限界突破その9
ブオンッ
鎌を振るう死神。
ぎりぎりなんて楽しまない。勝つために来た。
死神を討伐してやるぜ…！
鎌をよけて死神から離れ、石を軽く投げる。
うん。これでも、前挑んだときより強い。
「ク…低俗ガ…」
知らん。
鎌を振るう死神。
鎌には弱点がある。
大きさゆえに振りが大きくなり、かわしやすく隙ができるので攻撃のチャンスが多い。
…心が痛む。
「黙れ。」
鎌を振り終わった死神に隙ができたとこに石を2～3個投げて近づく。近づかないと逆に近づいてきたり、スキルを使われたりして、俺に不利になるからだ。
とりあいず、これの繰り返しで行こうと思う。
長期戦を予定している。なので、集中しすぎては持たないかもしれないということで、集中しすぎないようにやっている。
繰り返して、繰り返して、繰り返す。
「チョコマカスルナ低俗ガァァァ！！」
死神が怒った。ここからが問題だ。
さっきより強くなる。
さぁ！
死神がさっきとは段違いの速さで鎌を振るう。
俺は今までと違う速度に反応しきれず、スキルの効果だけで全身の筋肉を使い横に飛ぶ。
こういうところがリアルだ。筋肉痛になりそう…
しかし、今はどうでもいい。
さっきまでの死神とは違い、追撃の鎌をふるって来る。
俺は後ろに体をねじり、ぎりぎりでよける。あぶねぇ！
ここでだが、石の扱いというスキルは石で相手を殴ることも可能らしい。
ということで…殴る作戦。
鎌の隙が大きいのは変わらない。
俺はすぐ体を起こし、死神の頭を野球ボールくらいの石で殴る。
うん。透き通る。
しかしやり続けよう。こいつに勝てなければ…
石で殴ったあとは後ろに飛ぶ。
「鎌スキル〝地獄乃鎌鼬〟」
やばい！間をあけすぎた…！
無数の風の鎌が飛んでくる。
これは…やバイ！
俺は第一の風の鎌を浮遊術でよける。下側に来ていたのでぎりぎりよけれた。
風の鎌は…まだまだある！
俺はすぐ地面に着地し、前に進む。
前にステップをし、石を鎌に向かい投げる。
石が真っ二つ。
これはあたれないな… 石で強行突破が無理そうだ。
安全を求めて横の飛ぶ。
しかし、風の鎌だけを意識しすぎた。
死神が鎌を構えて待っている。俺は石を腹になげるが、結果は同じ。
石を二つもち、片方の石を相手の鎌のひらべったい部分に当てようと構える。
左手の石を全身の筋肉を使い狙う。しかし、左手だからか外れる。
やばい…！鎌が直撃する…！
無意識に俺は右手の石を思いっきり投げる。どこに狙ったかはわからない。とりあいず、投げた。
肩が壊れるかと思った…やばい！
状況が変わるか、変わらないかわからないうちに左へと転がり、逃げる。
「キサマ…何故我ニ攻撃ヲ…」
ッ！？あたった！これで…勝てる！
俺はやる気が出てきたのと同時に体のうちから力がこみ上げてくる…と錯覚する。
思い込みは大事だ。
そこらへんにあった良さげな石を両手に持つ。小細工なしだ！
正々堂々殴り合いで…！
中二病？知らん！
男子ならだれでも、喧嘩を想像したり、修行みたいなのをやってみたり…とやったことがあるはずだ！
俺？あぁ、やったよ。今からその成果を…
ここからはラストスパートだ。
集中…！
「此処マデ侮辱スルカ…！ユルサヌゥゥゥ！！」
「うるせ～よ」
さらにさっきよりも速い。
けれど集中して、鎌を良く見る。
うん。わからない。
まぁ、いい。
やはりワンパターンと思えば、すそから小さな鎌をとりだして投げてきた。
俺はさすがに反応しきれず、指を一本もってかれた。
鎌が小さいセイか、思ったほどダメージが大きくない。
4分の1程度だ。
鎌を投げた死神は大きい鎌のほうに持ち替えている。
その隙に俺は浮遊で一瞬だけ浮かんで相手の脳天に石を叩き込む。
死神は地面に向かって頭を鉄球のように落とす。
まだだ。更にその頭に右に持っていた石をたたきつける。
しかし、それはできなかった。死神は、禍々しい黒いオーラを纏い赤い目でこちらを睨む。
憎しみと屈辱が目にうつっている。
一瞬寒気がし、恐怖にのっとられそうになったがぎりぎり保てた。
死神は次の瞬間姿を消して、後ろに回っていた。
「…魂ヲ」
死神はそれだけ残して、鎌を俺の首に当てていた。
さて、ここでどうしようか。
とりあいず、かっこいい台詞を。
「きかねぇよ」
俺は血石を熱して作った血を鎌にかける。
鎌はあっというまに錆びる。これは試しにやってみただけで確信があったわけじゃない。
やってみただけだ。成功！失敗したら？死に戻り★
石で思いっきり鎌を叩く。叩き壊す。
鎌は砂のようにぼろぼろっと落ちかけていってから糸の切れた人形みたいに崩れいていった。
っと同時に鎌は消滅した。ある程度ダメージ判定があると消滅するようだ。
「我乃命ヲ…」
死神はもはや黙った。
そして、こちらに飛び掛ってくる。
「消滅せよ」
俺は死神の顔に石を思いっきり叩き込んで、死神は闇に包まれ消えていった。
倒した。
死神を倒したぁあっぁ
「うぉぉぉ！！！やったぜぇぇぇぇぇ！！！！」
よしっ！一歩前進！
めちゃくちゃ嬉しい！
さて！お楽しみドロップアイテムは…
【死神（監視タイプ）の目】〔レア食材アイテム〕＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
ランクが下から3つ目の死神。監視専門なので戦闘には向かないが目だけは一級品
スキルは視弐神の目を中確率で習得できる。
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【死神ローブ（粗悪品）】〔ユニーク装備品〕＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
位の低い死神が纏うローブ。成績を残せば、このローブ自体が質が上がるよう仕組まれている。
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【死神乃大鎌】〔ユニーク装備品〕＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
魂ヲ狩ることで成長する鎌。死んだ死神の力が宿り0から作られた。
攻撃力＋13 重量＋44
追加効果：討伐時魂吸収
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「うぅぅ…」
やばい。泣けてきた。
そこまでの努力はしていないけれど、嬉しいな…
二つの装備品を立体化するが、ローブは汚らしいイメージだ。死神が付けていた奴よりランクが落ちている気がしなくもない。鎌は…大きすぎる！俺が今まで使っていたやるより二倍はあるかもしれない…いや、それ以上だ。まずもてない。これはどうしようか…
ていうか、この追加効果、かなりいいんじゃないのか？だって武器が強くなるんだろ？
まぁ、これについてはあとで調べておこう。その前にやることが！
「よしっ！早速装備するか！」
せっかく手に入ったのに装備しないでどうする！…この勢いは10秒で粉砕された。
～呪われました～装備品【死神乃大鎌】【死神ローブ（粗悪品）】
外すことができません。
ってうぉぉぉい！！
マジかよ…最悪！！いいことねぇな…
呪いのことはあきらめて…まぁ、騒いでもどうにも為らないし、装備はこれしかない。
問題は…石を拾えるのか…
うん。大丈夫だ！
装備はこれくらいかな。
あとはスキルと、食材。
もち、食材が先だ！
レッツ クッキング タイム！（スペル？分からん！！
