#2
学校から帰ろうとして、上が気になったから階段を上ったら異世界(仮)に居た。なんてことは、あり得るのだろうか。現状、あり得た。誰が描いたシナリオだ。ちょっとラノベみたいだな。
そんな呑気なことを考えている場合じゃない。ここを出る方法を探さなきゃ。
立ち上がると雷が鳴った。かなり近い。
そしてそれに応えるかのように俺のスマホが反応した。
『complete』
コンプリート・・・なんだそれ・・・。
壁から少し顔を出すとよく見えないが人が4人いた。
喧嘩をしている夢を見ているのか?と自分を疑う事しかできない。
貧血を起こし、先生か誰かが保健室まで送ってくれたのだろうか。
ベットに横になっているなら夢でもおかしくはない。
こちらには気づいていないようだが、1人壁に向かってきた。
その人に向けて放った攻撃が地面に当たり、地震が起きているように感じた。
すると俺の隠れている壁の真横に攻撃が飛んできて、気絶しそうになりながらも立ち上がり、ここを出る方法を考えようとしたが他の人に俺が隠れていたことがバレてしまった。
「誰だ。」
4人の中の1人がそう言った。そして全員がこちらを向く。
怖いが俺も言い返してみる。
「お前らこそ誰だ。そしてここは何処だ。」
不思議そうな顔でこちらを見ている。
きっと何も知らない人間が入ってきたからだろう。
「ここにいるということは華創島の人間なんだろ。」と謎人A。
華創島の人間は誰もがここに入れるのか? だとしたらなぜ俺は知らないんだ。
「華創の人間は誰でもここに来れるのか?」
「そう言うわけでは無い。選ばれたものだけが入れるところだ」
選ばれた者?
「「「こっちも忘れるなよ」」」
謎人B.C.Dの攻撃が謎人Aに。(なんかややこしいな)
「ここは戦いの場だ・・・・戦いが終わらない限り現実には戻れない・・・」
謎人Aも負けじと攻撃し返す。
戦いの場と言うのはガチのなのだろうか。死んだら現実でも死ぬ、みたいな。
「負けたら簡単に出れるけどねぇ・・・・」と謎人C。
負けたらか・・・生憎俺は負けず嫌いなんだよな。変な所で。
「じゃあ、あんたらぶっ潰して現実に戻らせてもらうよ!」
ここは戦いの場だ。現実とは違う異世界なわけだ。ならできるかもな。
「あんたらのような技でな!!」
見様見真似。という言葉をご存知だろうか。小さい頃からの特技その2だ。
その他の特技はまたいずれ紹介しよう。
まず謎人Bの真似。見た通りに右手に力を込める。
そこから指先へ力の動きをイメージする。
「はぁぁぁあああ!!」
威勢の良い掛け声?で一気に攻撃を放つ。
「グフゥッ」
思った以上に効果があったようだ。
俺が放ったのは電気技。
「今のは・・・俺がした技じゃ無い・・・」
と言葉を残し、謎人Bが倒れた。
「あんたがした技は、超簡単にできる初等科学攻撃ライトニング」
謎人A.C.Dとの距離を詰める。
3人は少し後ずさりする。
「そして俺が打った技はちっと上の技らしいね」
起動しっぱなしのスマホに攻撃ログが出ていた。
『電磁砲 発動』
「電磁砲か・・・・」
「真似出来ねぇくらい早いのはどうだよニュービー?」
今まで全く目立たなかった謎人Dが動き出す。
一言で言うとマジで早い。目で追えない。
しかし大体見当がついてしまう。敵の動きが。
「そいっ」
周りを囲むように動き、攻撃しようとしていた謎人Dに左手を真横に出し、一発で仕留めた。
「何故、・・・ニュービーごときに・・」
謎人Dもそこで倒れる。倒れた謎人の頭の上に負けを意味するloseと表示されている。
動体視力は思いのほか良い方なようだ。
「ニュービーニュービーうるせえな。こっちは初めてだが、力が無いわけじゃ無いんだよ」
そして謎人A.Cの所に向って走り出した。