


デスロードに頷くと、改めて転生者に向き直る。


「お前はあの傷を聞きなれない言葉を使って表現した。

 対して我等はあの傷の状態をまるで知らない。

 知っていることはすべて話してくれ、余は情報を求めているのだ。」


「ひゃ、ひゃい。」


呂律も回らなくなる程恐怖している人間を見て、流石にやり過ぎたかと多少の罪悪感を抱いたのだった。


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