それぞれの意図
`tuurururururururur tururururururururu´
「はい、原田です。」
「あぁ、川上だが。今大丈夫か?」
「えぇ、大丈夫です。社長、今日の午後の事ですか?」
「あぁ、大丈夫か?検査とかは?」
「えぇ、入っていません。先生も記者会見のこと気にしてましたよ」
「そうか、先日そっちに行ったときに少し医院長と話をした日があって
記者会見の前に打ち合わせをしに来ると言ってしまったしな。」
「打ち合わせと言っても別に何もないような気が(笑)」
「ないわけじゃないんだろうが、口にしてはいけないこととか
話に共通性がないとと思ってな。知っていることわかっていることが
みんな同じなのかどうかをさ。」
「ですね。14時でしたっけ?社長。」
「あぁ、少し早くなっても構わんかね?」
「12時過ぎからならいつでも構いませんけど。」
「私と渡辺とが先に行こうか。
13時半ぐらいには君のお爺さんと誠君と小林さんが来る。
山本社長は14時前だろうな。西村からは何か連絡が来たか?」
「連絡も何も、目の前にいますよ(笑)朝一番でこっちに来ましたから。」
「そうか。無理な仕事を入れてしまったが
やっぱりどうにかして帰ってくると思ったよ。さすがは西村だ(笑)」
「社長も、無理なこととわかってたんですね(笑)」
「何時に来たんだ?西村は。」
「今朝の7時過ぎには病院に来たみたいですよ?」
「根性だなぁ(笑)」
「で社長。西村さんともう一人、橋本君も昨日からここにいるんですよ。」
「なんでだ?」
「西村さんがいないときは自分が看病当番だって決めてるらしいです(笑)」
「原田。慕われているなぁ。でも、マスコミにはすごいネタだぞ。
疑われないように用心しておかなければならないぞ。
彼にとってもスキャンダルな話題として暴露されたら事実などお構いなしに
打ち叩かれる。彼のことも考えてな。」
「わかっています、社長。橋本君も今日の午後の打ち合わせにはいたいそうなのですが。」
「いいんじゃないか。むしろいたほうがいいだろう。」
「わかりました。では、このまま西村さんの相手してもらっていますね。」
「まるで西村と原田の弟分だな橋本君は。」
「誰もがそう思ってくれたらスキャンダルにはならないんでしょうけれど。」
「そうだな。でもそういうやつらばかりではない。
お互いにそういう面も気にしなければいい関係は続かないからな。」
「社長も心配性ですね。大丈夫です。では、後程。」
「あぁ。またあとで。」
「社長から?」
「あぁ、13時前には来るんじゃない?」
「渡辺も一緒?」
「そうみたいよ。そう言ってたけど。渡辺さんって?」
「お前も知ってる渡辺だよ。前の俺のマネージャーやってた。」
「やっぱり何度かあったことある人だよね。」
「あぁ、執事みたいにきちっとしたやつ。」
「思い出した、完全に思い出した!
あたしあの人の後ろからこついたことある(笑)」
「おいおい、弓弦ブリキのおもちゃじゃないんだから
これからは渡辺で遊ぶのやめろよな(笑)」
「それは渡辺さんの出方次第だな。」
「弓弦さんの新しいマネージャーさんなの?」
「そうそう。新しいおもちゃ(笑)」
「そういうこと言わない!マネージャーなんだから。」
「でもどこでも一緒ですよね。俺も自分のマネージャーで遊ぶもん。
て言うか遊んでもらったりする。」
「翔太の所は5人それぞれついているのか?」
「はい、一人ひとり別々です。単独の仕事もあるし
別々にいてくれないとバラバラの仕事もありますからね。」
「Martinはみんなそれぞれにいろんなことやってて忙しそうだよね。」
「あぁ俺もそう思う。よく休みが取れてここに泊まれたなぁって。
それだけのアイドルだとここにいることもパパラッチされて
スキャンダルな話題に仕上げられてしまうぞ?」
「大丈夫ですって。俺なんにでも正直に答えてて
そうならないように最初から布石打ってますもん。」
「んじゃここのこと聞かれた?」
「あぁ、いつも後ろついてくるパパラッチがいてさ大きな声で言っちゃった。
先輩が入院しているのにお見舞いに行っちゃいけないのかって。
そしたら’どうぞ’だってさ。」
「翔太・・・・・お前マスコミを少しなめてるな(笑)」
「なめてませんって、ちゃんと隠さなくてもいいことはおおっぴらに話すし
逆に味方につけなきゃっても思ってますから。」
「それならいいけどさ。」
「でも、気を付けないといけませんよねぇ。」
「そうだ。でないとお前ライバルの地位蹴落とされるぞ?」
「んぁ?」
「お前がまだ弓弦を狙っていることは百も承知だ。」
「へへ、ばれてます?」
「でも弓弦の気持ちは俺に向いてるから俺は余裕だがな(笑)」
「そんな余裕ぶっこいていると、さらわれますよ(ニヤッ)」
「いや。大丈夫。弓弦は俺の物だし俺は弓弦の物だから」
「んもぅ、何二人ではなししているのさ。廊下で誰かが聞いてたらどうすんのよ。
仲良く兄弟でいてくださいよ?」
「弓弦、メールはもう返信し終わったのか?」
「まぁだ。もう少しだから。」
そう話しながらも弓弦の指がせわしくカタカタと動いている。
西村も翔太もその弓弦の指の速さが目をくぎ付けにしていた。
「ねぇ、弓弦さん。」
「ちょっと待って、もうすぐ終わるから。」
「はぁい。」
弓弦はキーボードの方は全く見ない。画面だけど目で追っている。
西村も使いこなせる方なのだけれど、そこまではできない。
翔太はほとんどPCを使うことはないのでそれが不思議でたまらない。
横で見てても、どうしたらそういう風に指が動くのかが不思議でたまらない。
「弓弦さん終わった?」
「もうちょっとで終わる。」
「ねぇ、西村さん。」
「なんだ?」
「弓弦さんって、どこを見てキーボードカタカタ言わせているんですか?」
「俺だってわかんねぇ。とにかく早いんだよな。」
「ねぇ、弓弦さん。」
「なに?」
「弓弦さんの指には目が付いているんですか?」
「なにそれ(笑)どういう意味なのさ。」
「だって、キーボード見てないでしょ。俺から見たらすっごく不思議でさ。」
「そうそう、俺も。弓弦はいつもさ見ないで打ててるけど
どうしたらそうなるのかわかんねぇ(笑)」
「少し前にね、チャットができるネットサイトがあってさよく時間があるときにね、
チャットして遊んでたんだ。でさ、それが楽しくって。
ネット上だから画面でしゃべっている人は誰だかわからないんだけど
いろいろと喋っているうちにさ、もっともっと喋りたくって
どんどんキーを打ち込めるようになっていくんだ。
早打ちチャットとかあってさ、1分間で何文字打ち込めるか競ったりして。
楽しかったなぁ。今でもメールしたり近くまで行ったときなんか
京都とか行ったときとかにあってお茶でもって連絡したりしてたしさ。」
「楽しそうだなぁ。」
「それとか、日時決めてオフ会したりして楽しかったよ。長崎に帰ったときだって、
帰って来たってメール入れたらさわざわざ時間取って会いに来てくれたり釣りに誘ってくれたり。
長崎のネット友達がやっぱりいつ電話してもいいなぁって思うよ。」
「顔もわからない所からのスタートで、
仲の良い気の合う人を見つけるのは大変そうだけど?」
「でも、そうやって話せる人ってさ限られててさメアドや携帯の番号を交換するまでには
その人を知るための努力をするんだよね。」
「へぇ。弓弦は俺と一緒で長崎だから、地元の言葉で話せる友人とかできると
すごく楽しかっただろうな。」
「西村さんと同じ年の人がお姉さんだっていう人いたよ。女の人でさ、長崎市内で居酒屋してるんだって。」
「へぇ。でも俺さ、自分の高校ぐらいしかわかんないけど部活の方だったら少しはさ。」
「その人さ、後でわかったんだけどさ。
うちのお爺ちゃんが言ってたでしょう。西村さんがコンクールで
賞をとったって。あの時佐世保の女の子も受賞したって言ってた。
同じ地域で二人もとるのは珍しいって。」
「あぁ、俺がさステージに上がった時横にいた佐世保の女の子。
緊張しててさ、喋れなくって泣いちゃって。」
「その時のね、お姉さん別の学校に通ってて。
長崎西高の吹奏楽部で打楽器してたんだって。お姉さんは西村さんと同級生だね。」
「ちょっと前にメールしてて、妹さん夫婦がやってる居酒屋に西村さんが来たって。
里帰りしたときに友人たちと来られたのよって妹の方とメールで話したんだよ?」
「いつの話だ?それ。」
「正月明けなんじゃない?」
「あぁあぁ、長崎帰ってみんなで呑みに繰り出した。その時のお店の人なんだ。」
「オーナーさんがその女の人よ。気づかなかったの?
すぐseaちゃんはわかったって言ってたけど。」
「ずるいなぁ・・・・そういう時はそう話しかけてくれたらいいのに。」
「少し前までどこかの吹奏楽団を臨時で手伝ってたらしいけど
両腕とも腱鞘炎でだめにしちゃったって。
で、今は居酒屋さんのママやってるって言ってた。」
「へぇ、そんなつながりもあるんだ。」
「思い出した?その人。ネットではseaちゃんってHNなんだって。
今は多分変えてるって思うけど、あとで教えてあげようか?
懐かしい思い出話もできるじゃん。」
「うんうん、どうせ俺ら結婚するし結婚式やるときには招待するんだろ?」
「招待したい。その人には来てもらいたい。
あたしのかあさんとseaさんと仲が良かったんだ。いつもかわいがってくれてさ
seaさんもそのお姉さんも本当のお姉さんみたいで大好きな人なんだ。」
「そういう人がいるっていいなぁ。」
「翔太君にはいないの?近くても遠くても。話ができる気の合う友達。」
「広くはないなぁ。学校の友達とかそれだけ。」
「seaさんは、martinのファンだって。
お店オープンした年と、martinがデビューした年と同じなんだって
そう自慢してた。紹介してあげようか?
今はチャット出来るサイトがないから、facebookとかtwitterでつながっているよ。」
「そうかぁ。そういうつながりもありなんだなぁ。」
「翔太!俺らもそういうのやってみるか(笑)」
「むりっす。大体PCわかんねぇもん。」
「まぁ、時間がね。なれて使いこなせるまでが大変そうだしな。」
「あははははは。気が向いたらでいいんじゃない?気が向いたら。」
「そういえばお昼前だけど、お昼食べてきたら?あたしはもうすぐ来るから大丈夫だし。」
「俺らカレー2杯も食べたからなぁ。」
「おいしかったですよね`garnet´のカレー。」
「`garnet´で食べてきたんだ。ならまだ減ってないでしょ。」
「とりあえず、軽く食べるもんかって来ようっと。」
「西村さん食べれんの?」
「少しだけな。翔太は食べれないのか?」
「今から打ち合わせでしょう?気難しいのがたくさん集まるのに。」
「単なる打ち合わせだ。緊張してもどうしようもない。
この間の弓弦のお爺さんにあった時が一生で一番緊張したもんな。」
「へぇ。嫁にくださいって言った時?」
「言うなっ!恥ずかしいなぁ。」
「さぁさぁ。お二人とも、売店に行くの?早くいかないと
ほしいものは売り切れちゃうよ?」
「んじゃ、行ってくるか、翔太。」
「行きますか、兄貴(笑)」
お昼前の病室では、そうやってにぎやかに時間が過ぎて行った。
弓弦の部屋にも弓弦のお昼が届き手を付けようとしたが
まだ西村達が戻ってきていないので、どうしようかと悩んでいた。
一方西村達は売店で、ごそごそと何か見ていたのだけれど、
翔太はまだおなかがいっぱいなのか、あまり気が進まない様子だ。
西村の方は、自分の食べる分とくる社長たちのコーヒーやお茶と
お茶菓子とと選んでいる。
「西村さん、そんなに?」
「俺だけが食べる分じゃないぞ(笑)
社長たち来るからな。来た時のお茶菓子ぐらいないと困るだろ。」
「そっか。でもその焼きそばパン・・・・・。」
「俺のさ(笑)駄目か?」
「西村さんと弓弦さんってそういう所、似ていますよね(笑)
沖縄でも弓弦さんの食欲見てすごいって思いましたもん。」
「あいつの胃袋はフードファイター並みだからな。
でも太らないんだよなぁ。
俺なんか油断するとすぐ洋ナシのような体形になっちまう。」
「俺だってそうですよ。だから行けるときはジムに通っていますもん。」
「だよなぁ。新陳代謝がいいんだろうな。
弓弦さ、あれ以上太ったことないんだってさ。」
「うらやましいなぁ。でもあんなに食べるって言っても
食べてない時間もあるだろうしさ、トータル的には
きっと食べてない部類に入るんじゃないんですか?」
「そうかもしれないなぁ。」
「とりあえず、戻りましょうよ。俺このアイスだけだし。」
「お前そういうのは入るんだな。でもアイス弓弦も好きだから
取り上げられてしまうぞ(笑)」
「んじゃ2個かってこうかな。」
会計を済ませ二人喋りながら笑いながら6階の弓弦の病室まで戻る。
エレベーターで担当医の先生と合流、一緒に川上社長と渡辺と乗ってきた。
「お疲れ様です。」
「あぁ、お疲れ。橋本君もいたんだったな。」
「はい。これからですよね。打ち合わせ。」
「ちょっと大久保先生の所によって話をしてきたところだ。」
「弓弦さんの部屋に行く前にって立ち寄られたんですよ。
私もそろそろと準備してましたし一緒に行こうかと。」
「渡辺かぁ。弓弦をよろしく頼むな。」
「もちろんです。あの人がまささんのかぁ(笑)やっと口説き落とせたんですねぇ(笑)」
「やっとだよ、やっと。首を縦に振ってくれたんだよな。」
「えっと橋本さんですっけ?原田さんのマネージャーになりました渡辺です。
よろしくね。」
「こちらこそ。橋本翔太です。
西村さんと弓弦さんには良くかわいがってもらってます。」
「ていうか、翔太弓弦から離れないんだもんなぁ(笑)」
「いいじゃないですかぁ。弓弦さんとおしゃべりたのしいんだもん。」
「まぁ、弓弦も気に入っているみたいだしな。弟分みたいだってさ。」
「でも俺の方が3つも上なんっすけど?」
「どう見ても翔太の方が年下だな。」
「まぁ、仕事上でも橋本君と原田は相性よさそうだから
仕事でもよくからんでくるだろうし、そこそこ仲良くな。」
「はい川上社長。こちらこそです。よろしくお願いします。」
「弓弦は当分、山本社長の所のタレントと組んで売り出すこととなりそうだから
そこの所西村君お願いするぞ。」
「焼けますなぁ……あいつらみんな弓弦争奪戦参戦メンバーじゃないっすか?」
「大丈夫だ。原田の方がぐんと大人だ。」
「ただいま、弓弦。」
「おかえり。待ってたけど、先に食べちゃった。片付けに来られるからさ。」
「原田君、具合はどうだね。」
「かなり良くなってきました。怪我はほとんど治りましたよ。
あとは骨折箇所がよくなれば・・・・・・・無理しなければ記者会見後は
外出許可が下りるようになります。」
「そうかぁ。それはよかった。記者会見が終わったら少しは自由になるなぁ。」
「えぇ。でも記者会見後は外出許可であちこちに挨拶に行かなければなりません。」
「そうだなぁ。原田君は一気に有名になったもんなぁ。」
「社長。記者会見が終わった後外出できるので一緒に事務所に行きます。
お世話になる挨拶もしていないのに皆さんにご迷惑かけてしまった。
きちんと謝らなければ。」
「原田はそういう所はしっかりとしているな。安心だ。
渡辺。原田はしっかりしているから安心だぞ。」
「そうみたいですね。お久しぶりです原田さん。」
「渡辺さんがあたしのマネージャーになってくれるんだ。」
「えぇ。喜んで仕えますって。
だって西村さんと組んでる時からの仲じゃないですか。」
「あたしのこと覚えてくれてたんだ、うれしいなぁ。」
「私がマネージャーとしてついたからには、大丈夫です。しっかりと売っていきますから。」
「いやいおや、張り切って売りだしてもらってもあたし困るんですけど。
社長、渡辺さん。あたしタレントとして忙しくなるのはちょっと(汗
知り合ったmartinのみんなや槙村さん秋山さんには申し訳ないのだけれど
本業のバーテンダーは辞めたくないし、
それを邪魔するような仕事はお断りしたいんです。」
「原田君はあくまでバーテンダーの仕事を優先ということだな。
それはそうしよう、それが本人の意志ならばそうしなければならないだろう。
しかし仕事が入っているときは、その仕事に対して真剣に
仕事をしてくれたらそれでいい。」
「私も、そう聞いています。あくまでも本業を大切にと。
しかしこの事件後は、しばらく忙しいですよ?
原田さんへの依頼が事務所にたくさん来ています。
大きいところでK'brotherの秋山さんと作家の久原譲様と
仕事の依頼が来ています。
なので仕事に出ても良いと許可が下りる時点で秋山さんとの仕事ですね。
久原様との仕事は久原様がすでに原田さんには出演依頼のOKは取ってあると
お伺いしております。」
「西村さん、渡辺さんってこんな人だったっけ(笑)」
「ツボは押さえる人だから大丈夫じゃない?」
「社長、打ち合わせ終わったら原田さんと二人少し話をしたいので
ここに残りますけどいいですか?」
「きちんとコミュニケーション取れるまで詰めて来い(笑)」
「で、西村と橋本君は?」
「翔太と二人で椅子を借りに行ったみたいですよ。」
「そっか、原田。良かったなぁ。
お前がいない間西村は落ち込んで大変だったんだぞ。」
「そうだったんですか?なんだか(笑)」
「原田。事件の初めからを話してくれるんだよな。
つらいことがあったらしいが今日は話すことができるか?」
「えぇ、大丈夫です。きちんと話すことができると思います。
あたしの知らない部分でオーナーが知っていることも
今日は話してくれるらしいですから。
知っている把握しているところがつながればいいんですが。」
「話をしたらわかることさ。」
「椅子もってきたぞ。」
「ご苦労さん。もうしばらくしたら山本社長も来るだろうし
小林さんも誠さんも来るだろう。それまでゆっくりとして用じゃないか。」
「はい。でも、弓弦。昨日言ってたカステラは?」
「あぁ、こっち。ここに置いてある。」
「切って取り分けてくるから。」
「お願い、看護師さんに言えばやってくれるから。」
「わかった、行ってくる。」
「原田。記者会見には車いすか?」
「いえ、松葉づえで行きますが。」
「そこまで良好なのか?」
「えぇ。今でもこうやってベッドにいて診察やいろんな移動するときは
調子が悪くない限り松葉づえです。
そうやって自分の動きもリハビリにつなげていかないと
かなり筋力も落ちていますから。」
「君は向上力が素晴らしいんだな。それだと外出許可どころか
担当医が思っているよりも、退院は早くなるんじゃないか?」
「そうなるとうれしいんですが。」
「こんにちわ。原田さんいるかね?」
「こんにちわ、お疲れ様です。わざわざありがとうございます。」
「あれ?翔太。いたのか。」
「西村さんに頼まれて、昨日の夜から看病で。」
「えらくお前は気が利いているなぁ。もしかして原田さんのこと好きなのか?」
「えぇ。大好きですよ。よくかわいがってもらってますし、
俺自身お姉さんいないから、何かあるとそばにいてって思ってしまうんですよ。」
「しかし、お前が年上だろう?」
「それは社長、年の話したら仕方がない事でしょう?
存在自体が、お姉さんみたいなんですし(笑)」
「その言い方、なんだかあたしふけてるみたい。」
「でもしっかりしているもんな、弓弦。」
「西村君、久しぶりだねぇ。怪我は大丈夫か?」
「えぇ、かなり。仕事もこなせますしね。」
「こんにちわ。そろっていますねぇ。」
「こんにちわ、オーナー。誠さんも一緒?」
「あぁ、誠は車を停めに行ったよ。そんなにしないで上がってくるだろう。」
「オーナー、お疲れ様です。」
「弓弦、お前顔色かなり良くなったなぁ。」
「そうですか?だって記者会見が終われば外出許可出してくれるって。」
「そこまでになったか。良かったなぁお前。」
「みんなで助けてくれたそのおかげです。早く元気にならないと。
記者会見が終わったその日は自分の事務所へ。次の日はひかりの家に。
日曜は事務所休みだから山本社長の事務所には月曜日にお伺いします。
きちんと挨拶して謝らなければ、そう予定しています。」
「渡辺!きちんと予定を把握しておかないとな。
また、何かあったら困るから(笑)」
「社長、俺が仕事来週木曜まで休みだからすべて付き添いますよ。大丈夫ですって。」
「当分一人にはしてくれなさそうだなぁ(笑)」
「それよりも、弓弦。お爺ちゃんはまだみたいだな。」
「もうすぐかも、たぶんね。」
「こんにちわ。よろしいかな?」
「お爺ちゃん、遅かったね。具合はどぉ?」
「わしは大丈夫だよ、弓弦。弓弦は顔色良いなぁかなり良くなった。」
「安心して、お爺ちゃん。次からは一緒に外出できるよ。
そこまでよくなってきたんだ。」
「一緒に買い物にも行けるんじゃな。良かったな、本当に良かった。」
「まだ骨折箇所が全然なんだけど、それだけなんだ。」
「それを用心するように心がけるのであれば大丈夫ということですよ。」
「おぉ、大久保先生。ありがとう、本当に弓弦がお世話になって。
なんといっていいやら。」
「これでそろうのか?」
「川上社長と渡辺さん。山本社長と翔太だろ。
俺と弓弦とお爺ちゃん。で、オーナーと誠兄さんと。大久保先生。これで全部?」
「全部か。警察の三上君は来ないのだろう?」
「多分。一応、こういうことでとはお話はしていますが
かなり捜査も進んでいるらしくて、小林さんの情報も役に立ったとか。」
「では、原田君。あの日のことを話ししてくれませんか?
話すことは大丈夫ですか?」
「えぇ、話せます。大丈夫です。あたし自身にはショックな出来事でしたが
きちんと話せると思います。」
「弓弦、無理しないでいいぞ。」
「えぇ。大丈夫。大丈夫だって。」
「ちょっと待って、原田さん。ちょっと待ってて。この間のこともあるから。ちょっと待って。」
「先生、大丈夫だって。」
「いや、君の場合はあまりにもショックだったじゃないか。ちょっと待ってて。
看護師の澤田さんを呼んで。前の麻酔科の池田先生も。準備だけはって。」
「わかりました。」
「先生も用心するなぁ、大丈夫なのに。」
銀座でチャリティーコンサートが毎年開かれているのですが今年は山本社長のご協力で、
unionmartinの曲をダンスを含めてコピーしそれを披露する予定でした。
そのチャリティーコンサートに西村さんも参加することとなって、西村さんがしょっぱなに。
そして私たち`mask´はラストでの予定でした。
その西村さんのしょっぱなのステージにあたしも上がっていたのですが
それが終わり西村さんは事務所の仮設テントに手伝いに行き私と見ていた
面々は`mask´へ戻ったんです。
その時にUFJ銀行銀座で強盗が発生したと連絡が来ててTVでも言ってましたよね。
速報という形でTVでも流れてて、事務局からもオーナーに中止しましょうかと連絡が来てました。
それを聞いて橋本君が西村さんを迎えに行くというのであたしも一緒に行ったんです。
すぐに、公園の片づけをしている端に西村さんに姿を見つけて駆け寄りました。
うちのオーナーの所に避難してって。それを伝えに駆け寄って話をしてたんです。
すると、突然後ろから音がして西村さんが血まみれになり橋本君が倒れた。
びっくりしているも何も、西村さんたちに駆け寄る前に殴られて
からだとか顔を殴られ首の付け根まで何かで殴られて気を失いそうになりました。
だけど目の前で西村さんが血まみれで倒れて橋本君までもが血まみれで
どうしたらいいかわからなくって叫んでたんです。
俺は、その事務局からオーナーに連絡が入り店から出ないようにと言われ
ふと気づくと弓弦と橋本君がいなくなってたので俊哉に聞いたら
公園に西村さんを呼びに行ったと言うんでオーナーが俺に呼びに行けと言いました。
俺が公園につくと3人ではなししている姿が見え、帰ろうと言いによっていこうとした時
まさにその瞬間でした。車から4,5人の人間が出てきて、
弓弦を捕まえ殴って車に連れて行くところ、その弓弦の視線の先には
西村さんと橋本君が血まみれで倒れてて、西村さんは動けずに倒れ込み
橋本君は弓弦がさらわれるのを必死に弓弦の名前を呼んでいました。
弓弦は大きめのワゴンに連れ込まれ、そのまま車は逃走し警察も追いかけましたが
追いかけて追跡すると、弓弦を殺して道に放り投げると言われ
警察も右往左往してましたね。
俺は撃たれた後、かすんでいく意識の中で弓弦が連れ去られていく様子だけが
覚えていることでした。気が付くとベッドの上でしたからね。
俺は、撃たれた後肩が動かないのとそのショックで立ち上がれずにいて、
追いかけようとしたら、その中のやつに蹴られて頭を殴られて
意識が飛びそうになったんですが、誠さんが駆け寄ってきてたので
すぐにそのやつらは車に乗って消えました。
何度も何度も弓弦さんを呼びましたが弓弦さんも殴られて声が出ないのに
泣いている顔だけが見えました。
連れ去った車が見えなくなると同時に誠さんとか警察の方々が俺と西村さんを助けてくれて
救急車で病院に行ったということろまでが俺も覚えているところです。
もちろんそのやつらの顔は見えませんでした。
あたしはこの間三上さんにお話しした通りで、
車に乗せられた後頭に何か布みたいなのをかぶせられて
全然外のことがわからないようにされていました。
すごいスピードで、右に左に曲がるといきなり停まって
どこかに入ったようなガラガラというシャッターの音がしました。
そこで、車を乗り換えた見たいです。
すまんな、後で話はするが犯人グループはやくざ者でな。
TVの中継に写った車に乗り込んだ一人がどうしても知っている奴に似ててな、
すぐに、知ってるやつを突っついた。
吐いたよ。そいつの所の下っ端でな、金が要るというので強盗をしたらしい。
そいつの指示ではなく、その犯行に及んだやつら単独でやったらしい。
弓弦は無傷で返せと脅した。
そうしないとお前に古傷つついて、警察と相談願うぞと。
小林さんの人間関係はつつけば何か出てきそうだな(汗)
途中、電話が入ってたような気がします。
車を乗り換える前か後かはわからないのですが。
すぐにおろされて、逃走してきた車の中を乗ってきた痕跡を消すかのように
掃除をしていました。きれいに。掃除機の音とかバケツに水の音?
雑巾みたいなものを絞る音とか。
その間にそばに停めてあったと思われる車に荷物を乗せ換えるやつもいたみたいです。
目隠しをされていたので、聞こえるものでしか判断はできないのですが
そこをそんなにしない時間で出ていきました。
あたしはその次の逃走する車にはクールボックスみたいなものに入れられて、
ただ閉めてしまうと死んでしまうからと、少し隙間を開けてくれていましたよ。
道が、一般道から高速道路に入った揺れに変わりパーキングにもよったみたいだったけど
どれぐらいだろう、高速道路を降りまた一般道みたいな揺れに変わった。
で、しばらくすると山道みたいな道路に入り込んだのか
舗装していないような揺れに変わって。どこかについたみたいだった。
そこでも何か大きなドアを開けるような音がして車を入れたんだと思う。
犯人たちは車を降り、あたしもおろされた。荷物を下ろしている様子はわからなかったけど、
あたしもおろされてその場所の隅に連れて行かれた。
目隠しが取られて周りが見渡せたんだけれど
車の整備工場みたいなところで、事務所的な場所にあたしは座らされた。
そこで一晩過ごしたのかな、多分。
奴らはそこのドアを閉めて鍵をかけた。そういう音がしたんだけどさ。
あたしは動けないようにしてあって、毛布の温かさだけが安心できるものだった。
朝まで寝てたな、朝の陽射しが天井から落ちてくるまで。
パニックでおなかがすいたとかここはどこだとかそういう風なことが全然意識できずに
ぼーっとしてた時、大きなドアが開いて人が入って来た。
あたしが生きていることを確認したら、すぐに車の方に行ったみたいだった。
すごいなと思ったことがあって、2,3人でやってたんだけど車のナンバーを外して交換してた。
窓に真っ黒いフィルムを次々はっていってるんだ。手際よく次々と。
そんな中あたしはその人たちとは別に他のやつにまた目隠しをされて
クールボックスに入れられ、荷物と一緒に車に積み込まれた。
その時に、驚いて耳を澄ましてたんだけどさ
バス広告とかで使われている塗装用ラッピングフィルムがあるでしょう。
あれをはがすすごい音がしたんだ。
窓に貼るフィルムをはがすような音のすごく大きなデカく大げさな音。
それが済むと誰かが来たみたいで声がした。
済んだか?済んだら足がつく前に出るぞと声がしてそれからそんなしないうちに
そこを出たと思う。
そこで一晩か。大変だったなぁ、不安だったろうに。
すごく不安だった。
だけど下手に動いたり逃げたりするときっと殺されると思ったから動けなかった。
怖かった、その怖かったなかで体中が痛むし震えが止まらなかった。
どこかの部屋に移動したと思うんだけど、それまではしばらく時間があった。
移動中はどこかのお店に寄ったりとかしてたみたい。
監禁された場所はわからないけど、朝いた場所からはかなり遠いとは思わなかった。
クールボックスに入れられたまま部屋に連れて行かれた。
エレベーターに乗り、すれ違う人とは釣りの話をしてた。
部屋に入るとクールボックスから放り出されて、部屋の毛布とか布団とかが
積んであるところに投げ出されて、蹴り上げられて。
痛かった。すごく痛くて気絶してしまった。
しばらくして気が付くと、周りは暗くて何も見えなくって
動こうとすると体中が痛くて立ち上がろうともできなかった。
もちろん手足は縛られてたし、動こうとして壁に当たって音を出してしまったんだ。
そうしたら、誰かが入ってきておとなしくしていろと。
出ないと、痛い目にあうぞって。
ねぇ、翔太君泣かないで。あなたが痛い目にあったわけじゃない。
でも、俺は撃たれても貫通してて手当してもらってた時
弓弦さんは怖くて不安で痛くてどうしようもない状況に居させられたんでしょ。
だけど、そのあたしの様子を見に来てたやつが・・・・・・・・。
犯人グループの一人は。
弓弦、無理しないでいいぞ。
原田君、無理はするな。君の体は精神とともにまだ大きく不安定なんだ。
無理はするな。
いえ。大丈夫。大丈夫ですから。
`konkon´
遅れました。三上です、皆さんもうお揃いでしたね。あ。お話し中でしたか。
今弓弦の覚えていることを話してもらってたんです。
そうですか。この間の原田さんの喋られたことで進展がありその話もと思い来ましたが。
三上さん、お疲れ様です。いま、ちょうど高橋君の話しに差し掛かるところでした。
今はなしてたのはこの間話した分と同じです。
そうでしたか。どうぞ続けて。
えっと。
その犯人たちに混じって大学時代に付き合っていた彼が含まれてたんです。
高橋和哉。いわゆる元彼でした。彼の素性をお話ししますね。
あたしと付き合ってた時は世田谷区に住んでいて、ご両親は真面目な方でした。
父親は商社マンで母親は典型的な主婦で、お邪魔するときはいつも
手作りのお菓子でもてなしてくれる優しい人でした。
もちろん和哉もそういう家庭で育った優しい人間で、
あたしも和哉と付き合えて幸せなひと時を過ごせました。
しばらくして、あたしたちは別れましたが卒業するまであまり顔は合わせなかった。
ちょっと気まずい別れ方をしたから。
それからあとはどうしていたのかは知りません。
ただ、部屋を見に来てお前綺麗になったなぁと寄って来た時に顔を見て気づいたんです、和哉だって。
どうしてとか聞いても何も言わなかった。
卒業してからいろいろあったんだとは分かったけど何も話はしてくれなかった。
そこで何日過ごしたかは覚えてはいないんだけど、昼間はみんないないんだよね。
仕事やバイトに行っているのかはどうかはわからないけど
確かに、出入りはあるけど外から見たら普通の家にしか見えないぐらいに
出入りがあったんだ。夜になると集まって何か相談していたみたいだった。
和哉は毎日その部屋にいるときが多い方で、あたしの面倒を見てくれていた。
仲間がいないときは優しかったよ。あのころと変わらない和哉がそこにいたんだ。
だけど、逃げ切るためにどうしたらいいかとそれだけで頭がいっぱいだったんだろう。
あたしには詳しい話は何も。だけど、和哉はあたしを大切に見ててくれた。
トイレに連れて行くときも乱暴な扱いはしなかったし
誰もいないときは、横で懐かしい話をしてくれた。
でも、何か聞いたりすると何も話してくれなかなかった。
血が出ているところを、消毒してくれたり絆創膏を張ったりしてくれた。
そんな時和哉がいなくて他の誰かが部屋にいた時かな?
チャイムがなって、誰かが訪ねてきたようだった。
多分ね、自治会の人とかじゃなくって警察だったんじゃないかと思う。
痴漢や解決していない強盗事件が多くて治安も悪いので気を付けてくださいって。
で、何かあったらその先の角の交番に私たちはいますからって。
そう言ってドアが閉まったんだ。
三上さんにも言われたけど、その時に声を出して助けてと言えば助かったのかもしれない。
だけど、和哉のこともあるしチェーンがかかったドアだと「音」で思ったから静かにしてたんだ。
もしチェーンが外れないのにそういうことをしたら殺されてしまうかもしれないって思って。
で、静かにしてた。
その夜に、和哉が言うんだ。次の日曜の早朝、ここを出るって。
横浜までの道を多摩川沿いを走り逃亡するって。
その時に、あたしを連れていくと。逃走途中で警察に見つかった時のための人質にと。
見つかった時の逃亡のため。でも和哉が言うんだ。弓弦は途中で車から降ろすと。
横浜につく前にお前を開放するというんだ。
しばらくして夜になると、犯人たちが集まってきたんだ。
細かく詰めた話をしているようだった。その中であたしの話になった時に
和哉が途中で車から降ろしたらどうかと言ったんだ。
最後まで連れて行くと、どこかで見つかった場合足手まといになるし
親父さんが電話で言ってたじゃないかって。
殺したり怪我させたりするなって。だから途中で。と。
お前は愛されているんだなぁ。お前に知り合えた人たちから。
で、その朝。土手を走っているとき鉄橋が見えてその柱を目がけて
和哉があたしを走行している車から突き落とした。
生きて帰るんだって耳元でささやいた後、車からあたしを突き落した。
突き落すタイミングが悪ければきっと死んでたんだろうなぁって思う。
少しでも外れると川に落ちていたと思うし。これだけの怪我では済まなかったかもしれない。
誰にも言うなと言われたけど言われたけど、あの河川敷には
沢山の浮浪者がいると確認できるんだろうけど、その中の4人のお爺さんに助けられた。
車から突き落されたところを見てた人、あたしが転がってきたことで家を壊された人
多分その中4人の中であたしの右足首の手当てをしてくれた人が混じってたんだと思う。
あたしを助けてくれて3日目の夜にあたしが気が付いて
その晩はいろんな面白い話をしてくれた。いつのまにか寝着いてしまったけれど
朝早くに、西村さんが見つけてくれたあの公園までゆっくりとゆっくりと
あたしに杖を持たせてくれて、両脇を抱えベンチまで連れて行き座らせてくれた。
そしてあたしの服に入ってた携帯を、この使い方がわからないが
何度もベルが鳴っていたと渡してくれた。
和哉が取り上げていた携帯を、他の人に隠れて持たせてくれてたんだと思います。
突き落されるときに、何か胸のあたりにあるなぁっては思ってたんですが。
それをその携帯を一緒にひろってくれてたんだと思います。
確かに携帯を見ると、電池は切れかかってたのですが不在着信で
ちかちかとしてたのがわかりました。
で、ベンチまで連れてきてくれた人たちを見送った後不在着信を覗き、
西村さんと誠兄さんの番号での不在着信だったため、西村さんの携帯にかけました。
で、俺にかけてきて今に至るってことか。
弓弦がさらわれてから2時間おきぐらいにずっと携帯に電話してたんだ。
でも電源か落とされてて、かからなかったんだ。だが、西村さんの病室に来たよな。
あれは確かそうだ。鉄橋に車が激突して爆発炎上した日だったな。
店が終わって、なんだか寝れずにいてさふと弓弦の携帯にかけたんだ。
つながるんだよ、弓弦の携帯につながってベルが鳴るんだ。
鳴るんだけど、つながらない。
でさ、それが気になって西村さんの所に行き携帯を借りた。
もしかしたら弓弦は西村さんの携帯になら反応するんじゃないかって思って。
で、携帯の不在着信にに西村さんの番号が・・・・・。
でも、弓弦は誠さんと俺に携帯番号がありその前にさ、
電話帳にたくさんの関係者の番号があって、かけやすい110番もあったのに
俺に電話をしてきた。運命だと思ったよ。
原田さんはよく頑張ったなぁ。生きて帰ってこれたんだ。
三上さんそんなに言わないで。あの時は、意識朦朧としてて
どうしていいかわからない状態だったんだ。
西村さんの携帯にかけた時も、頭の中には西村さんにかけなければって
そう思って誰でもない彼にかけたんだ。
絶対にあたしを見つけてくれるってそう信じて。
そして、見つけてくれた。その安心で、気を失ってしまったけれど。
後は気が付いたベッドの上だった。
でも夢の中で和哉や歩生がかわるがわる出てきてこっちに来てはいけないというんだ。
闇の中でもがいていると、ひかりがさして暖かい感触が伝わってきたんだ。
必死にその方向に行こうとした。真っ暗いなかで一つだけ暖かいものがあって
それがある方向に行こうとして、つかみかかろうと一生懸命に手を伸ばして
そして、つかんだと思ったら急に真っ暗になって。
でも、生きて帰れと言われたんだと、必死でそれを探した。
目を開けると、病院にいたんだよね。
で、目の前に人がたくさんいてその中心にあたしの手を握りしめた
西村さんがいた。帰ってこれたんだってそう思った。
でもショックだったなぁ、原田さん。きちんと話をしてもいいか?
えぇ。あたしが知りたいことを先に。和哉のことを。
ここで話をしてもいいのか?原田さん。
隠しても仕方がないでしょう。
記者会見がある前にきちんと事件の内容がわからないと
記者から質問を受けた時にそれぞれの話ができない。
んじゃ。
原田さんと突き落としたと思われる日早朝6時前にXX線での激突炎上した車。
午前中はわからなかったのだけれど、それを不審なスピードで走るのを見かけた
巡回中のパトカーが追跡をした。
土手を走っているときに、何か車から落ちたのを見て不法投棄だと思い
追跡したらしいんだ。
すると、その車は急にスピードを上げ町中に入っていき交差点に差し掛かると
別の方向から来たパトカーに出会いがしらぶつかりそうになったのを急ハンドルで回避。
その様子を不審に思い、そのパトカーも土手の方向から追跡してきたパトカーも
追いかけたんだ。
そうしたら急ハンドルで不安定になった車が
ガードレールに接触何度もぶつかりながら鉄橋のほうに行きの鉄橋の横の柱に激突炎上した。
始めは逃走車とも思わずに、検証してたから単独での事故処理をしてしまう所だったのだけれど、
身元確認のために消火された車から出てきたバッグを調べていたところ
強盗された銀行の紙幣番号が一致し、遺体6人分が強盗関係の物だと断定された。
その時はその遺体の一人が原田さんと思われたのだけれど
身内のかたに確認してもらうと全部違うというんだ。
背の肩さも、肩幅もすべて当てはまらないと。
で、その日の午後から捜索が始まった。しかし、携帯の話は今日初めて聞いたなぁ。
すみません。話さなかったわけじゃないんですが話しそびれてしまって。
まぁ。
でわかったことですが6名。広域暴力団組織・陣内組の下っ端で
岩崎源一郎(58歳)大牟田雄一郎(42歳)川本純一(42歳)
まず、岩崎源一郎(58歳)ですがこいつは首謀者と思われます。
別の組との抗争があったこともあるのですが取引を横取りしたとか
しないとかという話が、うわさとしてありました。
その手下というか一番彼を慕っていた仲間で周りが固められていましたが
他の人間はその一部だと思われます。
大牟田雄一郎(42歳)と川本純一(42歳)は地元も同じで
かなりこの岩崎のことを慕っていたらしく、事件の共謀は進んで出たと思われています。
これはこの首謀者とみられる岩崎源一郎の属する組の組頭がそう話しました。
他の人間は事件当日呼び出されて、付き合わされたのだと。
金が欲しいやつは手伝えと言って集められたみたいですね。
広川順平(26歳)高橋和哉(26歳)本村慎吾(25歳)
この3人は飲み屋街で引き込みをやってたやつらでした。
事件前夜まできちんと真面目に店には出てたみたいです。
特に広川と高橋は引き込みとホストと掛け持ちをしていて、
結構仕事上では人気もあったらしいですね。
事件が起こり、彼らは逃走をしたわけですがその事件後もきちんと
仕事はしていたみたいです。
しかしこの三人は順番に店を辞めた。
逃亡する日に合わせて店を辞めたという話でしたよ。
車が爆発炎上し、原田さんが見つかり気が付くまでは
この6人が全然わからない状態だったのですが
原田さんが気が付き、わかっている覚えている範囲で話をしてくれたおかげで
高橋和哉から糸がほどけ、原田さんが勤める`mask´オーナーの小林さんのご協力で
陣内組の組員が事件発端とわかり、解決へ向けての糸口を見つけさせていただきました。
まだまだこれから深い部分を探ることとなりますが
原田さんや西村さん橋本さんを巻き込んだところまでは一時解決となる見込みです。
あたし、その広川順平と本村慎吾という人もわかるかも。
多分わかる。確か・・・・でも解決するんですよね。
怪我をした部分だけでも解決するんですよね。
だったら、もうそれでいい。
それで終わりにしましょう。あたしは解放されたい。
深い部分はこれから警察が進めていくところだろうし、
それに関しては我々は関係のないところだろうから。
ですね。オーナーが一部解決に結びつけたことと
それはすごいことだと思うけれどその先は警察に任せて。
わしも、それには賛成じゃ。
関与した部分が解決という形になれば、それでよいではないか。
ということで、我々警察が記者会見で皆さんを巻き込んだ事件の話は
こういう発表になるという予定で。
また、それに関して記者らに聞かれることは皆さんが困らない程度に
発言していただいたらそれでいいと思います。
わかりました。とりあえず、事件に関しては原田君たちと交えて今話したことにだけ
答えることとしよう。あまり余計なことを話すとこれから先の捜査に
影響しかねないからな。
小林さんの警察への話は私たちは知らないこととしよう。
警察の方でもそれは名前を出さずに話を進めるのでしょうから。
会見では原田・西村・橋本の怪我をした事件の部分のみの受け答えのみということで。
後は・・・・・・・・・・・・。
あたしのことを話しするのですか?
多分、この事件で君の顔は世間に出てしまった。
この間の、湘南での女子中学生の救助で名前が知れたというのに
この事件だ。完全に顔と名前が表に出ている。
とりあえず`mask’に勤めるバーテンダーということ。
今は西村が所属する川上社長の事務所とマネージメント契約をして
事務所所属のタレントだということ。
西村の音楽を支えているメンバーだということ。それを聞かれたら話をする。
一部の記者には原田弓弦君本人が吹奏楽連盟原田一郎さんのお孫さんだと
そういう情報も先に流れているのできっと聞かれるだろう。
それは、もういいでしょう。原田さん。
お呼びしたのは原田弓弦君のことを聞かれたときにいろいろと面倒な説明をするよりも
原田さんが弓弦君の生い立ちを話し、隠すわけではなかったのだがと
血縁関係を話されても良いと思います。
この間事務所に来られてそう話されましたが
一番ご自身でお話しされることが良いと思いますし。
そうじゃな。この間そう話したんだよな、川上君。
隠さなくとも別にいい事なのじゃから、そういうことは聞かれること
素直に話しても良いと思っておる。
弓弦。お前は少し有名な立場じゃから、あまり秘密めくとあとあと困るしな。
きちんと話できる部分は話そうと思っておる。
弓弦、大丈夫じゃよな。
えぇ。誠兄さんも一緒に居るのでしょう。あたしは全然かまいません。
むしろお爺ちゃんと誠兄さんがいてあたしの話をするのは全然大丈夫だと思います。
原田さん。俺の話は……。
していいじゃないか?川上君も承知なのじゃろう?
婚約の事ですか?
えぇ。社長、あのTVで流れたあの場面を見た人たちは
少なからず何か関係がある二人だと写っていますし、現に週刊誌や一部報道で
怪しまれているんですよね。
何ならいっそのことはっきりと、弓弦と俺の関係をしゃべりたいんです。
原田さんからも婚約の話を了承していただきました。弓弦の気持ちもきちんと。
だから社長。この記者会見で俺と弓弦の婚約を発表します。いや、させてください。
お前が決めたことだ。それで人気が落ちるとは思えない。
落ちないように自分できちんと話すんだ。君なら大丈夫だろう。
川上君、事務所はおめでた続きだな。
本当は弓弦君との契約は直接うちとしてほしかったんだが
西村君との結婚があるのならと、事務所同士の契約としたんだもんな。
これからも、弓弦君そして西村君。うちとの仕事もよろしく頼む。
みんな君らを知り合いの面々は君らと仕事がしたいといき巻いているよ。
みんな食い入るように見るんだろうなぁ。
そりゃなぁ。事件もだし、無事に帰ってきた原田さんが橋本に似てきれいだし
さらわれる瞬間、あんな顔で西村の名前呼べば話題になってしまうよなぁ。
お爺ちゃん。あたし・・・・・・。
弓弦、自分に正直に答えればいい。
お前は何年も西村君のそばにいたんじゃ、話して良い事悪い事わかるじゃろう。
素直にいいじゃないか。
弓弦。聞かれたら話せばいいじゃないか。素直に。
俺は何も恥ずかしいと思うことや離せないこととかはないと思うけど。
俺は聞かれたら、全部喋っても恥ずかしくないし。
それを横で聞くのかぁ・・・・。俺なんか複雑(笑)
そういえば山本社長、そして翔太君。
何でしょう?弓弦君。
久原護氏からはもうお話は?
映画の話か。話していいのかここで。
川上社長にも話は通ってんだろ?
あぁ、知っているよ。君の所の橋本君と大川君と原田と。
山本社長、詳しく聞いたか?
受付嬢の山本ひかり君との話だろう。どうしようか迷っている。
ひかりはうんとは言わないだろうなぁ。
なんでだ?とりあえず、本人に話をして反応を見ようかと。
そう思っているが・・・・・・。
まぁ、おって山本社長にはあたしからお話をしますから。
そう部屋で話をしていた記者会見に出る予定の10人。
それぞれの話をしながら、自分らが一人一人どんな立場での会見になるのかを
雑談をしながらも、打ち合わせをしていた。
その午後は時間が早く過ぎていくような感なくにとらわれて
いつの間にか部屋には夕日が差し込んできた。
記者会見の話は、それぞれがそれぞれ知っていることを話し
それにわかる範囲で素直に答えると隠さないことをお互いに約束し
西村と弓弦の婚約も、憶測飛び交うなかでの本当の気持ちを
会見でも話すこととなった。
原田氏の付き添い兼オーナーの付き添いで記者会見に出席するのだが
一番は弓弦のそばに自分もいるとそう弓弦に伝えたいだけだったのだ。
兄弟とはいえ、今まで弓弦がそばにいることが当たり前で過ごしてきた時間を
これからもそうだしと思いながら。
弓弦と仕事をしていた誠だから今回の会見での弓弦の気持ちが痛いほどわかる。
弓弦は何もかもが怖いと思っていると。そのあと自分の立場がどうなるのかが怖いと。
何もなかったかのように普通な態度でしゃべっている弓弦の目は
何か見えないものに助けを求めているような目なのだ。
それに気づかない西村に話すべきことなのかどうかわからないのだけれど
弓弦と二人になれたら話を切り出してみようと弓弦を見つめていた。
そんなその日の夕方、原田の夕飯の時間を知らせに来た看護師の声で
その場を離れて行った彼らだった。
西村も仕事だし、社長らもみんなそれぞれの場所へ。
残ったのは誠と小林とだった。
そして雑談をしている弓弦とオーナーに誠は話を切り出した。
「あの、オーナー。」
「なんだ?誠。どうかしたか?」
「今日は自分は仕事休みなんで、さっき貴志に連絡をして
オーナーを迎えに来るように言ったのですが。」
「そうか、もう来るのか?」
「多分。もうそろそろ」
「じゃぁ、私は貴志を待つこととしよう。入口で待つからお前はここにいるんだろう?」
「えぇ。ちょっと話が。」
「なに?話って。」
「ん。ちょっとな。」
「そっか。んじゃ、私は早々に退散するか。」
「すみません、オーナー。」
「弓弦。」
「良かったな。」
「あぁ。良かったか悪かったかは記者会見が終わった後にはっきりするさ。」
「なぁ、弓弦。」
「誠さん。誠さんにはもしかして見透かされてる?」
「どうかな。」
「本当はさ、記者会見なんか出たくない。
あたしは事件に関して大きな関係者だけど、でたくない。」
「なんでだ?」
「見世物じゃないんだから。あたしはあたしなんだから
ほぉっておいてほしい。」
「なににおびえてるんだ?弓弦。」
「記者会見のあと、あたしがどうなってしまうのかが怖い。」
「何を怖がる。弓弦は弓弦じゃないか。今までどおり
そのままの弓弦でいていいじゃないか。何がそんなに怖がることがある。」
「だって。」
「俺がいる。今まで通り、お前の隣には俺がいる。
違うのはそれに西村さんが増えるだけじゃないか。」
「それはそうだけど。」
「今までも俺はお前のそばにいただろう。そりゃ俺は弓弦と兄弟とは知らなかった。
だけど、お前が大切で仕方がなかったさ。
恋愛感情というのがわからない俺でも、お前が大切に思えた。
でもわからない自信と根拠は血のつながりがそう思わせていたんだろうな。」
「誠さんがそばにいるだけで本当に安心できた。
父さんがそばにいるようなそんな感じがしたんだ。」
「弓弦。大丈夫だ。お前はお前だ。
事件に関することも、自分で納得していることを話せばいい。
話しているときに高橋君のことで聞かれても素直に離せばいい。
それでなきたければ泣けばいいさ。
お前のそばには、西村がいる。これから人生を共にする西村がいるだろう。」
「そうれはそうだけど。」
「俺もそばにいる。お前が必要としてくれるのであれば
俺はそばにいることを約束する。」
「誠さん。そばにいて、ずっとずっと。怖い。すごく怖いんだ。
たとえ西村さんがそばにいてくれるとしても兄さんがそばにいるという安心は
何物にも変えられない。西村さんがそばにいて兄さんがそばにいてくれたら
それで平常心を保ってられる。」
「そっか。でも大丈夫さ。おい、もうすぐ西村君も帰ってくる。
見送りに行っただけだろ?きちんと向き合って話せることは話し合え。
これからのお前のパートナーなんだからな。必要であれば、電話して来いよ。
でさ、おじさんと伯母さんと話したんだが離れはお前たちが使え。
ここにも近いし、当分は知らない所ではお前が動けない。
いっそのことあの離れはお前たちがということだ。」
「誠さんは?」
「おれはあの家のお前が使っていた部屋2室が俺の部屋だそうだ。
だから現実的にもそばにいられる。それでいいだろう?」
「お爺ちゃんがさみしがるな。」
「爺さんの家はあの家から30分ぐらいだろ?行くときはすぐに行ける距離だし
あそこの方がどんなことが起きても大丈夫だと思うけどな。」
「そうだね。」
「て言うかさ弓弦。」
「なに?」
「男言葉と女言葉が混じって来たな(笑)」
「なんとなく、結婚を決めてからかな。自然にさ。
自分でも違和感あるもんな。でもきっち元にもどると思う。」
「戻るとみんなの期待を裏切ることになるから、そのままでいいんじゃないか?」
「みんなの期待ってあたしが女に戻ること?」
「多分そう期待してるぞ?」
「戻るとなめられそうだから戻らない。オーナーにも伝えて。
あたし制服と言ってもスカートは絶対着ないって。
みんなと同じが一番いいって。そのほうが仕事しやすいんだし。」
「そうだな(笑)お前足広げるほうだし、ミニスカートで足広げられたら
みんな仕事にならねぇぞ(笑)」
「そんなこと言う?そういう時は兄である誠さんが前に立ちはだかるべきでしょう?」
「いや、足を広げないように努力する方が先だ(笑)」
「そんなの無理無理。あたしの性格上そういうのは無理だって(笑)」
「とにかく、お前のことだ。早く復帰することだけ考えな。」
「うん。ありがとう。元気が出た。」
「んじゃ、俺は引っ越しの準備があるから帰るぞ。
かっこいい年上の弟によろしくな。」
「わかった。」
「んじゃ、good night。」
「good night 誠さん。」
「ただいま、弓弦。兄さんは?」
「え?」
「誠さんだよ、誠さん。」
「さっき帰ったけどすれ違わなかった?」
「いや?気づかなかっただけか?」
「そっか、完全にすれ違っちゃったんだ。」
「翔太も社長と帰っていったぞ?」
「明日は仕事なんじゃない?」
「ということは今日は二人か。邪魔ものもいない幸せな夜か。」
「でも明日は仕事何でしょう?」
「午後からだな。でもなんでそういう風に冷たく言うんだ?」
「そぉ?」
「なんだかさ、誠さんからも言われたんだけど
言葉が男女しているって。男言葉と女言葉が混じってるって。」
「弓弦は生まれた時から女なのだから当たり前じゃん。
男言葉使って今まで無理してたんだから、自分に戻ろうとしたら
そうやって少し変だなってぐらいは出てくんじゃないか?」
「あたし。あたしっていう時点でおかしいと自分でも思うもん。」
「いいんじゃないか?弓弦はどう転んでも弓弦なんだから
言葉遣いをそう気にしなくてもいいんじゃない?」
「あのさ。」
「なんだ?」
「本当にいつまでも西村さんじゃだめだよねぇ。」
「んだなぁ。でも名前でも呼びにくいだろ?メンバーはいつも`まさ´って呼ぶし、
誰だってそうだなぁ。`まさ´だなぁ。弓弦はどう呼んでくれるのか楽しみだ(笑)」
「人と同じ呼び方はあまりできないけど、でもいつまでも・・・・・。」
「どっちにしてもきっときちんと呼んでくれると思うけどさ。」
「あたし`ねぇ´とか`あのさ´とかそういう風にしか呼べないかも。」
「世間一般ではそう呼ぶのかもしれないけどそれ以上に期待したらいけないかなぁ。」
「いけなくはないけど・・・・・・。`あなた´はなんだか嫌だなぁ。」
「色っぽくっていいじゃん、だめ?」
「でもここでこの病室でそんな話する?誰彼聞いているかもしれないのに。」
「家族になるんだから別にいいじゃん。」
「でもはずいな。ねぇ、記者会見。記者会見は明後日?」
「今日は何曜日だ?」
「今日はえっと水曜日。」
「だと明後日か、緊張するなぁ。」
「あたしの方が緊張するよ。だって生でマスコミに喋るの初めてなんだもん。」
「大丈夫、さっき社長と話してたんだけどさ座る順番。
左から担当医の大久保先生と病院の医院長、
そして翔太だろ山本社長、川上社長、俺、弓弦、原田さんで、
警察の三上さんとその相棒、だって。
俺のマネージャーの山田と弓弦のマネージャーの渡辺
そして誠さんは横に控えるという形だそうだ。」
「そんなに多くの人が?」
「あぁ。それで今回の事件の事の話の記者会見。」
「どれぐらいの時間あるの?」
「質問やなんかが終われば一時間ぐらいでそれは終わるんじゃない?
でもさ、俺らの記者会見がある。それはそのあとに続けてするから
それでどれぐらいかかるかなぁ。」
「そうかぁ。最低でも1時間以上かかるんだ。きついなぁ。緊張したままかぁ。」
「だから弓弦の体のことも考えて、大久保先生や医院長以外に
看護師さんや麻酔科の先生とかも横で待機するらしい。
まぁ、最悪弓弦が倒れたりしたらそこでおしまいだ。」
「あたしが倒れたらいいのね?(笑)」
「倒れないでくれよ?でないときちんと発表ができない。」
「緊張の上にその上さらにか。倒れても仕方ないんじゃない?」
「幸せのおすそ分けの記者会見だ、倒れるなよ。」
「でもなんだかはずかしい。」
「もう気持ちは落ち着いたんだろ?腹はくくったんだろ?」
「それはそうなんだけどね。」
「なぁ、弓弦屋上に行こうか。気分転換に。」
「うん。行きたいな。ちょっと待って看護師さんたちがうるさいから
きちんと上を羽織らないと。」
「どれ。これか?」
西村は弓弦にはおらせるものを渡すと、きちんと着させて車いすの後ろにまわる。
弓弦がベッドから起き上がり車いすに移動するために左足で立つと
西村の背の高さとのバランスがよくわかる。
弓弦も背が高いんだなとそう見える立ち姿。
鏡を覗くと、弓弦の後ろに西村の姿が映る。
「俺たち絶対お似合いだよな。お前の顔が幸せそうに映る。
そんな風に見えるけど、弓弦俺と一緒になると決めて
本当に幸せそうな笑顔を見せてくれる。それが俺は一番うれしい。」
「幸せよ?だってこんなあたしをずっとずっと思ってくれて
そしてどんな人たちよりもあたしを信じてくれてて
いつもあたしのことを見つめてくれる。
そんな安心をくれるのは西村さんあなたしかいないんだもの。」
「本当に俺の所へ来てくれてありがとう。
始めは本心で結婚を承諾してくれたのかが不安だったんだ。
だけど、今ではそういう風には思わない。思えない。
だって弓弦がこんなに笑顔でそばにいてくれる。
今までの中で一番の幸せの中にいるのかもしれない。」
「出会えたことに感謝だよね。ねぇ、長崎にも一度帰らないと。
山口先生にきちんと報告しないと。」
「原田さんに挨拶してからでいいんじゃないのか?それが先だろう。」
「そうだね。」
「弓弦の父さんと母さんのお墓は?」
「長崎にある。こっちに移さなきゃいけないな。
前にお爺ちゃんに相談したら、すぐにでも移そうって話になったんだけど
それっきり忙しくなって手を付けていないんだ。」
「んじゃ、いい機会じゃん。こっちに移そう。
外出許可をとれる記者会見の次の日はひかりちゃんのうちに行くんだろ?」
「あぁ。きちんと、伯父ぃにも伯母ぁにもきちんと結婚するって話しないと。
でね。あのあたしがいる離れ。あそこをあたしたちの家にって。」
「誠さんが住むんじゃないのか?」
「兄さんはひかりの部屋の隣2室が誠さんの部屋になるって。」
「そうなのか?」
「あたしが使ってた部屋なんだけど、結構広いんだ。
18畳の2部屋だし。あれだけあれば、誠さんでも広すぎ(笑)。」
「弓弦の部屋って今の俺の家より広いんじゃ?」
「部屋だけだとわからないけど、あたしがもし本当に西村さんの家に
シェアメイトとして引っ越してたら、荷物はいらなかったかもよ?」
「そんなにかぁ?今の離れに移った時の荷物は?」
「整理して捨てるものは捨てて、引っ越したから荷物も半分ぐらいになったっけ?」
「俺が引越ししてきても大丈夫かな(汗)」
「あの離れ、広いのよ?この間あの子たち5人に圭一郎さんと渉さんがいても
多分みんな泊まっていけた広さはあるよ。
リビングはピアノおいているけどあそこ20畳あるし、
キッチンはそれぐらいあるでしょ?同じぐらい。
で仕切ってないから余計に広く感じるけど。
でのその奥に12畳の和室が2つと洋室が一つ。
2階ね。2階はほら、あたしのベッドがあった部屋。あそこも18畳あるし
そのほかにも3部屋ある。で、使っているのは2階のあの部屋と
リビングとキッチンとか水回りだけ。荷物もそこにあるだけ。
あぁ、楽器は倉庫に入れてある。」
「やっぱり弓弦は原田一郎の家系なんだな。伯父さんも伯母さんも
その家系だから家も大きい。そんな弓弦を嫁にしちゃった(笑)」
「ひかりは本当は働かなくてもいいお嬢様なんだけどな。
いづれは伯父ぃと伯母ぁがやっている料亭の女将になって
仕切らなければいけなくなる。本当はM'scompanyにいて
受付嬢をしている時間はないんだけど。きちんとその家を継げるように、
どこかの料亭とかで修業しなければいけないんだけどさ。」
「へぇ。ひかりちゃんって実はすごいんだ。」
「学校も確かFerrisかどっか卒業だったはずでさ
お花もお茶も調理師の免状もフグの免許も持っているんだぞ。
着物の着付けもすべて。」
「すげぇな。でも弓弦も調理師免状は持ってるだろ?
フグの免状も。伯父さんから聞いたぞ?」
「あぁ、伯父ぃが別店舗を出した時にそこの全部を任せるからって
食衛の管理者も取らされたし。
仕事関連で衛生責任者は取ってたからすぐとれたしね。
「まるで弓弦は一人ででも生きていけるようだな。」
「そうかなぁ。でもさ、一度結婚してパートナーと共に生きることに
慣れてしまってたら、きっと一人では生きていけない。」
「たとえ俺が何かの事故でいなくなっても弓弦にはたくさんの仲間がいる。
そして、槙村君や大川君。俺としては一番翔太が信頼できるけど?」
「あたしは西村さんと共に生きると決めたんだ。
たとえあたし一人になっても、パートナーは西村さんしか考えられない。
だからそういうことは口にしないで。悲しいじゃない。」
「そうだな。でもそれだけ思われているとは(笑)」
「そうでないとあたし返事はしない。だからそんな話しないで。
自分がいなくなったら誰にあたしを託すとかそういうことは考えないで。」
「わかった、わかったからそんな悲しい顔をするなよ。」
「今日はどうするの?」
「もちろんそばにいる。明日仕事に行くまで一緒に居たい。」
「ありがとう。でもかなり体調もいいのよ?
本当にあと右足首の完治だけ。リハビリもかなり進んでいるし。」
「そうかぁ。んじゃ、来週の土日はきっと俺も休みだから一緒に出掛けよう。
挨拶とかじゃなくって、一緒に居たいから二人だけで、出かけよう。無理かな?」
「遠出とか無理だろうし、先生がさ大久保先生が泊りがけでの外出は
すぐ病院に戻れる距離でと言ってたから、自宅までが限界じゃない?」
「そうなのか?それもきちんと確かめよう。明日でも聞くか。」
「原田さん、夕食お持ちしましたよ。
あら、西村さんもおられましたか。一緒に食べて行かれますか?」
「えぇ。でもここでは。俺の分は食堂になるでしょうから弓弦の分を持って移動しますよ。」
「では、原田さんの分食堂にもっていっておきましょうか?」
「ここにもってこられているのでしょう?いいですよ。
弓弦は松葉づえで移動でできますし、俺が運びます。大丈夫だから。」
「そうですか?では、お願いします。看護師から食堂には伝えておきますから。」
「んじゃ、弓弦食堂に移動できる準備したか?」
「うん、大丈夫。行こう。おなか減ったでしょ?」
「あぁ、すげぇ腹ペコ。二人分食うかも。」
「痩せの大食いっていうんだっけ?それって。」
「そうそう、もう40なんでしょ?15も違うのにってそういうけど
全然見た目はそうは見えないよ。」
「そっか、でも維持するために頑張らないとな。」
「十分だよ、西村さんの努力はちゃんと見ている人は見てますって。」
「弓弦は優しいな、誰にでも優しいから不安になるときもあるんだけどさ。」
食堂につくと、窓際の席が空いていたのでそこに。
暖かく眩しい夕陽が当たって、テーブルがオレンジ色にひかり
そのテーブルに弓弦の分を置く西村。
椅子を引き、弓弦を座らせると自分の分を頼みに行った。
西村が自分の分を取りに行っている間、ずっと外を見つめている。
その横顔が気になる西村。自分のを取りに行っているその場所から見える弓弦が
なんとなくなんとなくだが、初めて見る横顔に見えた。
何かを迷うのではなく、後悔している顔でもなく、ただただひたすら夕陽の差す方向を
見つめている横顔を、西村は真っ直ぐに見つめている。
名前が呼ばれ、自分の分を受け取るとテーブルに近寄るのに
ずっと窓の外を見ている弓弦の横顔。
何を考えながら、外を見つめているのだろうと気になった西村は
弓弦のそばに行き声をかけた。
「弓弦?」
「あぁ。おかえりなさい。」
「どうしたんだ?」
「何でもないよ?ただいっぺんに何もかもが押し寄せてきたから
どうなるんだろうってそう思ってた。」
「でも弓弦、お前の携帯メールのチカチカ。気づいてた?」
「あ、本当。メールが来てる。言われるまで気付かなかったわ。」
「今見たら?急ぎだと困るぞ?」
「でもいい。今は西村さんとの夕食の時間だもの。
入院している時間の中で西村さんとすごぜる時間は少ないんだから。」
「そこまで思ってもらえるとうれしいけどさ。
きちんと確認だけはした方がいい。ほら、確認したら?」
「んじゃ、見るだけ。返信は食事の後で。」
弓弦はそういうと携帯のメールを開けてみた。
メールをしてきたのは`槙村´`元原´`ひかり´`圭一郎´`貴志´
そして`俊哉´‘峻´なんでこんなにと言わんばかりにまだまだ来ているメール。
悠太からも来ていると西村に言うと、
悠太のはこの間外出許可がいつからになるのか聞いてきたから
きっと、そのことでメールだと思うと言われ、後で返事すると答える。
「ねぇ、西村さん。」
「ん?」
「こういうのっていいね。」
「ここ、食堂だぞ?」
「ん、そうじゃなくってさ。
少しして退院して、二人でいるとなるとこういう食事もあるんだって。」
「そうだなぁ。弓弦の手料理で過ごせる日も少なからずあるということだな。」
「あたしの料理でいいの?」
「弓弦は料理うまいじゃん。小さいときから手伝ってたんだろうし
あの店でもちょっとしたものは作って出すんだろ?」
「ん。そうだね、でもそこまで複雑なのは作ったりしなかったって思うけど。」
「いやいや、弓弦さちょっとした物でも結構こってたのだしてたぞ。
俺それ目当てで言ってた時あったもん。あれ。あれが好きだったなぁ。」
「なに?」
「春巻きの皮みたいに薄いパリッとしたのに、
少しづついろんなものが乗ってたカナッペみたいなやつ。」
「あぁ、あれね。そのままじゃない(笑)」
「春巻きの皮???」
「うん。」
「上に乗ってたのは?」
「あたしが選んで買ってきたチーズや生ハムやいろんなもの。
果物や、いろんなもの。少し火を通してみたりスパイスきかせたり。
そんなに腕がいいほどの物ではないわ。」
「でもさ、弓弦の作るカクテルの相性は抜群だもんな。」
「ありがとう、褒めてくれて。」
「そんな弓弦の復帰を待ってるみんながいるんだもんなぁ。」
「復帰したい、早くシェイカーが振りたい。」
「おれも、弓弦のシェイカー振る姿を見たいよ。早く治るといいな。」
西村と弓弦は夕食を終え、部屋に戻り看護師らに泊まっていくことを告げると
簡易ベッドを運んできてくれた。
寒くなるので少し多めに、掛け布団を持ってきてくれて暖かな夜を迎えられると
喜んでいた。
弓弦はさっきのメール受信したものを確認しようと携帯を取出し
一つ一つ返信をしないととPCも一緒に立ちあげて返信を始めた。
一方西村は持ってきてくれたベッドを弓弦のベッドと隣同士にくっつけて
そばに陣取り、TVを付けてみていた。
`弓弦。
明日は記者会見だな。頑張れ。しゃんと胸張って座っていたらいい。
弓弦には何もやましい事なんてないのだから。俺もそばにいる。
その記者会見の時は一緒に座って居なくてもすぐそばにいるのだから
安心して頑張りな。 誠´
`弓弦さん
外出許可はどう?少しの時間でも出れるようだったら
ここの所天気いいし、出かけない?
俺さ、来週の木曜は完全にオフなんだ。
弓弦さんはどこか行きたいところある?行きたいところがあれば
遠慮なく言ってよ。返事待ってるからさ。 圭一郎´
`ゆずる。
記者会見だね。頑張ってよ、次の日はうんと腕を振るって待ってるから。
西村さんと一緒に来るんでしょう?楽しみだなぁ。
あたしも相談しようと思ったけど、相談よりも話しようよって
呼んじゃった。びっくりはしないとは思うけど、メールはもらったでしょ?
相談があるんだって。同じよ。だからいっそのことって思ってさ。
お母さんもお父さんも、知ってはいるんだよ。だけどね。
だから、きっとびっくりだよ。弓弦の次はあたしがお騒がせするかも(照)
ゆずるのひかりより´
`弓弦へ
どうだ?具合はよくなってきた?社長が事務所に帰ってきてからさ
かなり良くなったって聞いてさ安心したんだけどさ
記者会見の席には医者が待機した状態でするって言ってたから
やっぱり心配で。
でも松葉づえでうろうろできるようになったんだろう?
落ち着いたら出かけようよ。一日俺と一緒に居てくれよ。
西村さんがいいというかどうかはわからないけど、
結婚してしまったらそういう二人でとかはできないから。
んじゃ、来週でもお見舞いに行くよ。 渉´
`弓弦さんっ
なんだか貴志先輩がご機嫌なんですけど?
弓弦先輩のお見舞いに行った後からすっごくご機嫌。
何かあったんですかって聞いてもにやにやして教えてくれないんです。
何かあったんですか?教えてくださいよぉ。気になって仕事できましぇん。
ていうか、そっちにお見舞い行けないんですけど。
オーナーが記者会見の打ち合わせやるって言ってたって
俊哉は邪魔になるから言っちゃ駄目って。僕のカステラが・・・・・・。
次のお休みにはいきますね。でゎ。´
`原田さん。
ひかりからメール来ました?
なんだかお互いに原田さんの方に相談のメール送ってたみたいですね。
二人して同じことしちゃってて恥ずかしい。
でも、きちんとひかりちゃんのご両親にもお話しできるのでと
いい機会だから記者会見の次の土曜日に来るんでしょう?
西村さんと二人で。だからそれに合わせて僕と社長もお邪魔します。
そのあとひかりちゃんを連れて僕の両親の所に行こうかと。
一緒に結婚式上げますか?
というかそういう段取りで進んでいくみたいです。
ただ、マスコミが少し気になってしまって。
土曜日、ひかりと社長と待っています。´
`弓弦さん。
貴志に何か言いましたか?
それとも貴志と何かあったんですか?
西村さんと結婚するのに、何かあるということ自体勘ぐるのは
おかしいと思うんですが、貴志が変なんです。
めっさおかしいのですが・・・・
弓弦さんならどうにかできますか?
伊藤峻´
メールを読み返していると、やたらと`mask´からのが多い。
貴志が変だと、何かあったのかと。
あたしのお見舞いの後にと、みんな口を合わせて言っているけど
やっぱり原因はあたしなのか?とそう考え込む弓弦。
`峻。
あたしのお見舞いからなの?
でもほぉっておきなよ。貴志は少しだけハイになってるだけさ。
気にしないでいいと思うよ。だって、それだからって何かおかしい事
しているわけではないのだろう?大丈夫。ほぉっておいていいから。
ただ他のみんなに迷惑だけは掛からないように見張っててね。
峻。復帰するまで頑張って。がんばってお店を頼むよ。
峻の腕を信用しているから。それだけの腕がある峻なのだから。
早く復帰できるように、あたしも頑張るよ。
それを明日が記者会見なんだけど、明後日の日曜そっちに顔を出す。
少しは元気になったあたしで会いに行くから。待ってろよ(笑)´
`貴志。
貴志、まさかあたしがkissしたことで呆けていないだろうな?
あれは貴志だからこそのkissだったんだからね?
しっかりとあたしの代わりに頑張っている貴志へのお礼なんだから
みんなのこと引っ張って行ってよ?
`mask´にいる間は仕事のパートナーの一人なのだから
貴志が何かしでかすと、あたしも恥ずかしいんだからね?
わかってる?誠さんの手となり足となってあたしの代わりに
しっかりと守って行ってもらわないといけないんだから
貴志。頑張って。早く復帰できるようにあたしもリハビリがんばるから。
そしてまた一緒にシェイカー振ろう。あたしそれが一番の楽しみなんだ。
だから、貴志。ファイト(笑)´
`お兄ちゃん。
貴志大丈夫?なんだかみんなから、貴志がおかしいってメール来るんだけど。
お兄ちゃんの足引っ張ってない?貴志にはさっきメール入れたけど、なんだか心配で。
でさ、明日の記者会見。頑張るよ。
頑張らないと、これまで迷惑かけてきた人たちに失礼だし。
でさ、次の日の土曜は朝から西村さんとそっちに行く。
その時martinのリーダーの元原君が山本社長と一緒に来るって。
何か良い話みたいだよ?んじゃ、また明日。´
`圭一郎さん
ねぇ、まだあたしとデートするのあきらめてないの?
多分、西村さんも圭一郎さんとのお出かけは、だめっていうよ?
だってがっつり襲いますコースに見えるんだもん(笑)
水曜日ね。多分大丈夫とは思うけど、西村さんがねぇ。
こうしよう。
西村さんに掛け合ってよ。でOK出たら、動物園なり植物園なり
ディズニーは体力的に無理だけど美術館や水族館だったら行けるから。´
`槙村さんへ。
とうとう明日が記者会見です。体調はいいんだけどやっぱり緊張がすごくて。
山本社長もあたしの事を気にかけてくれてて申し訳ないと思っています。
その分、しっかりとした受け答えができるように頑張らないと。
ねぇ、槙村さん。圭一郎さんなんだけどさ、メールが来ているんだ。
デートのお誘いの。二人一緒だとダメかな。なんだか不安で(笑)
いや悪い意味での不安じゃなくってさ、なんだか圭一郎さんと二人っきりだと
女として怖いかな(笑)圭一郎さんが怖いとは別の話ね。
だからと言ってじゃないけどさ、圭一郎さんは楽しいしよく気が付いてくれるし、
槙村さんが一緒だと、西村さんが安心してくれるしどうかな?
圭一郎さんと槙村さんと二人一緒なら、すごく楽しいと思うんだけど。
来週の水曜日、圭一郎さんがオフだからって言ってるの。
もしかして一緒にお休み?それだとうれしいんだけどな。
気分転換に外に出れるし、一人だと先生がだめって言うから。
長々とメールごめんね。またね。´
`俊哉!
貴志のことは気にしない。自分の腕を磨くことに専念して。
俊哉は他のことなど気にしないでいいから。
日曜日にそっちに行くから、それまでにこの間言ったこと
できるようになってないとコンテストには間に合わないんだぞ?
基本的なことだ。といううことで、今日も一日仕事をがんばれ(笑)’
`martinリーダー達哉君。
話が進むみたいですね。進むと今度はあなたたちが記者会見だ。
ひかりとは、きちんと話して決めたのだろうから
あたしは素直におめでとうしか言わないよ?
土曜日に来るんでしょ?社長と達哉君と。
あたしも西村さんといくからひかりの家で会えるね。
楽しみだ。ひかりが相談してきたメールと君のメールとほとんど
変わらないぐらいにくれたし。きっとひかりとは合うんだな。
達哉君と義理のいとこ同士になるんだ。
ということは西村さんともいとこ同士になるんじゃん。
不思議なつながりだな。でも楽しみだ。すごく楽しみだ。´
`山村男爵。
久原氏の映画のキャスティング。変更をお願いしたいと思っているのですが。
少し動きがあったので、それを考えるとあのあたしと圭一郎さんとひかりと翔太君
そのキャスティングではもめるような感触なので。
理由はですね。理由は、ひかりとmartinリーダーの元原君が
あたしと西村さんのように婚約をします。
まだ発表までには至ってないのですが、明後日の土曜に
ひかりのうちで元原君と山本社長が来るからそれから花h詩が進むと思うんです。
まだ決して誰にも言わないでくださいね。言っちゃだめですよ?
ひかりと翔太君でだと、絶対仲間割れしますって。
演技とわかっていてもまだまだ彼らは若いし。
あたしからのお願いです。交代っては言いません。
キャスティングの中で入れ替えて行ってほしいんです。お願いします。
ひかりの相手役を翔太君とか大川さんではなく。
ひかりの相手役を変えるとかではなく、ひかりとほかの女の子と入れ替えるとか
そういったことができないでしょうか。
ひかりもラヴシーンがあったりすると初出演なのにそれはかわいそうに思えて。
せめて普通の役柄に充ててくれたら嬉しいのですが。
その分、きちんとあたしががんばりますから。お願いします。´
`久原様
お仕事お疲れ様です、久原男爵。
映画の件はもう山本社長にもされたでしょうか?
まだ翔太君の耳には入っていなかったように思えましたのですが。
その映画の件、あたし一生懸命頑張りますのでお願いがあるのです。
ひかりと組んでの男性俳優はきっと翔太君なのでしょうが
ラヴシーンが入るのであれば、ひかりをその役から外すか
翔太君を外すかラヴシーンを入れないで頂けるか、代理俳優を
どちらかに入れてもらうかしてもらえないでしょうか?
ひかりは俳優でもなければ女優でもありません。
一介の会社員です。これから先のこともあります。
実はひかりには、結婚の話が出ているんです。お願いです。
その話に水を差したくはないのです。
きっとあたしががんばります。こなします。
だからお願いなんです。ひかりをひかりの配役を考えては
もらえないでしょうか。
こういう個人的なわがままで話をしたら久原様に大変失礼とは思うのですが
でもひかりの気持ちを考えたらすごくかわいそうな気がして。
小さいころから離れてはいても仲の良い姉妹のように育ってきたあたしたち。
なんとなく気持ちがわかるような気がするんです。
まだ、映画の話は耳には入っていない様子です。
今のうちにどうにかしていただけるとすごくうれしいんですが
こんなあたしのわがままを聞いてくださるとはそう思ってもいません。
きっと山村男爵と詰めに詰めて配役を決められたのだろ思うのです。
それを重々承知でお話をしています。
どうかこの一つだけ我儘を聞いていただけないでしょうか。´
ひかりのことを考えると、純粋で一人の人を愛するというひかりにしたら
きっとこの女優としての出演はつらいはず。
演技とはいえkissしたりベッドシーンがあったりすると
きっと泣いてしまう。そんな仕事をひかりにはさせたくない。
ひかりが涙を流すそれだけは弓弦も見たくない。
久原氏にメールをした後、自分は余計なことをしたんじゃないかという念に駆られたが
送った後だ、後はどんな批判や意見をもらおうともそれは兄弟を思う気持ち
素直にそう思ったことだからと言おうと考えていた。
21時をまわるころメールが入る。久原氏からだ。
`こんばんわ、弓弦君。
こんなに一生懸命なメールをくれてありがとうと言うべきかどうか。
ひかり君にも幸せな話が来ているのかね?
それはやはり映画の配役にも影響するものなのか?
でも女優でもないのにいきなり抜擢されて濡れ場があるのか
やっぱりかわいそうなのかもな。本業でもないのにな。
それは少し考えてみる余地があるかもしれないが
考えても代理俳優だろうな。この話はもう少し詰めてから各社長に打診するよ。
心配しなくとも泣かせるようなことは決してしないから。
君ががんばってくれるのであれば決して悪いようにはしない。
まぁ、このストーリーで初めに決めた俳優で行きたいと私は思う。
そしてストーリーもこのままで行きたい。
となると代役を考えるかどうか考えないといけなくなるのか。
少し難しい話だけど、あまり期待はしないでくれ。
そのままで行きたいというのが私の本音だ。
しかし君が一生懸命頑張るからと押されたら考えることだけはしないとな。
期待だけはしないでほしい。
まずひかり君がこのままでやってくれるかどうかが問題であって
条件をつけられたらきっと私はのむこととなるだろう。
弓弦君の話で決めるわけではない。ひかり君のことは
ひかり君自身で決めてもらうことが一番いいだろう。
君は本当に大切にしているのだな。その気持ちだけは汲まさせてもらうよ。
期待せずに待っててくれ。´
やっぱりそうだよなぁ。早々に考えて変更してあげるとか言わないもんなぁ。
そんなんじゃやっていけないだろうしな。自分の作品なのに。
あたし失礼なこと言っちゃったんだろうなぁ。
`久原様。
すみません。
気を遣わせて、あたしが言うことがおかしいですね。
ひかり本人が答えを見つけて伝えるべきであって、あたしが
いろいろと口を挟んではいけないんです。
それは十分にわかってたはずなんですが。
久原様、このメールと共にあたしが言ったことは忘れてください。
すみません。いい大人なんですもん、自分できちんと決めないとですね。
でも、オファーがあった時にどういう話の映画なのかは
お話していただけるのでしょう?それをきちんとお聞きしたうえで
どうするかを返答すればいいんですものね。
久原様。あたし失礼なメールを送ってしまいました。すみません。
きっと気を悪くされたのではないでしょうか。
申し訳ありません。期待外れのあたしに思ってしまわれたのかもしれませんね。
こんな女々しいあたしですが、久原様の期待に応えることができるでしょうか。
ちょっと不安になってきました。本当にすみません。
あたしからのメールは忘れてください。´
きっと久原氏には嫌われたかもしれないと思いつつも、
これで映画の話が流れたらそれでいいとそう思いながら別のメールを
確認をしてみていた。西村がPCを覗き込み、まだ終わらないのかと
そう話しかけてくるも弓弦はもうちょっといいカタカタと軽快な指使いで
別のメールの返信をしていた。
`tururururururu tururururururu´
誰かと思い携帯を見ると久原氏から電話だ。あわてて弓弦は携帯を取る。
「はい、原田です。」
「夜分にすまないね、私だ。久原だ。」
「すみません、あたしきっとがっかりさせるようなメールを送ってしまいました。」
「いや、いいんだよ。気にしないで。まだまだ先の話なんだし
どうなるかわからないものだ。中心に来る人物とストーリーと
それだけしか組み立ててないのだけれど、制作会社も大乗り気でな。
だが、バタバタしているうちにどんどん進んでいくと思う。
仲の良い姫君たち。仲が良くいつも一緒に居た
そんなお姫様たちの出演でやはりいろいろと考えるものだよ。
そんな人として気にしてあげれる兄弟がいるということは幸せなことだよ。」
「でも。」
「でも?」
「仕事とプライベートは別。それをわきまえてない発言だったから。」
「ますますそういう弓弦君に惚れてしまうだろ(笑)」
「本当に。あたしのメールのことは忘れてください。
まずはひかりの意志が優先だし、それが一番の答えだから。」
「ありがとう。とりあえず、来週山本社長と話をしてくるよ。
そしてひかり君とも。そのことは終わった後に君に連絡をする。
入れるからそれを待っててくれないか?
山本社長だって考えるだろうしひかり君だって。
ひかり君は山本社長にとっては一社員だが大切な社員だ。
きちんとしたことを時間がかかっても話し合って報告するだろう。
だから、それまで待っててくれないか?」
「えぇ。きっといいことをお知らせしてもらえると思うので
きっと、きっと。いい報告を。」
「待ってなさい。そして弓弦君。」
「なんでしょう?」
「きっとこの映画で弓弦君を弓弦君以上にスクリーンに映し出してみせる。
バーテンダーの弓弦君と同等の女優原田弓弦を引き出してみせる。
そのためにはどんな努力もいとわない。」
「ありがとうございます。でも西村さんが不安にならない程度で
よろしくお願いしますね(笑)」
「もちろん。一応制作会社には伝えてあるんだが監督も私がすることになっている。
思いっきり全力で頑張るよ。よろしく頼むよ、弓弦君。」
「そんな・・・・・。ありがとうございます。では、お休みなさい。
おやすみなさい男爵様(笑)」
電話が切れる。少しの時間の間だけの電話が西村にはすぐどういう事か気づいた。
だけど聞いてないふりをしてTVを見て笑っているふりをしている。
「どうかしたのか?」
「ん?何でもない。ちょっとね。」
「弓弦?なにかあった?」
「何にもないって(笑)」
「まぁ、後ででも落ち着いてからゆっくり話してよ。
でも、明日は記者会見だからもうそろそろ電気消すぞ?」
「と言っても21時になるよ?もうすぐ。」
「そっか、ならその時間で寝よう。」
「きちんと寝ないとね。目の下にクマができる(笑)」
「なぁ、消灯時間過ぎたらそばに行ってもいいか?」
「なんで?西村さんらしくない。」
「弓弦の体温を感じて眠りたい。駄目?」
「・・・・・・・・・・・・。いいよ。あたしもそばにいてほしい。」
珍しく弓弦が西村のそばにいたいとそういう意味らしき言葉を発する。
珍しいなぁと西村も思うがそういう返事になることを言ったのは自分だと
そう感じていたために何も言わずに微笑んだ。
`消灯ですよ´
そう看護師から声がかかり、部屋の明かりが小さい明りだけをのこし
消されてしまい、部屋は薄暗くなった。
すると、簡易ベッドに寝ていた西村はしずかにベッドを抜け出し弓弦の寝ているベッドに近づいた。
弓弦は少し端に寄ると、布団をあげ西村がそこに入り込む。
弓弦と一緒のベッドに入り込むと、西村は両肩の怪我に気を遣いながらも
腕を弓弦の方に回した。
素直にその西村がまわした腕の中にすっぽりと頭をうずめ西村の顔を見上げる。
すると西村は弓弦をしっかりと抱き込みお休みのkissを。
愛おしく大切なお互いを大切に抱きしめながら、眠りについた。
弓弦はしばらくすると、目が覚めた。何かが・・・・と。
目が覚めて、ふと自分を抱きしめている西村の方を見上げると
西村は起きて弓弦を見つめていた。目が覚め見上げる弓弦に声をかける。
「眠くないのか?」
「ん、どうだろう。なんだかさ、なんだか・・・・・なんなんだろう。
わからないけど眠れない。眠れないのよ。」
「俺もだ。俺も、眠くない。眠いはずなのに寝れないんだ。」
「二人してなんでこういう所気が合うんだろうね。」
「弓弦。」
「なに?どうかした?」
「なんかさ、弓弦が怪我して大変だっていうのに
泊まり込んで挙句の果てにベッドにもぐりこんでさ。」
「でもそのほうが離れているよりも安心する。
手をつないでいられる距離もこうやって抱きしめられている距離も
までは何ら変わりない。すごく安心してられる。」
「俺もだ。俺もそう思う。怪我して動けないときはさ痛いだろうから
抱きしめたくても抱きしめられなくて、結局手をつないでた。
弓弦の温かさをさ、手を握ることで生きている暖かさを感じられて
その時はそれで俺は安心していられた。
だけど気が付いてからのバタバタで弓弦がどこか遠くに行ってしまいそうに思ってさ
自分が退院してから今までずっと不安で仕方がなかった。
誰かの物になってしまいそうで。」
「心配性だなぁ。でも不安材料は多かったから。
ごめんね。本当にごめんねそんなに不安にさせて。」
「なんで謝るのさ。弓弦が謝る必要なんかないじゃないか。」
「だって、心配ばかりさせるし。」
「俺はそれでも弓弦のこの暖かさを感じられる場所にいられれば
それが一番幸せになれると思ってさ、そう思ってるよ。
だから、これからもずっとそばにいて。ずっとそばにいて。」
「・・・・・・・・・・・・・・。」
「弓弦、お前は何かにつけて泣くなぁ。泣き虫だなぁ。」
「西村さんはあたしを泣かせんの得意なんじゃない?」
「あはは、そうだな。でも幸せな涙しか流させてないぞ?」
「そうだね。そうだね。ねぇ、このままもう寝ようよ。
明日は早い。きっとみんなが邪魔しに早くに来るだろうし。」
「今日は俺も落ち着いて幸せな夢を見れそうだ。
弓弦を感じて、暖かく気持ちよく寝れそうだ。
これから毎日。毎日弓弦を感じて休むことができる。」
「うん。早いね早く寝着かないと明日が大変。」
「お休み、お休み弓弦。」
「おやすみなさい・・・・・・・。」
月明かりが差し込む病室は、明かりを消してもうっすらと白く明るく
弓弦の顔を照らし西村はその弓弦の寝顔を見つめていたが
いつのまにか寝てしまった。
「ん・・・・・んぅんんん。」
「どうした?弓弦?痛いのか?」
「あぁ、ごめん。起こしちゃった。ごめん。」
「いや、もうすぐ起こされる時間だ。寝れたか?」
「えぇぐっすりと。すごくしっかりと眠れた気がする。」
「俺もさ、こんなにぐっすりと寝れたのは久しぶりさ。おとといの大阪の夜は不安でさ。」
「なんで?」
「知らなかった?」
「なにを?」
「俺にさ、マジで翔太がメールしてくるんだよ。」
「メール?西村さんに?聞いてない!」
「あぁ。翔太がな、今日は俺が弓弦さんの看病で病院に泊まりますって。
俺に不安な気持ちを植え付けるんだぜ?
でも、本当にいるとは思わなかったなぁ・・・・。」
「ほんとに?翔太君何にも言わなかったけど?」
「あいつ本当に不安にさせるんだぞ。」
「西村さん心理作戦で困らされてない(笑)」
「そうかもしんない。もしさ、もし翔太とマジkissしてたら
きっとショックで弓弦に会えなくなるかも。」
「そんなことでショック受けるの?兎ちゃんじゃん(笑)」
「でもきっと翔太から弓弦を引きはがす。
そうでないと俺らの間に亀裂が入る。絶対無理無理。」
「おはようございます。起きていますか?」
「はい。おはようございます。」
「朝ごはんですけど、どうしますか?」
「食堂に行きます。大丈夫ですよ、今日はすごくご機嫌な朝でしたもの。」
「そうなんですか?やっぱりご夫婦で迎える朝は特別なんですね(笑)」
「今日は記者会見ですし、息を合わせて迎えないとね。」
「そうですね、早めに食べて先生との打ち合わせもあるのでしょう?
原田さんもそれだけ動けると、そのあとは出かけれるんじゃないですか?」
「出かけれれば・・・・・それはうれしいですがどうなんでしょうね。」
「出かけれるんであれば、どこに連れて行こうかな。」
「家によってあたしの車で出かけれたらどこでも行けるんだけど。」
「それはあとで相談しよう。とりあえず、身支度整えて
朝ごはんだ。そしてそのまま先生の所へ顔を出そう。」
「えぇ。」
「では下で用意させてきますね。身支度整えられたら
降りてきてくださっても結構ですよ。」
「おはようございます。」
「おはようございます。今日もご機嫌な笑顔ですね、原田さん。」
「もちろんですよぉ。いつもいつも無愛想じゃぁね(笑)」
「今日は旦那さんも一緒だもんな、ご機嫌いいはずじゃな。」
「またまた。でも久しぶりに一緒に朝ごはんなんですよねぇ。」
「今日の献立は?」
「西村さんもおなかすいただろう、きちんと食べないと会見がきついぞ。
しっかり食べて行ってくださいね。」
「ありがとう。んじゃ、弓弦。あっちに座って。俺受け取ってくるから。」
「ありがとう、あっちの窓側にいるよ?いい?」
「あぁ。」
また同じ窓側の席が空いていたので、そこに座る弓弦。
それを横目で確認し、配膳を待つ西村。まず弓弦の分が呼ばれたので
それを弓弦のいる席へ持っていく。
弓弦が笑顔でありがとうと言うと、西村は自分の分も呼ばれたといい
カウンターへ取りに行く。その後ろ姿をじっと見つめる弓弦の顔が見える。
テーブルに二人揃うと食べ始め、何気ない話をしながらもやっぱり記者会見の話となる。
食事の後は担当医の所に行きその日の診察を受け、
退院した西村の当初の見解と退院までの回復していった経緯を聞き、
また弓弦が発見されたときの事細かな詳細と救急車で運ばれたときの
弓弦の怪我の状態および治療、そして事細かな今日までの回復と治療との話。
きちんと担当医が話すことと西村が聞かれて話すこと、
「おはようございます、先生。」
「あぁ、おはよう。今日は緊張するねぇ、お互いに。」
「えぇ、緊張して口から心臓が出てきそう(笑)」
「先生お久しぶりです。」
「おぉ、君も一緒だったのか。久しぶりに君の診察もしなければならないな。」
「えぇ。俺も退院して約10日ぐらいたったんで。
それの退院した後ほぼ仕事だったし。」
「そういえば退院した後お顔を見ていませんでしたね(笑)」
「とりあえず西村さんも一緒にMRI室に行ってMRIを。
骨折した箇所がどこまで治っているかを見ないとな。」
「さぁ、診察に入りましょう。記者会見まで時間がありませんから。」
「まずは西村さん、MRI室でMRIをお願いします。
原田さん、こちらへ。診察を始めます。」
「はぁい。」
「まずは原田さんの両腕から。ここ数日松葉づえを使っていますが
右側・右肩とかは痛くないですか?」
「はじめは痛かったけど、しばらくして痛みはなくなりましたよ。」
「では、まっすぐ椅子に腰かけたまま、右腕を右耳につけるような感じで
まっすぐ伸ばしてあげてみてください。ゆっくりゆっくりと。」
「こうですか?」
「ゆっくりと真っ直ぐあげてって右耳に添わせるようにしっかりと。
大丈夫ですか?痛かったらそこで止めてください。」
「えっと、痛くはないです。痛くはないですよ?」
「ではそのまま45度前に倒して。」
「はい」
「ゆっくりとね、ゆっくりと痛みは?」
「痛くはないです。」
「次は右耳にまた沿わせて手をあげて。そして次はそのまま横に。横に下げてって。」
「はい。」
「痛みは?」
「痛くはないです。少し突っ張るような感触があるけど・・・・。」
「その突っ張る感触はどこ?」
「右側の首筋と二の腕にかかる肩の所。」
「痛みは?」
「突っ張ってても痛くはないです。」
「あとはリハビリだな。多分骨は大丈夫と思うな。」
「本当ですか?やった。」
「レントゲンを撮るともっとわかるだろうからそれからだな。」
「左肩は・・・・・。」
「痛みがありますか?」
「痛いというよりも動きづらい。今はうまく左腕を動かせないことが気になってて。」
「それは仕方ないですよ。あの厚く腕を動かすための肩甲骨が
真っ二つに割れてたんですから。でもなぁ。」
「リハビリ次第なんですか?」
「そうですねぇ。これもレントゲン次第でリハビリ内容が決まりますねぇ。」
「痛くはないのですが動きづらいところだけ。
右は腕を回すことはできるのですが左は回せない。
だけど食事をする動作には何ら問題はないんですけどね。」
「まだ怪我のことを考えるあまり、
きちんと筋力を元に戻すようなことはしてませんものね。
日常生活での動きに対しては一生懸命動かしてきましたけど。」
「西村さんも帰って来たみたいだ。
原田さん次はあなたがレントゲンを撮ってきてもらってください。」
「はぁい。」
しばらくすると西村が自分のMRIの画像を受け取って診察室に帰ってきた。
ご機嫌に鼻歌交じりで。
「先生。戻りました。」
「あぁ、さぁ次はあなたを診察だ。」
「俺は別に骨折してたとかじゃないし、大丈夫でしょう?」
「もちろんばっちりです。傷口に異常も見られませんし。
今日のこの後の記者会見では事件が起こってからあなたが怪我をし
その怪我についてのことを一部聞かれますが?」
「いいんじゃないんですか?別に隠すようなことでもないし。
今はこんなに回復しているんです。大丈夫ですよ。(笑)」
「そうですね。では、西村さん対して聞かれたことについては
何も隠すこともないのでお話しするのは構わないということですね。」
「はい。隠すっていうかねぇ、隠してどうするんだって(笑)」
「まぁ、誰だって君みたいな人のことを逐一詳しく聞きたいものさ。
嘘があればそこを突っつくという行為をしたくて。」
「弓弦はきっちいろいろとつつかれるだろうなぁ。
なんで俺と翔太と一緒に居たのかとか、
それこそいやらしい記者は意地悪な質問をしてくるんでしょうねぇ。」
「でも君はきちんと答えれるだろう?原田君も何も隠さずにいえるんじゃないのかね?」
「話の先を隠したままでは話しづらいことも出てくるでしょうから
それにについての話もしなければなりませんしね。」
「事件のことについての質問が先になるのか?」
「多分。多分警察の人も混じるので事件の事から。
そしてきっと弓弦個人の事。弓弦個人についての質問になると
原田さんが出てくるのかと。で、原田さんは弓弦のことを
話した後に俺との婚約発表となる予定ですが
きっとぐちゃぐちゃな質問で会見もめちゃくちゃになるかと(笑)」
「みんな西村さんと原田さんの関係の方がきっと興味津々でしょうからな。」
「だから、どういってとっかかりを作って一つ一つ答えていくかが
ポイントの一つになるんでしょうけれど。」
「大変だなぁ、君も。まぁ、わかっているが突っ込まれても
君と原田君のおめでたい話の席になるんだからイライラせずに話をしないとな。」
「それは俺だって大人ですから(笑)」
「なんだか気味は机でもひっくり返して暴れそうだな。」
「いや、それはきっと弓弦がすると思われますが(笑)」
「彼女はもうそろそろレントゲン室から出てくるのでは?」
「そうなんですか?」
「松葉づえも大変ですから、でてくるところで待ってあげて
ここまで連れてきてくれますか?
その間にもう一人ぐらい患者さんを診察してますから。」
「そうですね、先生も忙しいのに。んじゃ、終わったら連れてきます。」
「頼みますよ、旦那さん(笑)」
先生の診察室を出ると、まっすぐレントゲン室の方にはいかずに
待合室の自販機の方へ行った。自分の分と弓弦の分とのコーヒーを買って
それから、レントゲン室の隣にある受付の所に。
現像したレントゲン写真はそこから渡されるので、そこで待っていれば
弓弦もここに来るはずだからと思い、そこに行った。
案の定、弓弦はレントゲンを撮り終えてその場所にいた。
椅子に座り新聞を読んでいる。その姿もなんとなく寒そうにしている。
「終わったか?」
「あぁ、診察は?」
「俺はすぐさ、ちょっと話してた。で、先生が終わるころだから
連れて来てって。」
「そう。でもまだレントゲン写真が来ないんだ。」
「そっか。あぁ、ほら。暖かいぞ。」
「ありがとう。寒いときはこれが一番だよね。手がかじかんで
冷たくなってしまって新聞をめくれなかったんだ。」
「お前新聞読むんだなぁ。」
「だって、接客業の常でしょう?カウンターに立つ仕事だもの、
目の前に座る人の話題についていくように自分で努力しないと。
いくらまだ出勤していないとはいえきちんといない間の情報も収集しておかないと。」
「弓弦は真面目だなぁ。て言うか、まっすぐに仕事と向き合ってるんだな。」
「そうしないとあの場所に立つ地位から蹴落とされてしまう。」
「大変だな。でもさ、秋山さんとの仕事もあるだろう?
で、久原氏の映画もあるだろう?弓弦は退院したら俺よりも
きっと忙しいんだろうなぁ。俺放置されちまうのか?」
「あはははははは。忙しすぎてかまってあげれないかもよ?
だから何としても秋山さんの仕事が長引く仕事だったら断る。
久原氏のは断れないからそれだけ我慢して。」
「それ以外でも仕事は来るんだろうなぁ。」
「バーテンダーの仕事を中心としてそれを邪魔する仕事はしないもん。」
「むりむり。執事がきちんと仕事を選り分けて選んで持ってくる。
渡辺というやつはそういうやつだ。
早めに打ち合わせをしておかないと彼の判断のみで仕事を決めてくるぞ。(笑)」
「今日の会見には来るのでしょう?渡辺さん。」
「あぁ、来るよ。で、俺のいないあいだは渡辺が執事でくっついているよ。
だからきちんと話をして方針を決めないとな。」
「そうだね。遊んでばかりはいられない。
一つ考えていることは、外出許可が出る範囲ので仕事は受けようと思っている。」
「無理すんなよ。体休められるのも入院している間だけなんだから。」
「原田さん。原田さんおられますか?」
「はい。」
「これを持って担当医の診察室へ移動をお願いします。」
「できてきたな、さぁ行こうか。」
「看護師さん。とりあえずレントゲン写真です。そっちで待っていますから。」
そう言って診察室より離れたところの椅子に座って待つ二人。
ちょうどその話し込んでいる場所に渡辺がやってきた。
「おはようございます。」
「あぁ、おはようございます渡辺さん。」
「まささんもいたんですか。」
「いいじゃんいたって(笑)邪魔だった?」
「いえいえ、大切な奥様ですものね(笑)」
「で、今日のことで早くに来たんだろ?」
「はい、原田さんの具合もと思って。」
「原田さんってかたいこと言わないでいいよぉ、渡辺さん。」
「そうですか?」
「だって西村さんの時にもいっしょにいたじゃん。でもその時も原田さんだっけ?」
「その時も原田さんって呼んでましたよ。嫌ですか?」
「弓弦、あんまり意地悪なこと言うなよ?
渡辺はすげぇ真面目なやつだからなやんじまう(笑)」
「自分としては原田さんの方が呼びやすいんですが。」
「慣れるまでは原田さんでいいんじゃないか?」
「そうだね、でも呼べるのであれば弓弦さんで。
本当は弓弦って呼んでもらった方があたしが楽なんだけど。」
「自分はマネージャーなのでやはり呼び捨てはまずいのではないでしょうか?」
「やっぱり弓弦さんが一番?」
「では呼べる勇気が出たら弓弦さんって呼ばさせていただきます。
ただ、抜擢されたばかりでちょっと・・・・。
仕事に慣れるまでは原田さんということで。」
「真面目な人だなぁ・・・・・。」
「渡辺。お前そんなにまじめくさってたか?」
「まささんよりは真面目ですよ?(笑)」
「そうきたかっ(笑)」
「それよりも、診察は大丈夫でしたか?まささんも原田さんも」
「俺はOKさ。弓弦はこれから。」
「そうですか。自分も一緒に居ていいですか?」
「一緒に居るの?」
「だって原田さんのことは逐一知っておかないと
仕事えらんで来れないじゃないですか。
西村さんの次に原田さんのことをすべて把握しておかないと。」
「そうだ。弓弦。渡辺には一切隠し事はしないように。
そうでないと不利な仕事もってこられるぞ(笑)」
「そうなの?渡辺さん(笑)」
「そうですね(笑)自分は何も原田さんのことを知りません。
西村さんの所でマネージャーしている時は、雑談ばかりで
何もお互いを知る様な会話なんてしたことなかったですよね。」
「会見で原田さんが話すことが弓弦のこれまでの人生なんだろうが
それ以外のことは渡辺が直接聞くんだな。」
「自分にすべてを話してくれますかねぇ。」
「話さなきゃいけないことは話さないといけないだろう?
西村さんそう渡辺さんをいじめちゃ駄目じゃん。」
「まぁ、ゆっくりしてからお話してくれればいいですから。」
「とりあえず今日の会見が終わったら、会社の方へ行くし
明日は朝から外出許可をもらって自宅に帰る。
これは西村さんと一緒に。それについてくる?」
「もちろん、付いて行くにきまってるじゃないですか。
原田さんを知らなければ何も先に進まない。」
「マネージャーという執事だな(笑)」
「いわゆる完璧に執事にならないと知りえないでしょう。
原田さん、何なりと小さい事まで行ってくださいね。」
「おいおい、お前執事としたら少し・・・。」
「少しなんですか?まささんは旦那さんになるのでしょうが
自分はマネージャーなんですから、原田さんのことをよりよく知らないと
困ること多いんですから。」
「あはは。そうだね、渡辺さんにはいろいろと。
あたしのすべてを話さないとね。」
「おはよう。渡辺も来てたのか。」
「おはようございます、社長。」
「おはようございます。」
「とうとう今日が来たなぁ。西村、原田。」
「来ました。俺にとってはうれしい日です。」
「原田君、気持ちは落ち着いたかね?」
「えぇ。皆さんがそばにいてくれるんです。あたしは大丈夫です。」
そう話をしていると続々と人が集まってきた。
原田氏とその専属の弁護士。誠と小林。山本社長と橋本とひかり。
西村のマネージャーが遅れて。
病室で話をしていると今回の会見に付き合う担当の大久保先生と
病院長。
記者会見で並ぶ面々がそろったところで10時をまわる。
会見場は向かいのビルなのだが、そのビルの正面入り口にも
かなりな人数が押し掛けているようだった。
歩いて移動しても良いのだがとあの様子を見せタクシーで地下の駐車場に入り、
それから会見場に上がろうと話を詰めた。
弓弦の身支度を整え、車いすで移動。それを助けるように西村と誠が横に寄り添う。
朝の診察では気持ちも体調も落ち着いている様子なのでと
医師立会いだけでいいだろうということだった。
それぞれがそれぞれ緊張しているのか一言も話しもできないままビルに入り
会見場がある階にエレベーターで上がる。
会見場の横の控室に入ると、隣りの会見場のざわめきが聞こえてくる。
今か今かと待ち構える記者たち。
TVカメラや局のアナウンサーや記者たちがその部屋で打ち合わせをしている様子が
手に取るように聞こえてくる。
少し震えている弓弦の手を握る西村。誠もそばにいて弓弦の緊張がわかるのか
耳元で大丈夫だとささやいている。
その後ろ姿を原田氏が見ていたのだけれど、その見つめる視線がやさしかった。
原田氏のその優しく見つめる姿は、
孫を送り出すためのさみしいがうれしいという複雑な感情も含まれているのだろう。
「すみません。記者会見が11時からなのですが
ただいま10時半前ですけど、待ちも押していますので
記者会見を始めたいと思っていますが、皆さん大丈夫ですか?」
「大丈夫だろう。なぁ、皆さん。」
「では記者会見の説明ですが初めに事件の事での会見となります。
警視庁捜査一課の三上刑事ともう一人の方が出ていきます。
で、事件発生からこれまでの事の話がありましてそのあとに川上社長山本社長。
西村正弘さん橋本翔太さんそして原田弓弦さん。壇上に上がっていただきます。
事件当事者となる西村さん橋本さん原田さんに質問が飛びますが
三上さんたちとも話をされてたように、答えられて結構です。
特に原田さん、西村さんにはかなりな質問が飛んできますが
答えられる部分だけお答え願えればそれでいいです。」
「わかりました。」
「そして、事件の事については三上さんが閉められます。
まだ捜査がきちんと終わっていないので、
怪我をして原田さんが無事帰ってきたということろまでの話での記者会見です。
そして、それが終わった後西村さんと原田さんの婚約記者会見となります。
事件の記者会見が終わったら山本社長と橋本翔太さんは袖にはけてください。
それと同時に吹奏楽連盟会長原田さん、壇上に上がってください。
はじめに西村正弘さんと原田さんの婚約に関しての発表とアナウンスが入ります。
それから、西村さんの自己紹介と原田さんとのなれそめを簡単でいいですから
記者の質問も飛び交うでしょうが簡単にお願いします。
それから、原田さんが弓弦さんのさんの生い立ちの話をお願いします。
その間、弓弦さんの方にも質問が飛ぶでしょうが笑ってごまかされてて大丈夫です(笑)
きちんとおじい様である原田氏が話をいたします。
それが終わってから弓弦さん西村さんを交えてのあいさつをお願いします。」
「なんだか緊張してきた。あたし大丈夫かな・・・・・。」
「みんながいる大丈夫さ。」
「大丈夫です、少し早いですが長引くことも考えていきましょう。皆さん大丈夫ですよね?」
「あぁ、わしも大丈夫じゃ。」
「俺も。さぁ行きましょう。何もやましい事での記者会見じゃないもん。」
「そうだな。翔太の言う通りさ。後の婚約発表までお祝い古語じゃないか。
こんな晴れ晴れしい記者会見はない。堂々と行こう。」
「では。記者会見に入ります。」
では、記者会見を始めます。
呼ばれる順に壇上へおあがりください。
まず、警視庁捜査一課三上刑事さん。木村刑事さん。
M´scompany社長山本社長。unionMartin橋本翔太さん。
川上事務所社長川上社長。西村正弘さん。原田弓弦さん。
今回の事件に関しまして、警視庁捜査一課三上刑事より事件の大まかな内容を。
☆彡
三上です。よろしくお願いします。
この事件銀座UFJ銀行銀座支店強盗傷害事件に関しましての報告を。
9月3日土曜におきました事件。
犯人グループは広域暴力団組織陣内組の関係者で
岩崎源一郎(58歳)大牟田雄一郎(42歳)川本純一(42歳)
広川順平(26歳)高橋和哉(26歳)本村慎吾(25歳)と判明しました。
陣内組組長の片桐はその犯行には加担していないと言い張っておりますが
まだその事実ははっきりはしておりません。
しかし、盗まれた6億がすべてに等しいほどに焼けているので
現実どこまでが共謀者なのかがまだ不明のままです。
始めは5人と思われていた犯人グループですが
9月11日日曜の早朝XX線で激突し炎上した車の事故が
その犯人グループの車なのだったが公園で西村さんら3人が襲われ
原田さんがさらわれていった件についてお話ししましょう。
それは私木村より。
強盗事件が発生した時は、公園で行われていたチャリティーコンサート会場なのですが
犯人が散り散りに逃げて行方が分からなくなった時点でコンサートを
取りやめてもらい片づけをしていた時に犯人グループは人質を物色。
公園にいた西村正弘さんに避難しようと言って話をしていた橋本翔太さんと
原田弓弦さんら三人に襲いかかり発砲、西村正弘さんが重体
橋本翔太さんが重傷をおい、原田弓弦さんがさらわれました。
公園のそばに横付けしてあったワンボックスの車にに押し込まれ、3台のバイクと逃走。
現場には`追跡すると女を殺し捨てていくぞ´と言われ、人命優先のために、
警官らは手出しができずに追跡を断念。また私服警官らは追いかけたが
バイク3台が、追跡を妨害。行方が分からなくなった。
あとでわかったことだが、そこから5分圏内にある立体駐車場にはいり
車を乗り換え、逃走。もちろんバイク3台と初めの車は盗難車であり
また、乗り換えた車も盗難車ということがわかっております。
京橋JCTより高速にのり、江戸橋JCTから神田橋JCTを通り
千鳥ヶ淵の方ね抜け内堀通りより三宅坂JCTでもどり
中央道に向かって走って行ったと思われます。各JCTのカメラを確認しました。
でそのまま長野方面へ向かい諏訪で降りた模様です。
犯人が使ったと思われる逃走車両はすべて盗難車で立体駐車場に放置した1台、
長野の隠れ家まで運転し炎上させた1台の計2台です。加工をしてありました。
立体駐車場に乗り捨てた車は車両ナンバーを取り替えて偽造してあり
車体の色も塗装し直した形跡がありました。
これは原田さんへ記憶をたどってもらったことと犯人たちの行動を
追跡かけたうえで判明したことです。原田さんにはご協力感謝しております。
まず事件があり銀座から逃亡するにあたり、車を乗り換えたのですが
その車は長野県諏訪ICで降り諏訪郡富士見町の山間にある
岩崎の実家に立ち寄り、ガレージで加工をそこでもした模様です。
炎上した車種で時間と状況を加味したうえで高速道路での事後追跡をかけたところ
原田さんの言われているような証言と一致する車がありそれを調べました。
岩崎の実家のガレージにはバスなどに使用されるラッピング塗装幕があり
何か燃やした形跡もありました。
誘拐したその日には都内を出たと考えられます。
原田さんの証言だと、その長野で一泊した感じですね。
翌朝、都内まで戻ってきているのではないでしょうか。
高橋、広川、本村3人は陣内組関係のスナックで働いており
3人とも自分の休み以外はきちんと出勤しておりました。
ただ、その日だけは3人一緒に休んでいます。
そして戻ってきた後の都内での潜伏先は本村が住んでいたと思われるマンションなんですが
原田さんが言われていた通りやはり潜伏先は都内だったと判明しました。
その場所はあきる野市内のマンションで、当初原田さんが言われていた
時間を教える時報代わりのサイレンが鳴るところで探し絞り込み。
そして、監禁されている時にそのマンションには近所の警官が
防犯のための警戒訪問をしてた建物のの一つと判明しました。
部屋を調べたところ、確かに本村が借りていたマンションで
引っ越すという予定も本当だったようです。計画的犯行だと、思われますね。
そのマンションの本村が借りていた部屋の一室から
原田さんの血痕と思われるものが検出され、隠れ家だったと特定しました。
ここからは私が。
事故があった当日。9月の11日日曜早朝。
原田さんを連れ、マンションを出たのは夜が明ける前だと推測。
秋川沿いを下り、昭島市内に入るとまた多摩川沿いを走った模様。
府中まで来ると結構明るくなってきたかとは思うのですが
ここまでの間で目撃証言が出ませんでした。
犯人たちは事件を起こし逃亡するまでを綿密に計画した模様ですね。
ただ、人質を取り逃亡することは計画に入ってたかどうかはわかりません。
また原田さんを誘拐するということも計画になかにあったかどうかは
犯人全員死亡しているため確認はできません。
しかし。あぁ、原田さん。これはお話してもいいでしょうか?
えぇ、きっと調べてつついてくると思うのでどうぞ。遠慮なく。
公園で彼らが話しているのを見つけ、人質を物色していたのを
彼らの中の女性、つまり原田さんに目をつけ人質として誘拐した。
その犯人の中にいた高橋和哉ですが広川本村と同様原田弓弦さんと大学が同じで
顔を知っていたものと思われます。
原田さん自身も誘拐され自由が利かなかったものの、連れ込まれた
隠れ家のマンションで部屋の中に監禁され見張られていた時に高橋和哉に気づいたそうです。
この高橋は原田のことははじめから知ってたらしい感触があったらしいですが
現状分かりません。
11日日曜の朝、原田さんが車から走行中に突き落されたのは狛江市を過ぎ
世田谷区に入ったすぐ、東名高速の端の下を通り過ぎる時に突き落された。
警ら隊で、夜中のパトロールをしていたパトカーの目撃証言だと
サッカー場を越えるあたりから河川敷が広がりはじめますが
ただ単に突き落すだけでは川に落ちる可能性もある。
うまく突き落としたのでしょう。突き落したのは高橋和哉で
タイミングよく落とした模様。原田さんは怪我を負いましたが
無事に4日後早朝に本人からの連絡で発見しました。
その時パトカーは車から何か不法投棄されたものと思い追跡。
止めようとしたがその車は急にスピードをあげ逃走。
日曜の朝早い時間なので、行きかう車の少なく人もそういなかったために
その時点での遭遇目撃者はいなかったのですが
二子玉川小学校を過ぎ厚木街道を横切りその先で、事故。
長野で加工し逃走してきた車はその場所で大破炎上し全員死亡。
6つの燃え残りで出てきたバッグの中から強奪された紙幣が出てきて
ナンバー確認。確認が取れたことと、原田さんの証言で犯人が一人わかり
そこから他5人判明。そういうわけだ。
この強盗誘拐犯6人全員が死亡のまま書類送検が決まった。
そして西村正弘さん橋本翔太さん原田弓弦さんの傷害事件もこれで終わりだ。
この先、なぜこの6人が強盗をしたのか
6人グループでの単独犯なのかはこれからの捜査になる。
以上、この強盗傷害事件は3人の意向によりこれで終わることとなる。
警察からの発表は以上です。
では、川上社長。
このたびはわが社のタレントが事件に巻き込まれ大変ご心配をおかけしました。
西村が怪我をし、原田が誘拐されたとき正直どうなるかが心配でたまりませんでした。
しかし、怪我をしたとはいえ生きて戻ってきてくれた事に感謝です。
はいっ!質問です!
AA新聞の森本さん。どうぞ。
え?森本さん?森本さん????
弓弦お久しぶり!あ、ごめん。ごめんなさい。
原田さん無事に帰って来れてよかったですね。
でも、高橋が犯人の一人だというのは残念ですが
私は原田さんが無事に帰ってきてくれたことが本当にうれしいのですが
あの。あの時、ばっちりと映ってたあなたの泣き顔。すごく印象的で
すごくきれいで世間のたくさんの人々はドラマか何かの映像だと
勘違いされたのですが、あの表情は??その意味は??
突っ込みますね。森本さん。
それは後程事件としての会見が終わった後でご説明します。
はい!
BK新聞、大石さん。
事件の犯人グループの一人に原田さんと同じ大学を出た人が3人も含まれていますが
それは犯行当時知ってたのではないですか?
公園で殴られ連れて行かれるとき犯人たちは覆面していたのか顔がわからなくて
車に乗せられた時も頭から何かかぶせられたし、目隠しをされてしまった。
連れて行かれてやっと視野を確保できた、つまり目隠しをとってくれたのは
監禁された部屋に入れられた時なんで。
それまでは全く周りのことが見えない状況でした。だから知りません。
あたしが彼だとわかったのは監禁されたマンションに連れて行かれ
殴られ気絶したんですがしばらくして気が付き、部屋で物音を立てたために
その犯人たちに気づかれ、その中の一人が様子を見に来た。その一人が高橋だった。
では、AA新聞の森本さんも知っていますよね?
何をですか?
高橋和哉と原田弓弦さんはお付き合いをされてたってこと。
言いたきゃいえばいい。確かに付き合ってたさ。
だか、彼はあたしを捨てた。捨てたんだ。
ありもしないことを言って回り、あたし自身を貶めた。
彼は一番信用できないとそう思い避けていたさ。
おい、ゆずる。弓弦。
止めないで。言わせて。これは、言わないときっとだめ。
それは森本さんも知っているし、同級の人はみんな知っている。
スキャンダルを追いたいのならば、すべて調べてからにしなっ。
えっと原田さん。
はい、何か。
高橋和哉とのことはわかりました。
相当嫌なことだったんだとは思いますが、彼について少し教えていただけませんか?
高橋の事ですか?
大学時代は活発で真面目だけど少しやんちゃな性格でしたね。
彼の方から付き合おうと言われましたが、
友人らで賭け事をしていたらしくてそれが頭にきて別れたんですが、
彼の方もバツが悪くてあたしの前にはなかなか顔を見せませんでした。
ラグビーをやってたんですが、途中からやめたみたいですね。
彼の両親は優しく良い方々でしたが、卒業式には誰も来られなかった。
皆さんご両親かどちらかが来てたんですが彼には誰も来てなかったみたいですよ。
あたしは逆に両親がいなかったために伯父と伯母が来てくださいました。
だから誰か来ているのであればそういう集まりの輪ができ、
誰も来てなかった人たちは、そそくさと帰っていく後姿と
校門ではっきりと分かれましたから。
あたしはその一人で帰っていく後姿だけしか覚えていません。
卒業して彼がどんな人生を歩んだかは知りませんが
刑事さんが言った彼の仕事と今回の事で彼は悲しい人生をそれから送ったんだと
そう思いました。
しかし彼は。
走行中の車からあたしを河川敷に向かって突き落したのは彼です。
その時に言ってました。彼なりに大学時代のことを気にしていたみたいで。
すまなかったとも言いたかったのでしょう。
彼はあたしを突き落す前に`生きて帰れ´と背中を押してくれました。
そんな彼が亡くなってしまったことは悲しい事ですが
それは本人の生きてきたこれまでの償いだと思います。
大学時代のことは許されることではありませんが、
今回生きて帰れたのは彼のおかげだとそう信じていたいです。
この気持ちわかりますか?
もしあなたがあたしの立場だったら、同じこと言われて
どう思いますか?それでも、あなたは面白おかしい記事にするために
あることない事脚色して書き上げるために調べ上げますか?
あたしと高橋のことは調べたいなら調べて結構。
その代りあなたの人生をかけていただきます。
弓弦、よく言ったわ。あなたのその言葉はこの間の湘南で少女救出した その心意気だわ。
それが弓弦よね。聞いててあたしもすっきりした。
さぁ落ち着いて。会場の記者の方々で質問は?
西村さんと原田さんの関係についてお聞きしたいのですが。
それはあとでと言ったじゃないですか。
西村さん。ちょっと待って。
お話しします。西村さんもあたしも長崎出身なのですが高校も同じなんです。
同じ吹奏楽部だったのですがあたしが大学入学でこっちに来て、
高校のOG会がありそこで知り合いました。
あたし自身西村さんの存在など知りもしなかったのですがそれからの付き合いですよ。
それだけあたしの口から今言えることです。
橋本君に質問ですがいいですか?
なんでしょう?
どうして西村さんを呼びに行くとき原田さんと行ったんですか?
どうしてって。どうしてって聞かれても、
たまたま、んじゃ行きましょうという流れになっただけで
ちょうどそのチャリコンのステージ。トップバッターが西村さんと原田さんだったんですよね。
で、その出番が終わり西村さんは自分の会社のテントにいってしまったし
俺らはその時にいた秋山さんや槙村さんたちと一緒に`mask´に帰ってきたんですけど
小林オーナーにチャリティーコンサートの事務局から電話が入って
警察からの連絡でチャリコンを中止するように言われたって。
安全が確保出来なければ中止しようとそう言ってたんです。
だから秋山さんに言って俺が西村さんの所に行くと言って行こうとしたんです。
そしたら一人で行くなと言われ、はじめは他の男の人と行くはずだったんですが
原田さんが着替えて出てきたから、んじゃ行こうと言われて
おれもそれじゃって言って二人で迎えに行ったんです。
たまたまです。それに。
橋本君それ以上言っちゃ駄目。それ以降は次の分で。
次の分と言いますと?
次に移るとわかりますよ。そろそろ話題を変えますか、みなさん。
では、記者会見次の話題にうつらさせていただきます。
M'scompany山本社長とunionMartin橋本翔太さんはここで退席となります。
そして、日本吹奏楽連盟会長原田一郎様壇上へどうぞ。
場内がざわめいた。原田とは?と。もしや原田とはと。
原田様こちらの席へ。
では、これより記者会見を始めます。
この記者会見では川上社長、原田一郎氏の立会いのもと
西村正弘さん原田弓弦さんの婚約発表会見を。
ざわめく会見場、記者たちが前に押し詰める。
皆様お静かに。これより婚約発表の記者会見へと移ります。
皆様引き続きわたくし西村正弘と原田弓弦の私事なのですが
そのことでそのまま残っていただきありがとうございます。
この事件がきっかけというわけではないのですが
私は原田さんにはずいぶん前からプロポーズしてきたのですが
なかなか返事をもらえずに・・・・・。
西村さん自身はかなり前から原田さんにはプロポーズしていたということですね?
高校のOG会で知り合いすごく気になっていました。
しかし、歳の差が15もあるんですよね。当たり前にはきっと
うてあってもらえないと。あぁ長崎弁で相手にしてもらえないってことです。
当の本人も、全然俺のことを知らなかったし話してても普通に
本当に普通の人と話すような感じでしかなかったんですよ。
で、俺はもっと彼女を知りたいと思い勤めている`mask´に通い詰めたし
俺の楽曲。つまりアルバムとかにシークレットメンバーという形で参加してもらったり
そうやってお互いの距離を詰めてより近くにと詰めてきました。
そんな中で何度も何度もしてきましたよ。
で、やっといい返事をもらったというわけですね?
えぇ。やっとの思いで返事をもらいました。でもその直後に事件でしょう。
西村さんとしては落ち着かない日々でしたね。
えぇ。落ち着かないというか本当にきつかったし辛かったですよ。
返事がもらえたのはいつだったんですか?
彼女から返事をもらったのはこの事件の前々日でした。
弓弦は、チャリコンのために勤めている`mask´から代表5人で
unionMartinのコピーを披露するのに沖縄に行って練習をしてきたんですが、
その沖縄から帰って来た弓弦と打ち合わせをしていた時に
思い切って再度プロポーズし返事をもらったという次第で。
その嬉しい気持ちのままのステージに立ったわけですが
その直後の事件でしょう。もう気が気ではなかったですよ。
彼女が犯人たちから解放され、自分の携帯で俺にかけてきたときは
あわてましたよ。すごくあわてました。
原田さんは解放された後、自分で西村さんに連絡をよこしたのですか?
あたし自分で自分の携帯からかけました。
あたしの携帯は不在着信とメール受信の点滅があって
その不在着信すべてが西村さんと兄からでした。
誘拐された直後は携帯がどこにあるかわからなかったのですが
車から突き落とされ後、助けてくれた人があなたが握りしめていたものだと言って
渡されたのが自分の携帯で。電池の残量が少なくなってて
いつ電源が落ちるかわからない状態だったんですが、一縷の願いを込めて
かけました。つながってという思いいっぱいで。
西村さんにはすぐにつながったのですか?
いえ、あたしが解放され突き落されそれから4日後だったのですが
早い時間にあたしが発見された河川敷の公園に、誰かが連れて行ってくれて
かなり早い時間でした、かすかに明るくなってきた河川敷の公園に
4人のおじ様が移動させてくれて。
それは?どなたか覚えてはいないのでしょうか?
覚えていないというよりも。自分たちのことは決してほかの人には
話さないでときつく口止めされましたが。
彼らはかなり年を召された方々で、あたしが突き落とされ
大きな怪我をし気を失っているところを助けてくださいました。
その方々のもとで3日気が付かず看病され3日目の夜というか夕方というか
それぐらいの時間にあたしが気が付いたんです。
すごく優しく良かったねとあたしを看病してくださった方々。
その彼らが彼らのすみかから遠く離れたあの公園まであたしを運んでくれて
ただ、表だって顔を出せる自分たちではないからと言って
あたしにも顔はよく見せてはくれませんでした。住処から公園まで行くときも
目隠しをしてどこをどう歩いたかはわからないように。
公園についてベンチに座らされて、彼らはあたしに携帯を持たせ離れていきました。
どこに消えて行かれたかは全く分かりません。
で、携帯の不在着信に電話を入れたってことです。
まっすぐに西村さんにかけられたのですね。
えぇ。こんなに朝早くだけど出てくれるかどうかは全く分からなかった。
でも、彼ならきっとと思って何度かベルを鳴らし。
すぐ出てくれましたか?
いえ、朝も早い時間。
多分4時5時ぐらいだったと思いますしまだ寝ているのにと思って。
かけてはすぐ切りました。
ずっと出るまでとは頑張らなかったのですか?
電池の残量が切れてしまいそうだったので。
西村さんはそのベルにすぐ気づきましたか?
寝ていたのですぐというわけではなかったのですが
携帯を充電していたので手元になくて、携帯が鳴った瞬間飛び起きたのですが
すぐ切れてしまって。でも、着信を見ると弓弦でしょう。
すぐにかけ直しました。かけ直して弓弦の声を聴いた瞬間
場所を聞き、それを聞き取るか聞き取れないぐらいで切れたので。
あわてて看護師さんを呼び、タクシーで聞こえた河川敷という言葉を頼りに探し
電話から1時間ちょっとでしたか、6時過ぎに発見しまして。
急な展開だったんですね。でも、無事に見つかった時はうれしかったでしょう?
えぇ。もちろん。もちろん生涯で一番うれしかったですよ。
結婚を約束したのにと思うと、生きて見つかったことがすごくうれしかった。
今回発表しようと思ったのは?
事件の記者会見もあるし、きっとあの連れ去られたときのことを突っ込まれると
誰かがきっと嗅ぎ付けるしどうせならと。
だって、人生の中で喜ばしい事でしょう?なぜ隠す必要があるんですか?
やましい事なんて何にもないし、これってお祝いごとでしょう?
皆さんも心からお祝いしてくださいね?わかってますか?
原田さん。原田さんにお聞きしたいのですが。
なんでしょう?
西村さんからのプロポーズをかなりな期間断ってたみたいですが
どうしてこんなに愛されているのにお断りしつづけたんですか?
なんでって言われても。
知り合ったのは18ですよ?大学1年でその夏にあった高校のOG会
そこで知り合ったばっかりなのに、誰かも知らない人と付き合えますか?
そのあとあたしが勤める`mask´にご友人たちと来られて
有名な人なんだと知ったんですよね。
それにこんなに有名だとファンも多いでしょう?
あたし初めは遊ばれてるのかとも思いましたもん。
でも、何かと仕事を手伝ってとお願いされるようになって
一緒に居る時間も増えてきて彼自身を知っていくようになりました。
ただ、彼は一個人の前にファンの方々はたくさんいる有名人ですから
あたしには縁のない人だと一線を引いていたんですよね。
しかし彼はあたしにずっとプロポーズしてくれてたんですよ。
そこまで思われて断る理由はないですよね。
いろいろとあったのでしょうが、西村さんにお聞きします。
なんでしょう?
プロポーズした時の言葉は?
言うんですか?
えぇ。お聞きしたい。ぜひ、よろしければ。
言うのか?別に世間一般で使われている言葉ですよ(笑)
ぜひ。
言わないでよ?恥ずかしいし、
あの言葉はあたしにくれた言葉だから誰にも言ってほしくない。
だそうですので(笑)
皆さんお聞きしたいですよね?
その拍手は何ですか?(笑)
言うん?
弓弦仕方ないぞ、言わないとお開きにはならない。
`俺と共に生きることを約束してくれ。 俺は弓弦と一緒に人生を歩みたい。´ですよ。
全く何を言わせるんですかこの記者さんたちは。
まぁ西村さんが困っている様子なので質問を変えましょう。
原田弓弦さんん隣りにおられる方は・・・・・。
わしか。わしは日本吹奏楽連盟原田一郎、原田弓弦の祖父にあたる。
孫の婚約衣発表じゃ、一緒におらんでどうする。
というと、原田弓弦さんは原田さんの一人息子事故で亡くなられた
バイオリニスト原田孝太郎さんの一人娘・・・・・ということですか?
あぁ、その通りじゃ。孝太郎の時は皆様にもお世話になったのぉ。
この場を借りてお礼が言いたい。ありがとうございます。
すると西村さんはすごい人を手に入れたと?
俺も原田氏に会うまでは何も知らなかったんですよね。
あはははは、弓弦は何も自分のことは話ししないからのぉ。
まぁ、この記者会見に出てきたのは孫の事だけなので。
ただ、わしの孫というだけで君らは納得していただけるのかの?
納得するも何も俺はこの弓弦さんをきちんと嫁にいただきますと
この間ご挨拶させていただいたし、他の人に何も言われることはないと思うのですが。
そうじゃな。何か質問がある人はおらんか?
おらんのであればこのままで記者会見を終わりたいのじゃが。
はい!原田さんの怪我の具合もなんですが、退院は?
そして川上社長の所でマネージメント契約をされたということですが
退院されて結婚を控えておられるのに仕事は?
そのことですか。
一応退院はまだ先の話しですが、タレントとしての仕事は
少し入ってきているようです。もちろん西村さんの楽曲の手伝いの仕事もありますし
少しではありますが活動は始まっていくと思います。
ただ、あたしの本業は`mask´のバーテンダーですので
これまでも、これから先も本業に差し障りのない程度に
この芸能活動をしていくと思います。
あの。
西村さん。
なんでしょう?
これから共に歩むお二人ですが。。。。今後は?
記者の方々も記事にされるのだろうけれど、弓弦は本業を持つタレントです。
そして弓弦は俺がすべて自慢できる存在です。この弓弦の本業、
バーテンダーの仕事ですが弓弦天性の仕事だと俺は思っています。
自慢できる弓弦の仕事です。
弓弦は20歳でバーテンダーの大会で優勝したやつですよ?
それから一生懸命に今勤めている`mask´で自分の地位と居場所を作り上げた
根性あるバーテンダーです。こんな自慢できる嫁を貰うのですから
俺も頑張らないとと思っていますよ。
負けられませんね。(笑)
でも今回は婚約発表ということですが結婚式は?
退院して仕事が詰め込まれててバタバタするとは思うのですが
お互いが仕事に一段落ついた所で式を挙げたいと思っております。
ではもう少し先の話になるということですか?
そうですね。
お子さんは?
あぁ、その話は。
西村さんいいよ。あたしから話すわ。
弓弦話せるところまででいいんだぞ?
あの、あたしは高校2年の時に子宮癌を患い手術をしております。
そしてその手術をした後事件に巻き込まれまして、
せっかく手術をしていただいたのに事件でこの子宮の所を真一文字に切り裂かれまして
伊藤先生に申し訳ないのですがせっかく妊娠できるように手術をしていただいたのに
妊娠できる状態には回復できなかった。
つまり産むことができない体になってしまったんです。
西村さんには申し訳ないのですが、彼の子供はあたしには無理です。
無理するな。それを含めて弓弦のすべてを俺が引き受けると言ったんだ。
こんなつらい話をさせてすまない。
そしてあなたたちもこの話を聞いてどう思ったかはわからないが
弓弦の話はここまでで終わりにしていただこう。
西村さんはそれで?それでも弓弦さんがいいと。
もちろんだ。そうでないとこの婚約発表はない。
記者会見はこれで終わろう。終わりたいが。
婚約発表の記者会見は終わってもいいですか?
あと質問があれば、川上社長を通じて連絡をお願いします。
では、これで終わります。
会場では記者らが立ち上がりカメラマンが西村達に近づき写真を撮る。
西村は弓弦の肩を抱きカメラに向く。その横に原田氏が。
3人で幸せな顔をして写真に写り込んだ。
TVカメラもその様子を撮り続け会見場から出ていく間際までを中継した。
会場を出て病院に戻る西村と弓弦。そして原田氏と担当医の大久保。
そして、倒れたら困ると思いついてきていた看護師たち。
川上社長とマネージャーの山田と渡辺。誠。疲れた顔をして病室に戻る。
山本社長と翔太は会社の方へ戻っていった。
「先生、同席ありがとうございました。
これで少しはすっきりゆっくりとできることでしょう。」
「そうですなぁ、ただ原田君があそこまで。」
「疲れた、先生。でもすっきりしたぁ。
お爺ちゃんも疲れたでしょう。少し休んで。」
「あぁ、ありがとうなぁ。」
「原田さん、もっともっときちんと原田さんの人生を教えておいてくださいね。
そうでないと、自分が困りますから。(笑)」
「あぁ、後でじっくりと聞かせてあげるよ。」
「んじゃ、事務所に戻りますけど。」
「あぁ、落ち着ついたら西村さんと一緒に夕方顔を出すから。」
「社長。」
「なんだね?原田君。」
「落ち着いたら西村さんと一緒に事務所に行くので渡辺さんとそして
ご迷惑かけた事務所の皆さんにきちんと謝らなければいけない、そして。
そしてこれからお世話になりますときちんと挨拶を。」
「あぁ、待っているよ。とりあえず病室でゆっくりとして
そして身支度を整えてから。待っているよ。初出社。」
「すみません社長。あとで行きます。」
「あぁ。」
「お爺ちゃん、ごめんね。そしてありがとう。」
「なんてこたぁない、かわいい孫のためじゃ。」
「お爺ちゃんがハラハラして横にいたのわかってたんだけどさ
ぷちっと来ちゃって。でも、全然大丈夫だったでしょ?」
「そうじゃな、自分できちんと話せたことは良い事じゃが。
どうなるか心配じゃったよ。」
「弓弦さ、お前切れそうになったろ。後ろで怖かったぞ。
切れたら止めに入らなきゃいけないだろうが
なんせお前が切れたところは、お爺さんも西村さんも見たことないからな。」
「誠さんそうなの?俺まだ弓弦がまじ切れしたところ見れてない?」
「多分な。怖いぞ・・・・結婚するんだろうから、後で知ることとなるんだろうがな(笑)」
「オーナーも店に戻ったんだろうしおれもそろそろ。」
「お兄ちゃんも、明後日の夜には顔を出すからみんなによろしく。」
「あぁ、待ってるよ。んじゃな。」
会見が終わり15時を指す時計を見上げる西村と弓弦。
疲れているお爺ちゃんをタクシー止めて、病院から自宅まで送りだし
医務局で外出許可をとり、身支度を整える。
「弓弦は大丈夫か?疲れてないか?」
「大丈夫。疲れているけど、そんなでもない。」
「んじゃ、外出許可も出したし20時までに戻ってくりゃいいんだよね。」
「あぁ。」
「んじゃ行くか。」
着替えた弓弦は久しぶりに母の形見の車に乗り込んだ。
それもまだ右足がしっかりと治っていないから運転はできない弓弦。
自分の車なのに、助手席に深く座り込み運転する西村の横顔を見つめる。
なんとなくうれしいようで、堂々と外に出れるのがくすぐったい様な。
「どうかしたか?寒いのか?」
「いや、大丈夫。大丈夫よ。
でも、まさか助手席で西村さんの顔を見ながら目的地まで行けるなんて。」
「嬉しいのか?嬉しいと思っていてくれると
俺もうれしいけど。て言うか、弓弦を堂々と隣に乗せて運転できるのが
それがうれしい。」
「なんだか恥ずかしいなぁ。」
「さぁ、もうすぐ着くぞ。」
「なんだか緊張するなぁ。」
事務所についた。入口には警備員が二人立っているのだけれど
車の運転席に西村の顔を確認すると地下の駐車場へ誘導し事務所に連絡を入れた。
「こちら1F警備室。西村さんが原田さんを連れて戻られました。」
「そうか、わかった。」
そういうと社内にいる人を3階の会議室に集めた。そして川上は
地下の駐車場から通じる警備員のいるゲートに迎えに出た。
「西村君お帰り。そして原田さん、ようこそ。
ここが君と契約した川上エンタープライズ本社だ。」
「すごい。すごく大きな建物。」
「あははははは。西村君やほかのみんなががんばってくれたおかげで
社屋も大きくなった。みんなのおかげだよ。」
「さぁ、弓弦。記者会見が終わったんだ。人前に出る度胸もついただろう。
みんなに挨拶だ。」
「あぁ、頑張るよ。」
エレベーターで直接3階まで上がり、会議室に通される。
西村と弓弦が付いた時に、社内放で全員呼び集められていたので
その部屋にはすごく人が集まっていた。
「みなさん。着席して。
改めて、西村正弘君と原田弓弦さんだ。事件後怪我も少しづつよくなり
また警察の方でもいったん終了という形で終わったのでその報告でこちらに寄られた。」
「西村です。このたびは皆さんをお騒がせしたこと本当に申し訳ない。
心からお詫び申し上げます。
ただ、事件に巻き込まれたとはいえ、怪我をして入院して迷惑かけてきたこと、
これから奮起して取り戻すように頑張るので、よろしくお願いします。
そして、この度俺は結婚することを決めました。
横にいる原田弓弦さんです、みんなが知っている通り
5年前から俺のことをサポートしてくれているメンバーの一人だった。
だから知っている人は知っていたよな。
そして俺の弓弦に対する気持ちも。事件とは関係なかったのだけれど
重なったために隠せないと思い発表した。
これからも俺のチームのメンバーとして活躍していくし
川上社長からも伝えられているだろうがマネージメント契約も済ませている。
俺らと同じここのタレントの一人となって戻ってきた。
そしてずっと仲間だ。そんな原田をよろしく頼む。
まだ婚約ってだけで先のことはわからないがきちんと順を踏んで
結婚まで持っていきたいと思っている。
彼女は基本`mask´でバーテンダーが本業なのでそれを中心とした仕事周りとなるが
それも俺からよろしくお願いしたい。」
「あ。えっと。
原田弓弦です、このたびマネージメント契約した直後に事件に巻き込まれ
多大にご迷惑おかけしたこと申し訳ありませんでした。
でも、生きて帰ってこれたということうれしく思い
また皆様からの温かい声をいただきありがとうございました。
今回、まだ外出許可という形だけでの外出なので
仕事をするには至りませんが、きっと皆様にいい形での
何かをやりとげれるようにがんばっていきたいと思っております。
そして、これまではフリーだったのですが西村さんをサポートしてきていました。
それがこれから先はここの会社のタレントとしてそして仲間として
活動することとなり嬉しく思います。
そんな中、皆様には申し訳ないのですが西村さんとの結婚という形を
とらせていただくのが申し訳なくって。仕事でもサポートしていくこと、
プライベートでも西村さんを支えていくこと皆様の前でもお約束させていただきます。
人として未熟なあたしですが、これからもよろしくお願いします。
結婚式までは皆様にどんなご迷惑などかけてしまうかわかりませんが
皆様と一緒に仲間として頑張っていきたいのでよろしくお願いします。」
「あー。そして、もう西村の方は仕事も順調にこなし始めているが
原田君の方はまだ入院中ということで退院後のスケジュールは
少しづつ組み上げていくこととする。
それでだ、原田君のマネージャーだが執事渡辺で本決まりとするが
それでいいか?みんな」
「執事渡辺???(笑)」
「渡辺は他のみんなからもそう呼ばれているんだ。」
「じゃ、執事渡辺って呼ぼうっと(笑)」
「あの、原田さん。」
「なに?執事渡辺。」
「執事をつけなくても、渡辺って呼んでいいんじゃじゃいですか?
そのほうがより執事らしいし。」
「執事になりきっているねぇ、渡辺ぇ。」
「いや、マネージャーと言えども執事でしょ。俺はそういうつもりでいますけど?」
「んだね。本決まりだそうだから、これからよろしくお願いしますよ。渡辺さん。」
「こちらこそ、お手柔らかに(笑)」
「で、西村君。原田さんを売り出すための会議を退院後にしたいと思っていたのだが。
あぁ、ここで発表することがある。みんなも話しを聞いてくれ。」
「ここのいる原田弓弦君だが、売り出す時にはYUZURUというネームで出る。
事件前に結んだ契約があるだろう。
M'scompanyさんとの契約があり、来月発売のunionMartinの
2枚組アルバム`世界´で、YUZURUとして参加している。
2枚組CDのジャケットとフォトブックにYUZURUとして。
そして弓弦君の仕事仲間の相原誠君、岩城貴志君、山崎真志君
佐々木俊哉君の4名が参加している。
これから先、YUZURUと同じ扱いでこの4人にも仕事が来た場合
うちで面倒を見ることとなるのでそこの所もよろしく頼む。
あと、M'scompanyの秋山君からYUZURUを指名での仕事の話が来ている。
これは、歌手としての仕事依頼だそうだ。
あとこれは何年か先の話になるのだ追うが推理小説家久原譲氏からも映画に出演の依頼が来た。
この3件でのYUZURUに対する仕事が来ているので
以後、YUZURUに対して仕事の連絡が来た場合、もしくは仕事の依頼が来た場合
マネージャーの渡辺に連絡するように。以上だ。」
「では、外出許可の時間も都合があるので、打ち合わせに入りたいのですがいいでしょうか?」
「あぁ、そうしようか。みんな、これからもこの二人をよろしく頼む。
解散しようか、それぞれの部署に戻るように。」
「西村君原田君。こっちに。」
「いこうか。」
会議室を出てもう一つの小さい会議室の方へ移った二人。
そこにはすでに山本社長と秋山さんとが待っていた。
「おかえり、弓弦さん。」
「ありがとう、社長も。副社長も。忙しいのに、ありがとうございます。」
「いや、気にしない。さっきの記者会見お疲れ様だったな。
君の一面を見れて頼もしく思ったよ。」
「俺もTVで見てました。気風良かったよなぁ弓弦さん。
西村さんのその時の顔がさびっくり顔でさ(笑)」
「そんなに言わないでよ。あれでも抑えたつもりよ?
すごく腹が立ってたんだから。」
「それだけのこと言ってたんだもん、弓弦さんがあぁ言っても当たり前だよ。」
「あの記者さぁ、結構際どく書くんだよねぇ。嫌われ者なんだよな。
でもあの`きちんと調べろ´は聞いたよなぁ。」
「多分、きっと仕返しみたいになんだかんだかくんだろうなあの記者は。」
「書くなら書けばいいさ、本当のことはきちんと知ってくれる人がいればそれでいい。」
「本当に原田君の性格は竹を割ったような性格だな。(笑)」
「で、打ち合わせというのは?」
「あぁ、私が秋山君にどうしてもと原田君との仕事を切望されてな。」
「あの先に言っておきますね。
契約があると言えども、一番はあたしが本業のバーテンダーを
続けられている上での仕事ですからね?
長い期間休むとか辞めなければいけなくなるという仕事は
基本的にお断りせざろうえません。」
「今回私たちからの仕事というのは、歌う仕事だ。
だから今すぐにでもその打ち合わせをしたいところなのだが
そのための時間は外出許可で出てこれる時間配分が取れると思うのだけれど。」
「歌うんですか?あたしが?」
「そういう風に言わない、弓弦さん。
沖縄できちんと言ったでしょう?弓弦さんはきちんと発生の練習をすれば
すごい歌姫だって。西村さんも知っていますよね?」
「あぁ、こいつ3オクターブ以上出るだろう。しっかりと練習すれば
世界も狙えると俺は思っているよ。だけど本人がなぁ(笑)」
「弓弦さん、今度俺らK'brotherでアルバムを出す。
unionMartinでは、2次元出演だけれど俺らの所では声で出てほしい。
アルバム曲18曲。その中にそれぞれ5人が自分だけのために作った歌がある。
そのソロに参加をしてほしいんだ。君の参加が僕たちのグループでも欲しいんだ。
アルバムの中だけの曲だから大丈夫な参加だろ?
顔も出ないし、ソロ曲とはいってもその曲での単独行動はないし
どうだろう。声だけの参加。」
「声だけの参加・・・・・・・。あたしは歌い手としての勉強はしていないから
そこから勉強しなければならない。だから、時間がどうか・・・・。」
「沖縄で聞いた分ではうちの副社長も全然OKだって言ってたぞ。
だから秋山君の話を、進めたくて川上社長にもすぐに連絡を取ったんだ。」
「原田君、どうだね?この仕事初仕事になるが
退院してからでなくとも気分転換に外出して練習してと。
そして君が活動するうえでのネームはYUZURUと決めた。
その名前での参加となる。無理ではないだろう?西村君はどうかね?」
「いいんじゃないですか?弓弦に無理がかかるわけじゃない。
初めての仕事にしてはかなり贅沢な仕事ですよ?
俺の方はまだ俺が忙しいから先の話しだけど。こんなにいい話はないと思うけど?」
「原田君。」
「弓弦さん、だめですか?」
「きちんと勉強します。それでだめだと思われたら仕方がないですが
川上社長。この仕事お受けしたいと思います。」
「やった!弓弦さん。」
「頑張れ、初仕事。」
「本当はなぁ・・・・(笑)うちの社にほしかったんだけどな。」
「山本社長、これだけは原田君だけは譲れませんよ(笑)」
「渡辺さん。」
「なんでしょう。」
「あたしが入院している間に、秋山さんと仕事の話を詰めてください。
みっともなくないようにあたしがんばるから。」
「承知しました。では、秋山さん。よろしくお願いします。
入院している間でしなければいけないこととか詳しいことは
わたくし渡辺がきっちりとしますから。」
「それともう翔太君は帰りましたか?」
「なんで?弓弦さん。」
「これは、ここだけのお話として話をしてもいいのでしょうか?」
「ここだけというと?」
「西村さんはあたしと結婚するので、知っててもいいんですけど。」
「社長?社長は知っているんですか?」
「秋山君の前で話をしてもいいのか?」
「誰にも言わないでくれますか?秋山さん。」
「えぇ、でも何の話なんですか?」
「山本社長と川上社長にはもうお話が行っている久原護氏の映画。
あたしには久原氏本人からこういう話でオファーをかけると言われ
社長たちより先に耳には入っていました。
まぁ、久原様からはまだまだあと何年か先の話になるがと。
もちろんバーでのお得意様でこれまでもあたしを起用しての
推理小説を書かれている久原氏なのですよね。
で、今回長年の久原氏の夢で自分で描いた作品を
自分で監督をして作り上げたいといわれ、今回の話となったらしいです。
それでなんですが山本社長の所の翔太君と大川さんに
オファーのお話が来ているとは思うのですが、もうお二人にはお話をされましたか?」
「いや、まだだよ。まだ話をいただいただけで、本人たちにはまだ。
あれだろ?秋山君がいるところで話をしてもいいのか?」
「隠すことはできないでしょう?明日社長うちに来るのでしょう?」
「あぁ、そのつもりだ。」
「何の話ですか?」
「受付嬢の山本ひかり君。つまり原田弓弦君のいとこ。
そしてunionMartinのリーダー元原達也君。」
「つまり、付き合っているということですか?それは別にいいんじゃないんですか?
本人たちがきちんと場を踏んで付き合っていくということは。」
「しかしだ。しかし、この久原氏の映画のオファー。
翔太と大川に来ているだけではなく、山本君と原田君にも来ているということ。
久原氏の映画の内容だが、ラブシーンが際どく多い内容だ。
私が先に内容を確認するために本を読ませていただいたよ。
本当にラブシーンが多いなぁ。
オファーが翔太と大川、山本君と原田君が中心となると
どの組み合わせでその場面をどうするか。」
「いや、それは仕事は仕事でしょう?」
「秋山さん、明日山本社長と元原君がうちに来るのは
山本社長は親代わりで、ひかりに結婚の申し込みそして
ひかりの両親にひかりをくださいと言いに行くんだよね。」
「それって・・・・・・。おいおい、俺よりも先にあいつは結婚するということなのか?」
「山本社長の所へのオファーは翔太君大川さんそしてひかりとなるわけだが
ひかり、婚約結婚となるのに他の人とラヴシーンやれる神経もってると思う?」
「ないと思うなぁ・・・・・・。いや、無いな。
可哀想だが悲しい気持ちでスクリーンに映るか役を辞退するか
どっちかになるなぁ。」
「たださ、あたしは西村さんと結婚するけどタレント契約するからOKでという考え方は無しね。」
「なんで?」
「あたしはタレントとして契約してこの世界に飛び込む。
仕事としていろんなことがあることは承知の上で契約をし仕事を受けることになる。
だからどんなことでも仕事でできることならばやるよ?
それがあたしに対する仕事なんだもの。
でもねあたしが問題として気にしていることはさ
秋山さんも西村さんも大川さんも翔太君も
みんないろんな仕事を受けるタレントだということ。
だけど、ひかりは山本社長の会社M'scompanyの受付嬢。
タレントじゃないんだよね。
いくら好条件で映画のオファーを受けても彼女は一塊の社員なんだよね。
タレントじゃない。そんな彼女にラヴシーンをさせれる?
いくら仕事と言ってもタレントではない会社員で結婚を控えて神経質な彼女に
それをさせていいのかどうかということ。」
「弓弦さんはさせたい?一緒に映画の仕事をしたいと思っているの?」
「あたしは繊細な神経のひかりにはあまりさせたくはない。
結婚する人以外で演技とはいえ関係をうかがわせることはしたくないと思うし。
あたしが一般人でそういう立場になったら
好きな人愛している人以外の人とのラヴシーンはしたくないし
映像として映りたくはない。」
「とりあえず、久原氏がオファーをというだけでの単純な映画の話ってだけで
ひかりちゃんには話を進めれないな。」
「山本社長、明日元原君と来られる時にその話をしませんか?
うちの伯父も伯母もひかりの結婚には反対はしないだろうし
そのまま話は進むと思います。おめでたい話ですし
社長が進められるのでしたらそれは大いに嬉しい事です。
そしてきちんとその上でこういう話があるとひかりに話をしていただけますか?」
「私がか。そうだな私がしないといけない話だものな。」
「山本社長の会社の社員なのだからきちんと仕事をしなければならない。
それが社員なのだから。社長が映画のオファーが来ていると
こういう内容のだけれど、受けるか受けないかと聞くより
君に仕事が来たと言って仕事の説明をした方が。」
「明日、元原君がいる前でか?」
「えぇ。そのほうが二人で考えると思いますし。
きっとひかり一人の時に話をしても一人で考え込んでしまうと思うんです。
それよりも、二人で考えさせた方がきっといい答えが出るとそう思うんです。」
「そうだなぁ。ひかりちゃんは弓弦と違って繊細な女性だもんなぁ。」
「にーしーむーらーさん?」
「怖い怖い(笑)」
「明日、朝からあたしも西村さんと一緒にひかりのうちに行き
事件後の事、伯父伯母とはいえきちんと謝らなければいけないし
離れにあたし住んでいるんだけど、その家の様子も見に行かなければいけないし。」
「そうだな。きっとうちに行けば社長とも元原君とも会うだろう。」
「きっとあたしのもひかりは聞くと思うからあたしは全部話そうと思う、内容も隠さず。
でもその前に社長とひかりとひかりの両親と元原君でお祝いのその話と
映画のオファーの話をしてください。
その後きっとひかりはあたしに相談してくるでしょうから。
だから、社長にもきちんと話をしてもらわなければならないし
それと同じ意志で相談されたときに話をしなければいけないから。」
「弓弦も大変だなぁ。でも、それが一番だと思うけどな。」
「川上社長。あたし余計なことをしてしまうかもしれませんが
もしタレントとしてひかりの道をひけるのであれば
この会社でタレントとして契約ができたらと思っています。
山本社長の所では女性のタレントの契約はありませんから。」
「一緒のレーベルだと守れる部分も多いけど、
別の方がきちんとした形をとっておおっぴらにできた方が
精神的にも楽なのかもしれないと、そう思うんです。」
「そうだなぁ。で、話は変わるが西村君はどうなんだね?」
「何がですか?」
「弓弦君の方だよ。翔太か大川かどちらかとのラヴシーンがあるのだろう?
旦那としてそれは許せるのか?(笑)」
「まぁ、そういうのがない方がいいんだろうけど
どんなストーリーであろうとも真剣に演技をしてほしいし、デビューだろ?
みっともないことはしてほしくない。でも、嫌だよなふつう。
練習は俺でやってもらって本番1回でOKを撮ってもらうしかないじゃないか。
何度もそのシーンをと考えるとすごく嫌なんだけど
きっと弓弦は一回でOK取るさ。な、弓弦。」
「えぇ、そうでないと何度も撮り直しとか言われてやらされるのは嫌だし。
タレントとしてこれから先動く以上お世話になっている久原氏に
恥をかかせないようにしっかりと演技しないと。自分に恥ずかしいから。」
「んじゃ、明日。元原とご両親立会いの下、映画の話もするぞ。
なんだか原田君がそう言ってくれると、がぜん映画のオファーは受けたくなってきた。」
「あたしと一緒だものひかりは喜んでやると思うけどね。」
「山本社長。この久原氏の映画だが、面白くなりそうだな。
いいぞ、ひかり君をうちで受け入れてもいい。」
「いやいや、うちの看板受付嬢だ。簡単にはなぁ、秋山。」
「そうですよ、元原の嫁になるんですし簡単にはよそに渡しませんよね。」
「久原様の気が早くて困ったもんだと思っているんですよ。
だってストーリーの大筋が見えて誰をというのを見据えて今のうちに
押さえておこうだなんて。本当に久原氏はずるいんだから。(笑)」
「あははははは。とりあえず、ここまで話ができたのは良かったのかも。」
「では明日、また会いましょう。でも本当にうちのタレントとして
契約をしたかったなぁ、原田君。」
「それは俺が断りますよ(笑)俺の弓弦なんですから。」
「まいったなぁ。じゃぁ、また明日。」
「はい。今日はお越しいただきありがとうございました。
秋山さん。きっといいアルバムにしましょう。そしていい仕事にしましょう。」
「あぁ、弓弦さんのその意気込みがあればすごいのができそうな気がする。
いい返事をもらったって、みんなに伝えるよ。」
「顔合わせも楽しみになってきたなぁ。」
「あれ?弓弦さんはあったことなかったっけ?」
「どうだろう・・・・・西村さん関係の人か仕事関係でしか覚えてないけど
でも、多分一回二回のおしゃべりじゃ覚えてないかもしれない。」
「弓弦は人におぼえられても覚えるのは苦手なのか?」
「音なら耳コピで完璧に覚えるんだけど人の顔と名前は苦手かも(汗)」
「大丈夫。俺らのグループはすべてが濃いから(笑)」
「まささんは顔合わせたことあるよね。」
「あぁ、弓弦も知ってる人ばっかりだぞ。」
「そうなの?」
「まぁまぁ、近々顔合わせだ。その件はこれで終わろう。」
「お疲れ様でした。山本社長、また明日。」
「あぁ、また明日。」
「さてと、社長。とりあえず、山本社長の所の話はあとは渡辺が
するでしょうし、社長はこれからどうするんですか?」
「原田君は疲れているんじゃないかね?」
「少し。でも20時までに帰ればいいし。」
「その20時まであと一時間だぞ?(笑)」
「そうなんだ。社長そんな時間まで付き合わせてすみません。
次は執事ががんばりますから。」
「おい執事。しっかりと原田君のサポート頼むぞ(笑)」
「承知しました(笑)とりあえず自分は原田さん専属執事ですね(笑)」
「西村さんのマネージャーしてたんですもの。あたしも安心して任せられる。」
「まさか弓弦のマネージャーになるとはなぁ、渡辺。」
「明日もご一緒ですからね?原田さん。」
「ねぇ執事さん。弓弦いいよぉ弓弦で。」
「それはいけません、絶対だめですって。ゆずって弓弦さんですよ。」
「んじゃそれでお願いします。原田さんだとくすぐったい(笑)」
「では弓弦さん、明日8時には部屋に伺います。きちんと看護師さんに
お話しておいてくださいね?出ないと締め出されてしまいます。」
「面会は10時だもんな、んじゃ、明日な。」
「まささん!明日朝からは一緒できないんではないですか?」
「んぁ?」
「明日お昼にインタビューが入ってたの覚えていました?」
「あぁそれね。それ、山田すまないな。昨日編集者に連絡して担当者に伝えた。
明日のはひかりちゃんの家でやる。というか弓弦んち。二人でさ。」
「まじめに言っているの?」
「あぁ、真面目さ。せっかく今日の記者会見あった後だろ?
編集者も食いついてさ(笑)」
「伯母さんにも言っておいた。伯母さんの所の料亭の特集も組んであるから
お料理がんばってって。」
「伯母ぁ、緊張してるんだろうなぁ。」
「勝手に変更しちゃって・・・・・まぁ、準備ができているんならいいでしょう。
明日山田は吉祥さんの方にまっすぐ行きますね。」
「西村君、吉祥って????」
「社長、知らなかったんですか?弓弦のいとこのひかりちゃん
山本ひかりちゃん。吉祥の一人娘ですよ?」
「すると・・・・・・お嬢様なのか、彼女は。」
「そうとも言いますね。だから弓弦は彼女をサポートするために
いろいろ資格もっているよな。衛生管理者とか調理師とか。」
「フグも(笑)」
「んじゃ、そういう料理番組も大丈夫だな(笑)」
「んもぉ、余計なこと言うから余分に仕事が増える。口が軽いんだから、西村さんは。」
「そういうなさ。んじゃ社長、お疲れ様でした。」
「あぁ、お疲れさま。原田君しっかりと休んでな。
で、君の中学以降の身申書を詳しく書いて提出。いいか?
それがあって君を知らなければ仕事が組めないからさ。」
「わかりました、社長。お疲れ様でした」
「弓弦、夕飯は?」
「食べてから帰るときっと門限に間に合わないと思うけど?」
「そっか、んじゃ病室に戻ってから食べるか?弁当か何か買って帰って。」
「コンビニのおにぎりでもマックでもどっちでもいいけど?
久しぶりの外の食べ物だからきっとおいしいかも(笑)」
「弓弦にとってはそうだよなぁ。マックにするか。いい?」
「うん。久しぶり。あたしもエビフィレオ2個がいい。
で、単品でフィレオフィッシュを2個、お願い。」
「食べるなぁ。お前それなのに細いもんなぁ。痩せの大食いってよく言われるだろ?」
「かなぁ。でも普通のチーズバーガーとかそういう肉類が少し苦手でさ。
海老とか魚とか魚介類が好きなんだよね。」
「弓弦は意外に肉食系じゃなかったんだ。(笑)」
「あたし、お肉はあまり食べないのよ?知ってる?」
「知らないさ、そこまでお前俺に食べれないとか我儘いわなかっやじゃないか。」
「そうだっけ?豚肉食べないしさ。あと野菜はほとんど食べるけど
特殊なさ、ゴーヤとか特殊的な野菜?って言うの?
ありふれた野菜は食べるけど、地域的特色のある野菜は食べないのよ。」
「もしかしてお前好き嫌いのお化けかぁ?(笑)」
「そうかも。でも食べないものってほとんどないんだけどね。」
「俺も好き嫌いのお化けだぞ?大丈夫かなぁ・・・・・。」
「さぁ、ドライブスルーするか。」
通り端にあるマックで、自分たちの夕飯代わりのを買う。
とりあえず門限に間に合う時間を考えたらコンビニで選んでいる時間はないと。
なんだかんだというながらも、楽しそうに選んで注文する二人。
そんなにも食うのかってぐらいに頼む二人。
あの時、誠たち5人でマックに行ったときのことを思い出した。
「チャリコンのさ、前の日に店で5人朝から練習してたんだ。
お昼になって、まかないで何かお昼つくろうとしたら何にもなくって
結局近所にできたマックに5人で行ったんだ。」
「誠さんと?貴志君と?」
「そう、お兄ちゃんと貴志と真志と俊哉とあたしでさ。
で、5人で頼む量が半端なくって(笑)」
「お前らどんなに食うんだ(笑)」
「あの時はさ、ビッグマックが10個以上テーブルに来てさ
真志がさポテト4つあったんだけど誰にも分けずに
たいらげちゃって(笑)それにさ、俊哉がさ
あんなに小さくてかわいい俊哉がビッグマック3個で足りないって
追加でフィレオフィッシュ3個追加するし、周りがびっくりしちゃって。」
「お前も人のこと良く言うなぁ、それ誠さんから聞いたぞ。
弓弦はエビフィレオ3個とフィレオフィッシュ1個食べたんだろ?
それもコカコーラ0LLサイズで。」
「聞いちゃったんだ。そっか、並々ならぬあたしの胃袋伝説聞いちゃったんだ(笑)」
「でも俺もそう変わらないからなぁ。まぁ、これからじっくり検証していくさ。」
「んふふ。さぁ、早く戻ってあったいうちに食べようよ。」
「ただいま帰りました。」
「おかえりなさい、今日は大変でしたね。お疲れ様。」
「疲れちゃったけど、これで一区切りだもんね。」
「ご迷惑かけました。これからも、続くと思いますがよろしくお願いします。」
「夕飯は?夕飯は食べてこられましたか?」
「食べる時間がなくって結局マックによって買ってきました。」
「サラダも一緒に買ってきましたか?きちんとバランスよく食べないと。」
「えぇ、大丈夫。セットで買った分、ポテトをサラダにしてもらったから。」
「こいつ食うんですよ(笑)注文しててびっくりしましたよ。」
「食べれるということは健康になって行っている証拠です。
でも食べすぎないように注意ですよ、原田さん(笑)」
「休む前です、わかってますって。
21時消灯だけど、しずかにしますから見逃してね。
明かりは最小限度しかつけないし、PCの画面の明るさも
外に漏れないようにしますから。」
「原田さんのお気遣いありがとうございます。
でも、早く休んでくださいね。体もきちんと休ませないとね。」
「食べ終わって2時間ぐらいで休ませますから。
俺が今日泊まり込みますし、きちんと見ておきます。」
「えぇ、お願いしますね。
結構ベッドの中で遅くまで起きているみたいな原田さんですから。」
「そうなのか?」
「気づかれてたんだ(笑)」
「無理しないようにね。」
「はい。では。」




