進化
「いけ!ビッグベアー!!」
「ポメ!何故なの?!何故初手にビックベアーを使うの?!」
タイプ相性。そう分かってる
ちょこまかタイプである「タックルニワトリ」に対して
どっしりタイプの「ビッグベアー」は絶対に相性で不利ということを
私はもう一枚のカードを筐体に差し込んだ
「行動カード!セット!!」
「行動カード?!」
ビックベアーの首周りに花飾りが装備されていく
「一日旅行券を使った!今のビッグベアーはただのビッグベアーじゃない!
『リゾートベア』だ!!」
「だから何?!」
「ビッグベアーは今、リゾートにいる!都会の喧騒を忘れて!
ちょこまかタイプの攻撃は都会の喧騒に等しい!つまり『リゾートベア』の
お気楽な脳味噌には攻撃を知覚できない!実質ダメージ半減だ!!」
「そんな!ダメージがほぼ通らない!!」
ビックベアーの体力はもともと高い。しかもいまや『リゾートベア』に進化している
そのお気楽な脳味噌には痛覚をなかったことにする心構えがある
リゾート利用者にはよく起こる現象だ
「一日旅行券!どうやってそれを手に入れたの?!」
「セタポイントを集めてポイント交換した!!」
この『ファイティングアニマルズ』はセタという会社が開発したゲーム
違うセタ製品のゲームと連動していて
そのゲームのプレイスタイルにより個別の『セタポイント』を獲得することが出来る
私は『ピクシーアクションⅩ』のランカーだ
セタポイントは「一日旅行券」に届くほど持っていた
「そんな!ほかのゲームに浮気なんて、私出来ないよ!!」
新たなる力『リゾートベア』
それは不利相性をも凌駕する
タックルニワトリはまともに攻撃を食らいダウンした
「you win!」
私は勝利した
「ポメ、ちょっと試していい?」
ロジュは再戦の催促をした
「いいよ」
一体ロジュは何を考えているんだ
完璧な存在『リゾートベア』に勝てるわけないじゃないか!
「息臭ラット!ゴー!」
何を思ったか、「どっしりタイプ」に弱い「じわじわタイプ」の
息臭ラットを出してきたようだ
この勝負もらった!!
すげえ臭い息を吹きかけてくる息臭ラット
するといつもよりダメージを食らう『リゾートベア』
「やっぱり!『ちょこまかタイプ』に強くなった代わりに
『じわじわタイプ』に弱くなってる!」
え?そんな・・・私の無敵時間もう終わり・・・?
リゾートベアは倒れこんだ
「you lose」
私のカードは筐体から排出された
悲しみのあまり「飼育モード」に移行する私
そこで待っていたのはにこやかな表情のビッグベアーだった
「一日旅行、楽しかったクマ!」
「でもお前・・・勝負に負けちゃったんだぞ・・・!」
「ワタシ達アニマルズにとって『一日旅行券』は最高の栄誉
ご主人様はそれを叶えてくれたクマ!」
「ビッグベアー!!」
私たちは抱きしめあった
他の手持ちのアニマルズにも絶対「一日旅行券」プレゼントしてやるんだ!
私はしばらくこのゲームが相性ゲーということを忘れ
ゲーセンに来てはアニマルズに貢ぐという
プレイスタイルになってしまっていた




