#4
無音の中に1人。視界がブラックアウトした後にここに来た。
帰れるんじゃなかったのか?
そう言う思いがあったがそれはすぐに消えた。
一筋の光が見えた。それはまるで扉のようになっている。
その扉の上には victory と表示されている。
「ビクトリーか。勝ったてのは本当だったのか・・・」
ここまで鮮明になっていると、夢でないことを決定付けてしまったように感じた。
そうして扉を開けると次はホワイトアウトした。
ー現実世界ー
ホワイトアウトの世界から出たのは、学校の階段の屋上への入り口前だった。
やっと現実世界に戻ってくることができた。
外は夕暮れ。異世界(仮)に飛んだ時とだいたい同じ時間だ。
「帰るか・・・」
俺は家に帰ることにした。
華創島の中田川市川山斗 にある一軒家に住んでいる俺は、影葉高校から電車で一本だ。
帰り道に同級生と何人か会ったが、俺が戦った謎人達のような奴はいなかった。
まぁ、疑うつもりはないけどね・・・。でも絶対いるんだよなぁ。
そうして家に着いた。
「ただいま〜」
力の抜けた声を出した。
あんな事があったから疲れているんだろう。
何かあったの?と聞かれたが適当に作り話を言っておいた。
俺の部屋は2階にある。
やはり学校よりも、荒野よりもここが落ち着くよな。
俺はふと、強制インストールされたアプリを思い出した。
あの戦いの後に俺のスマホは元に戻ったが、アプリがインストールされていた。
「ランク・・・レベル・・・ステータス・・・」
いろんな事が書かれていた。
ちなみに俺はランク・レベルは最低値だ。
なぜかステータスは全て???で埋め尽くされていた。
それは仕方ないだろう。
戦いに自分の技ではなく、相手やゲームの技を見様見真似して勝ったからだ。
そしてSNSのようなタイムラインがあった。
そこにはいろんな事が書いていたが、目を留めた物があった。
『謎のニュービーRe:A現る!?』
「おいおい、勘弁してくれ・・・」
早くも俺の噂が回っていたようだ。
俺はあの世界で戦い続けることを余儀なくされたようだ。
すると通知が来た。
『謎のニュービー君かい?』
そう書いてあるのが最初だった。
その後に4件ほど来たが。
「謎ですね。自分でも」
そう言ってやった。だって勝手にこうなったんだからな。
『そうかい。これからは君は僕たちと同じシークレット・ウォーズで戦っていかなければいけない』
やっぱり戦わなきゃいけないか。
俺がいたあの世界ではシークレット・ウォーズと言う戦いが行われていたのか・・・
「シークレット・ウォーズ」ということは秘密にしていなければいけない気がした。
するとそんな感じの答えが返ってきた。
『この戦いは、その名の通り秘密にしていなければならない。バレてしまったらどうなるかわからないよ』
怖いこと言うなぁ・・・。まぁそうするけどな。
シークレット・ウォーズの謎のニュービーRe:A という名前でやっていかなければならない。
大きいことを押し付けられたなぁ・・・。
高校に入学して早1週間。とんでも無いことになってしまった気がした。
まぁ考えてもしかたねぇ。明日考える。
そうしてベットに飛び込み眠りに入った。