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個人Vをしていた幼馴染が歌い手(笑)に寝取られたけど、2人が人生の坂を転がり堕ちていくのを眺めていることにした。  作者: サドガワイツキ


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第26話 まさお撃破!勝つのはオレだ(笑)


 とはいうものの、荒い呼吸に焦点の定まっていない目でまさおの様子はちょっとおかしいので注意しないといけない、最優先事項として草鹿さんと朝倉を逃がすことなんだけど、そのためには背後の姫子が邪魔だなぁ。・・・いる場所も存在も。


「なんだか大変な事になってるみたいだね、たっくん☆

 今日はまさおのお目当てはたっくんじゃないみたいだし、私と一緒に逃げよ?」


「ああ、女2人をおいて逃げるなら見逃してやるぜぇ、約束してやるよぉ!」


 背後からの姫子の声にまさおが相槌を打ってるけど、どうみてグルだろこいつらー!!スマホを取り出して今すぐにでも通報したいけど、下手に動くとまさおが飛びかかってきそうだから隙を伺いつつ・・・おちょくっておこうね!!


「ほ、本当に・・・俺だけなら逃がしてくれるのか?」


 がーくがーくぶるぶると怯えた様子でまさおに聞くと、我が意を得たりとばかりに“わかるよー”と良い笑顔を浮かべながら深く頷いた。


「ギブアンドテイクだ。

 お前は助かる、俺はセックス。

 取引と行こうじゃないかぁ。

 女なんて他にもいるんだ、こんなところで痛い目みたくないもんなぁ?

 賢い判断だぜぇ」


「―――だが断る。

 この高遠巧、自分の身可愛さに女の子を見捨てるような真似はしないんだぜ!」


 そう言って両手でまさおに中指を立てる。

 そんな俺の煽りに、目元をピグピグさせて顔を醜く歪めるまさお。

 そこにはかつてのイケメン歌い手の面影はナッシング。


「こ、この、このガキャァー!

 てめー、俺に『NO』っつーんだな?!

 無実の俺を罠に嵌めて冷たくて暗い留置場送りにしたってのを寛大な慈悲の心で、

 女2人で許してやろうとするこの俺の『清い心の思いやり』に『NO』だっつーんだな!?

 そんなの・・・メチャゆるせねーよなぁー!!」


 誰が無実だ誰が。軽犯罪のバーゲンセールみたいなやつが何ほざいてんだよクソたわけがよー!

 けど逆ギレしたまさおは、ポケットから素人目に見てもわかるゴチャゴチャ改造されたスタンガンをとりだした。それ、違法じゃない?大丈夫?もっと罪のカウンター貯まっちゃわない、まさお?

 

「改造スタンガンだぁ!当たると痛ぇぞーっ!!」


「なにそれ↑←↑のコマンド入力とかしてそう」


「バリグナーもいいけどガワラグナーもいいよなぁ!!」


 配信してるのに自分で改造スタンガンだって言っちゃうのとか、俺がボケたら乗っかってくるあたりの絶妙な緩さがとってもまさおしてんなぁ~。


「ちょっと、たっくんには手を出すなって言ってるでしょ?!」


 改造スタンガンを手に突進してくるまさおと、なぜか焦ったような姫子の声。しかしまさおは俺に賭けたデッドヒートでファックユーしてるので姫子の話を聞いていない。

 どうすっかなー、俺に向かってくる分には草鹿さんと朝倉が逃げれし、ここは痛そうだけど大胸筋バリアするしかないか、ライフで受ける!


―――と思ったところで視界から朝倉がいなくなっていた。


 おや?と思ったら普段のダウナーでやる気のない動きとは違う機敏な動きで、俺達の背後に迫っていた姫子のさらに背後へと回り込んでいた。い、いつのまに?そして力強く、姫子の背中を押す朝倉。


「なっ、ちょっとぉ?!」


 朝倉に勢いよく突き飛ばされた姫子をさっとかわすと、丁度俺達の前に姫子が飛び出す形になった。


「あびゃびゃびゃびゃびゃびゃびゃびゃぢが、わだじじゃにゃいでじょぉぉぉぉぉ」


「うわっ、アシェルゥ?!」


 そして姫子はまさおにぶつかかり、まさおの持っていたスタンガンに接触した姫子が激しく痙攣しながらまさおを責め立てている。

 さすがにヤバいと思ったのかまさおも慌ててスタンガンの電源を切るけど、姫子はぐったりと地面に崩れ落ちた。時々ビクンビクン痙攣してるのがちょっとシュールね。

 しかし物騒すぎるだろまさお!配信LIVEでさらにアウト積み立ててるじゃねーか!!


「近くにいたアンタが悪い」


 そして崩れ落ちた姫子見ながらしれっと言ってのける朝倉。偶然に偶然が重なっちゃったねぇと偶然でゴリ押ししようとする朝倉だが、さすがの草鹿さんも引いてる。


「すまねぇ姫子。後でお詫びにそこの女達とまとめてイカせまくってやるからな」


「だ、だれがあんだなんがどじびびびびびびじびれるぅぅぅ」


 陸に打ち上げられた魚みたいにビタンビタンしている姫子に一生懸命に声をかけているまさお。

 よし姫子が居なくなったおかげで逃げ出せるぞ。すべてはチャンス!!ヨッコラァァァァ!!


「今だ・・・逃げるんだよォー!」


 千載一遇の好機に草鹿さんと朝倉の手を引き走り出す。

 どうせこれは生配信LIVEされてるので俺達はここを逃げ切ればいいのだ、そうすればまさおは確実に実刑で消えるでしょ。


「まてそれはおれの女だぞ!!」


 後ろからよたよたと追いかけてくるまさお、まてその理屈はおかしい。

 ついでに「グェーッ」と言う声が聞こえたけど、まさおは俺達を追うのに目が言っていて足元の姫子を踏みつけたようで盛大にすっ転んでいる。何あのグダグダなコンビ(?)。


「おハーブだ、おハーブが足りねぇんだ・・・おハーブが俺に元気と勇気をくれる!!おハーブでゆっくりするのじぇぇぇぇぇっ!!」


 そう言いながらポケットから原色ギドギドの明らかにあやしい錠剤を取り出し口に含むまさお。そんな事しちゃぁダメだろ・・・。


「ゆらぁぁぁぁぁっ!!ちかだがみなぎるのじぇーっ!!!」


 再び立ち上がり、ついでに勃ちあがりながらも元気に加速してくるまさお。うおお、追いつかれそうヤバですよ、ヤバイ!焦りながら2人の手を引いて走っていると、逆光で姿は見えないけれど誰かが路地の先に居た。その人はこちらに向かって走ってきている。地獄に仏ぇ~!!


「た、救けてくださーい!!」


「―――たくみ、私と一緒に地獄に落ちよう」


 とおもったらしゅーこちゃんだ!!八車さん家のしゅーこちゃん先生だ!

 しゅーこちゃんは俺達の横をすりぬけてまさおに向かっていく。肩越しにシュー子ちゃんの様子を見ると、両足をそろえて飛び上がっている。


「お前はあの時の女なのじぇ!!まとめてせいさいっ!してやるのじぇええええっ!!」


「そぉい!!」


 しゅーこちゃんに見覚えがあるのか、何か喚きながらしゅーこちゃんに跳びかかろうとするまさお。けれどしゅーこちゃんの方が早い!!

 カウンター気味に放たれたしゅーこちゃんのドロップキックのような蹴りがまさおの胴体にめり込んで、まさおは身体をくの字に折り曲げて悲鳴を上げた。


「じぇあああああああああああああああああああああああああああああっ!!」


 勢いよく蹴り飛ばされたまさおが吹き飛んで地面を転がると、地面で痙攣している姫子の上に折り重なって止まった。無様・・・あまりにも無様すぎる。


「おもにぜんしんがいたいのじぇっ・・・ゆんやー・・・」


 ガクリ、と力尽きたまさおを確認してから、俺達の方を振り返るしゅーこちゃん。ありがとうしゅーこちゃん先生しゅーきしゅきめにしゅき!!


「買い物の追加があったから追加のお金を持って君たちの後をおいかけていたんだが、結局追いつけなくてな。そこにレンやキララからまさおが皆を襲っているという連絡がきたから急いできた」


 そう言ってピースサインを出すしゅーこちゃん先生。いやー間に合ってよかったですありがとうございますしゅーこちゃんありがとう、ありがとう!!

 そして皆がつーほーしました!してくれたのかパトカーのサイレンの音も聞こえる。いやぁ、これでザエンド・・・ってね。あ違うジエンドだわ。


「あ、今更だけどこれ配信LIVE中だからなまさお」


 意識を失なっているまさおに声をかけるけれど返事はない。

 良かったねまさお、裁判所が待ってるよ☆


「ふぅ、終わったよ」


「それは騒動が?まさおの人生が?」


俺の独り言に朝倉がツッコミいれてくるけど、多分両方でござるよ。


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