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ご褒美第二弾、登城……


「何よ、仮面の淑女て。恥ずかしいわよ他人事だと思って面白がっているでしょ?」


 割と自らパピヨンを装着するくせに、雪乃フルエレはジトッとした目をした。

 ガサガサ

 突然、貴城乃(たかぎの)シューネの後ろから、大きなスーツケースを持ったメイドさん達が出てくる。


「そう怒らないでもらいたい。貴方が登城(とじょう)デビューするに当たって、プレゼントをしようと思ってな」


 パファッ

 メイドさん達がシューネの言葉に合わせてケースを開けると、中には沢山の色とりどりなドレスが入っていた。


「わぁあああ、じゃないわよ、こんな物で騙されるとでも思ってるの!? 女の子を何だと思っているの、さらって置いて物で釣る気ですか?」


 キッとフルエレは怖い顔をしてシューネを睨む。


「むろんその様な甘い事は考えていない、しかし登城するに当たってせめてもの心使いだ、受け取って欲しい。スケジュールが決まり次第迎えに来る、そのつもりで今まで通りこの妖しい館で暮らすが良い」


「自分で妖しい館って言っちゃダメ」


 すすす

 シューネが言いたい事だけ言うと、メイド達も無言で一礼して去って行く。

 パタン


「あ、コラ待ちなさいよ!」

「これこれ、シューネさまに何て口聞くんだい、普通だったら即逮捕で牢屋に入れられるよ?」

「乳母さんだってお坊ちゃんとか言ってたじゃない?」


 口が減らないフルエレだった。



「わぁ~~凄い可愛いい!」


 ぴらり

 フルエレはシューネが用意した数々のドレスを見ながら目を輝かせた。


「あらあら結局喜んでいるんじゃないかい?」

「違います、脱出の機会をうかがう為に喜んでるフリしてるだけです。え、可愛いのこれ一体誰の趣味なの? シューネさんやっぱり変態ですね~~?」


 むすっとしながらもフルエレは必死にドレスを選別した。


「でも雪布留(ゆきふる)さんがこのままこの館に住んでくれて嬉しいねえ」

「……別にここにいつまでも住むと決まった訳じゃないけど」


 そういう訳でしばらくの間、雪布留はこの妖しい館に住み、バレエ講師からレッスンを受ける日々が続いたので御座います。



 ー数日後

 また再び貴城乃シューネはやって来た。


「雪布留さん、いきなりだがお城のサロンにもぐり込める機会を作った。一時間で任意のドレスに着替えてリムジン魔ーに乗りなさい」


「まっ急過ぎるわよ!」

「文句を言うのではありませんよ、早くなさいな」

「むー」


 文句を言いながらもどこかトキメイてしまうフルエレであった。


(お城のサロンってどんな所だろう、緊張するわ……)


 ぱさっぱさっ

 無言でドレスに着替えるフルエレであった。



「気を付けるんだよ」

「何に?」


 等と言いつつ、フルエレはリムジン魔ーに乗り込んだ。


「……まったく急過ぎるわよ、ぶつぶつ」

「貴方は文句しか言えんのか?」

「無理やり連れて来て発狂してないだけマシと思って?」


 フルエレは言われるまま豪華なドレスに着替えつつも厳しい顔で窓からの流れる景色を眺めた。



 ー聖都ナノニルヴァ緑の屋根の多層搭城

 広大な城の宮殿に二人は入り、フルエレは妖しいパピヨンマスクを装着している。

 コツコツ

 多層搭とは別の平屋の宮殿の長い廊下を歩く。


「お、大きい」

「当たり前だ。しかしこの宮殿に砂緒(すなお)が侵入して騒ぎを起こした事もあるのだぞ?」

「え」

(砂緒が?)


 フルエレはキョロキョロしまくった。



 ー貴族淑女たちが語らうサロン

 この豪華な部屋の中には着飾った貴族の娘達が、暇を持て余して日々無駄に語らいあっている。


「それでどうされましたの?」

「それでわたくし言ってやりましたのよ、ヘイジョージ宗姉妹は問屋が卸しませんわってね」


 オホホと控えめな笑いに包まれる部屋。


「まあっさすが七華(しちか)さんですわ」

「なんてウイットに富んだお返しですの?」

「場面が目に浮かぶようです」


 遠くからその場面を見つめるシューネとフルエレ。


「今からここの部屋の中に突入してもらい、根性を見せて頂く」

「うっわ入りにくっ! 何の脈絡も無くこんなトコ突入出来ないわよ!!」


 フルエレはマスクの下で冷や汗を掻いた。その状態で二人は中心のテーブルに接近して行く。

 ぴたっ

 淑女たちは一応イケメンで通っている? シューネの登場に口を止めた。


「あら、シューネ様ですわウフフ」

「何の御用ですの?」


(し、七華じゃないのっ!!?)


 ようやくそこでフルエレは部屋の中心に、見知った七華(しちか)リュフミュラン王女が居座っている事に気付く。


「あ、あんな所に天使の空船(UFO)が!?」

「えっ?」


 何を思ったか、突然のフルエレの声に七華とシューネ以外は全員窓の外を見た。



挿絵(By みてみん)

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