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3 暗殺教団

『暗殺教団。

アサシン達だ。

その昔に政治的、あるいは宗教的な理由でその敵を葬る事を生業としていた連中だ。

一説では、とある宗教の黙認された非公式部隊だったとされるらしい。

それが神秘と混じり合った結果が現代のアサシン達だ。

メメント・モリ達とは違うのは彼らが愉快的じゃないぐらいだろう。

まぁ、どっちも狂信者に違いはない』



「アサシン!私はてっきり、都市伝説の類かと思っていましたよ!」


「残念ながら実在する」


「ニンジャ、みたいなもんでしょ!どんな装備を使ってるんだろ!!」


「俺も忍者と呼ばれる者には詳しくはないが、一緒では無いだろう」



エコーは相手の装備に興味が向かっている様だ。

確かに完全犯罪が彼らの装備によって行われてるなら大したものだ。

興味をそそられる話ではあるな。

しかし、宗教団体である以上は魔の力が介入していると見て間違いないだろう。

モーゼスはエコーが装備品に思いを巡らせているのを感じ取り、彼女に尋ねる。



「なんだ、お嬢ちゃんは兵器に興味あるのか?」


「そりゃあ、もう!!」


「道理で良い腕をしている訳だ。それは弓か?」


「すごーい!よく分かりましたね!!」



彼女は自慢の機械の右手を変形してみせる。

手首の部分が下に折り曲がり、上腕が左右に開き、展開する。

特殊な素材で作られたワイヤーが上腕の内部から出てくる。

一目で、それは弓の類だと認識出来るだろう。

シンプルな構造に拘り、変形速度を重視している。

あれなら故障も少ないだろうな。

メンテナンスも修理も楽に出来そうだ。

いつも、こういった素晴らしい出来なら俺も余計な心配をしなくで済むのにな。

変形が完了すると彼女は自慢げに構えてみせた。



「名付けてウィリアムちゃん!なんで分かったんですか?」


「その細身の前腕の形状では、重火器は無理だ。よくて弓か、ナイフか、テーザーぐらいだろう。

それにお嬢ちゃんの身体つきをみるに前衛タイプではないだろう。

後はそのマシンアームの装飾だ。

それはターコイズだろう?

森の部族の出か?

随分と白い肌をしているな、混血なのか?」


「モーゼスの爺様すごい!森の民をご存知なのですか?」


「ああ、知ってるとも。グレートファルコンの翁は元気か?」


「お祖父ちゃんは相変わらず元気いっぱいですよ!」


「ほう、翁の孫か!」



ほう。

二人は俺の予想とは裏腹に思いのほか、相性が良いな。

モーゼスは職業の関係で機械、特に兵器の類には詳しい。

兵器マニア同士、話が合いそうでなによりだ。

ここでエコーがモーゼスに中々、立ち入った質問を投げかける。



「モーゼスの爺様はなぜ、肉体改造しないのですか?」


「俺は一応、魔術師の端くれだからな。テンプル派だ」



テンプル(神殿)派。

それは魔術師、宗教家の思想の一つだ。

己の肉体はアルター(祭壇)であり、テンプル(神殿)であるという思想だ。

彼らは改造手術をする事なく生身を保っているを良しとする。

そうする事により、肉体のエネルギー、チャクラ、気などと呼ばれる物がより良く循環し、強力な魔術の実行をしやすくなるとの事だ。

マザーなんかもその思想の持ち主だ。



「肉体は弄らねぇが、その他はなんでも使わせてもらう」



これがモーゼスの考えだ。

軍人、得て魔術の道に辿り着いた者の考えだ。

軍人であったならば、魔術師になる前に改造手術をして、少しでも生存率を上げる事も考慮したはずだ。

だが、そうさせなかったのは彼も信仰に厚いせいだろうか?


何はともあれ、こうやって無事に魔術と兵器を用いる超人が出来上がった訳だ。

これは言い過ぎではない。

街に数名居る、数少ない超人の称号を彼は得ている。

簡単に説明すると人の形を保った化け物という事だ。



「では大佐、作戦の説明を頼む」


「これは失敬。話を戻そう。

作戦は単純だ。暗殺協会の本部に襲撃し、行方不明者が生存の場合は救出を行う。」


「大佐の冗談はいつも愉快だな」


「はて?冗談を言った覚えはないぞ」



モーゼスの作戦はよく練られている、実行が出来ない点以外はな。



「大佐、彼ら、暗殺教団は標的を生かす事はない」


「そうか。なら、しょうがない。ならば壊滅作戦になるな」



エコーが元気良くアイアイサーと返事をする。

それに対してモーゼスはうむ、と頷く。

俺は無言で頭痛に良く効くハーブ入りの煙草を取り出し、ふかす。


どうして俺の周りは血の気が多い奴らが集まるんだ。



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