Your Voice #8 「君に届け、この気持ち。 前編」
——「お前らってさ、「付き合ってる」の?」
叶斗のその言葉を聞いてから、何故か僕と小森は顔が赤くなる。
「やっぱり、つきあってんだ…!」
「つ、付き合ってない!!誰がこんな男のこと好きに…なるのよ…。」
いやそこで変な間作ったら余計叶斗に怪しまれるぞ…!と小森に言いたいところだが、自分をあんまり否定されなかったことに僕は何故か嬉しさも覚えた。
「小森が困ってるだろ?もうからかうのはやめろよ?叶斗。」
そう、僕が言うと、
「だってさ…颯人と小森がもう「カップル」にしか見えないんだよ…。」
こいつどんだけ空気読めないだよ!とキレたいところだが、そんなことしたところで状況は変わらなさそうなので僕はこう言う。
「いや…そうだと思ったとしても口に出すなよ…。」
すると、ようやくわかってくれたのか、叶斗は「確かにな、すまん」と言ってこの話は終わって僕たちは学校に残っているかもしれない三河先輩を探しに、教室を後にした。
まあ、途中で小森が聞こえないくらいの距離感を叶斗は少しだけ作って、「俺と颯人、二人きりの時に詳しく聞かせてもらうからな笑」と僕は言われたんだけどな。
そしてそれから、僕らは必死に三河先輩を探した、が、学校に三河先輩の姿はなかった。
「やっぱもう帰ったんじゃね…?」
叶斗が言う。
確かにそうかも知れない。もう時刻は4時半を回っていた。
「いや、まだわかんないだろ?もうちょっとだけ探し——」
そう僕が言い切ろうとしていた時。
「「「あっ」」」
「えっ」
——そう、三河先輩が僕らの目の前に現れたのだ。
「…あんた達こんな時間まで何やってるの?早く帰りなさいよ?って小森…?」
「み、三河先輩…!実はあの…、話があって…」
小森がそう言うと、三河先輩は顔を歪ませてすぐにこう言った。
「誰があんたの話なんか聞くのよ。じゃ、さよなら。」
「ちょ、ちょっと待てよ!」
僕は三河先輩を呼び止める。
「…?誰?あんた」
「小森と同じクラスメイトの桜田颯人だ。三河さんとの中学校時代のコンクールの話を小森から聞いたよ。いくら小森がコンクールでみんなの合唱を台無しにしたって、辛いのはお互い様じゃないか?そりゃ小森が調子乗っていたのも悪いとは思う。でも、それは小森が一番苦しいほど反省してるんだ。全て小森のせいにしてずっと過去のことを引きずるのはおかしいと思う、だから、もう一度だけ、小森の歌声を聴いてくれないか…?」
僕は小森のことを想いながら、そう無意識に口にしていた。
そして続けて、
「もし、小森の歌声を聴いて気が向いたら、一緒に文化祭で「もう一度」、舞台に立ってくれないか——。」
——僕は願うようにそう伝えた。
【あとがき】
どうも!Matchaです!!
なんとかいいペースで投稿出来ている自分を褒めたい(?)
ではまた!次の話で会いましょう!またね!




