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落ちた星  作者: パピ
9/13

真実










レオナルド様は一個人の元へ降る事の許される身分ではないのです。





私は、先程御三方で話された内容以上のことを旦那様や奥様からお伺いしております。





レオナルド様、貴方様は唯のヴォルベラルの生き残りなどではございません。








「先祖返り」という言葉をご存知でしょうか。




レオナルド様が一族の血を色濃く受け継いでいるのは一目瞭然です。

これは旦那様や奥様、退いては御祖父様以上のものです。




ヴォルベラルの一族が龍の子孫であるという話は今となっては定かではありません。

しかし、レオナルド様のように血を強く受け継がれた方は「先祖返り」とされ、皆さま若くしてその命を落としているのです。

一族の間では龍神様のお気に入りになったからだとされているそうです。





旦那様や奥様はこの事を大変気にかけておられました。



我が子がこの世から去るのを見たくは無い、短いならばせめて自由にさせてあげたい、とおっしゃられていました。


そこで選ばれたのがヴィンセント様とのお約束でした。

レオナルド様のことを安心して任せられるとお話を伺いました。



旦那様や奥様のご意向、そして何よりレオナルド様が望むのであれば私は従うまでです。



そして来たるレオナルド様とヴィンセント様の会談日です。






そこで私は初めて裏切られたのだと知りました。







旦那様や奥様を亡くされ、身寄りのないレオナルド様に対し、甘い言葉を囁き強引な転居を進めたのです。






旦那様や奥様の願いであったレオナルド様の自由を奪ったのです。






私はレオナルド様をお守りする為に生きております。

当然、レオナルド様の為に動きました。






そこで、私が行った事ははレオナルド様の吹聴です。

噂として流すことで誰か1人でもここに辿り着いてもらえればヴィンセント様への脅しとなります。






いつか訪れるその日を待っているとある人物がレオナルド様の周りを探っているという情報が入りました。

特徴を聞くとレオナルド様のご学友のジェラルド様であるとわかりました。




それから私はジェラルド様が真実を知っていると考え、貿易話をどうにかこの屋敷内で行えるように取り繕いました。

さすれば必然とレオナルド様とも接触ができるということです。




これが事の顛末でございます。

私は私自身の行動を悔いてはおりません。








お読みいただきありがとうございます。

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