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Rise Doll Online  作者:
第一章 Play Game!
19/56

第十九話 さくらいろ Ⅱ

明けましておめでとうございます

今年もよろしくお願いいたします


次で「さくらいろ」は終わります。

サクラとアオのリアルでの出会いは書こうか迷ってます。

だって、結構きつい内容なんだもん。

今の所、可もなく不可もなくで回想という形で書こうと思います。

ちゃんと見たい人が居たら書くかもね

「う~ん、どっしようかな……」


 少し古びたカウンターの中で、背もたれのない簡単な椅子に座りカウンターに頭を乗せて独り言を呟く。

 

 ここは私が大家さんから格安で借りている店舗兼住居だ。主に調合で作った薬を売っていて、プレイヤーにも町の住民にも売れている。

 ポーションはNPCにとっても重要な薬のようで、怪我や病気や疲れがたまっている時に使うらしい。どうやらNPCにもプレイヤーと同じようにステータスが設定されているみたい。


 ボケッと椅子に座っていたが、何かを思い出したのかポーチの中から一枚の写真を取り出した。 

 取り出した写真には白髪の小柄な女の子の姿が写っている。その写真を真剣な眼差しで見つめる。


「やっぱり…似てる、ううん。ここまで似てる人なんてそうそう居ないだろうし。やっぱり…」


 初めて出会ったときはかなりビックリしたのを覚えている。一目見たときに昔の思い出がフラッシュバックした。

 長年探していた相手に、たまたまやり始めたRDOの中で出会えるなんて…これはまさに運命。


 今までは本人かどうか確信が持てなくて、もしも人違いだったらと思うとどうしても確信的な事を聞けないでいた。

 でも、そんな煮え切らない態度もそろそろ終わりにしないと…もう時間が無いのだから。



写真を眺めているうちに、いつの間にか睡魔に襲われていたようでコールの音で椅子からずり落ちそうになった。

 コールの相手はシュリちゃんだ。


『やほやほ~』

「もしもし、シュリちゃんからなんて珍しいね。どうしたの?」


 シュリちゃんとはテスト時代からの知り合いで、知り合って直ぐに仲良くなれた。それもこれもシュリちゃんの性格が人付き合いに向いているからかもしれない。

 

 シュリちゃんとは何回か採取をしながらLV上げをする事もあったけど、そういう時はた大抵私が連絡するからシュリちゃんから連絡が来るのは珍しい。 


『いやな、今から幾つかのPTで一緒に次の町に行くんだけど、一緒にどうかなって。たしかサクラって生産専門だったでしょ?うちのPT丁度空きが一人分あるし、どうっすか?』

「う~ん…お誘いは嬉しいんだけど。今回は遠慮するよ」

『了解っす。何かあったら呼んでくれれば飛んでくから、んじゃまた』

「うん、またね」


 新しい町には興味はある。だけど、いくら仮想空間といってもここまでリアルだと咄嗟の時にあの症状が出てしまうのだ。だから、今回は遠慮したのだ。


「はぁ…もう結構経つし、そろそろ慣れなくちゃいけないんだけど…」


 もう時間がないんだけど…明日から頑張ろう、うん。


 さて、まだ夕飯までは時間があるし採取にでも行こうかな。

 

 そう思い椅子から立ち上がる時に、カウンターに乗っていた写真がフワッと舞い落ちる。

 咄嗟に写真に手を伸ばしたその時。


「サクラいる?」


 最悪のタイミングでアオさんがドアを開けて顔を出す。まずい…このままでは盗撮した写真を見られてしまう。


 カウンターを乗り越えてアオさんに抱き付き、その中でじゃれる振りをして写真の回収。うん、これしかない。

 そう思いカウンターを乗り越えてアオさんの方にジャンプする。その時写真はアオさんの足元に風で運ばれるがその写真には気が付いていないようだ。

 次の瞬間顔面に鈍い痛みが走り、顔を抑えて床を転がりながらなんとか写真を回収した。


 私がまだ転がっていると、そっとドアを開けてアオさんが顔をのぞかせる。


「ひ…ひどいですよぉ~」

「自業自得だからな」

  

 少し呆れた顔をしながらもこちらに手を差し出してくれる。

 なんだかんだ言いつつも、最後にはこうして優しいところを見せてくれる。これがツンデレというやつなのかな?


 起こしてもらい店の中の椅子に座ってもらい、対面に私が座る。


「アオさん、何か御用でも…はっ!ついに禁断の恋に「無いから」…ですよね~」


 覚悟を決めて聞こうと思ったのに、いざとなったらその言葉が出てこない。

 たった一つ、昔の事を聞きたいだけなのに。


「いつもの薬草の納品だよ…ほら」

「あ、はい。これまた多いですね」


 この薬草の取引だって、アオさんとなるべく自然に会う口実として私が言い出した。

 実際、自分で採ってくる量だけでは在庫が無くていざという時困るから、やましい気持ちだけではないんだけど…いや、確かにお人形さんみたいで可愛いし、こう…ぎゅっとしたくもなるけど普通だよね?


 薬草の数を数えてポーションを渡す。最近は質の良い物が増えてきたので、そろそろ交換のレートを変えようかと思っている。

 ポーションは大元の素材によって「粗末なポーション」「ポーション」「上質なポーション」の三つに分かれていて、それぞれ効果が違う。

 品質が粗悪な薬草からは「粗末なポーション」品質が上質なら「上質なポーション」ができて、効果は倍ぐらい違うのだ。


 薬草をしまい、ポーチの中を整理しているとアオさんが何かを思い出したかのような顔をして聞いてくる。


「そういえば、サクラは新しい町に行かないのか?」

「あぁ…えっとですね、まだ行かなくてもいいかなっと、思ってて…」   


 うぅ…やばい、答えに詰まっちゃった。変に勘ぐってほしくないけど…

 アオさんの方をちらっと見ると真剣な顔をしている、何か勘違いされている気がしなくもない…


「サクラ、これから時間あるか?」

「え?え~と、二時間ぐらい大丈夫ですけど?」

「んじゃ、散歩でも行くか」

「え?あ…ちょ、アオさん」


 アオさんがいきなり私の手を握って店を出る。

 咄嗟の事に反応できなくって少し転びそうになりながらも、アオさんがしっかり手を握って引っ張てくれる。


 表通りを少し足早に引っ張られ、早歩きで進む。

 アオさんは先頭に立ち普通に人を避けているように見えたが確実に若い男性の近くは通らないように歩き。人が多くなった所で裏道に逸れた。

 

 何で分かったんだろう…RDO内でも誰にも言ってないはずなのに。

 やっぱりあの人なのかもという思いが強くなる。


 その途端、繋がれている手を意識してしまう。

 それもしょうがないでしょ?

 だって、長年探していた命の恩人であり、初恋の相手かもしれないんだから…

 

誤字脱字、文章構成の下手さが目立つかもしれませんが。

今年もよろしくお願いいたします。

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