第一章『ラシュティエート強襲』 Ⅶ
第十二話 『彼が為に 他が為に』
**クラウディア平原 北東**
「ブルー…」
テスカにより氷漬けにされ、僅かではあるが延命を得た。が、彼女を倒してしまった以上、
早く彼の手当てをしないと、手遅れになる。だが、周囲の敵は一向にその数が減るように見えない。
いくら殲滅力の高いアーネといえど、これだけの数を相手は流石に無理なのか、
それとも、ブルーの方が心配なのか、ただ泣きそうな顔で、彼の名を呼んでいた。
そんな彼女の耳に、聞きなれた声が届く。
「ブルー! アーネ!! どこにいるのです!!」
左右に萎れた猫耳が、ピンと立ち、敵兵を周囲の敵兵を焼き払い、そのまま空へと炎を打ち放った。
それを見たセリスは敵陣を強引に駆け抜け、瞬く間にブルー達の元へと辿り着くが…。
「アーネ! …そんなっ」
「ブルーが死んじゃう、死んじゃうのー…」
「くっ…。アーネ、ブルーを抱えてレゼントに乗り本陣へ戻れ!」
「でもっ、でもセリスは?」
「私は此処に残り、騎士達とここを突破し、北にいるカレン殿のお父上と合流する」
そう言うと、彼女は愛馬の頬を撫でた。
「レゼント、頼むぞ。お前の足ならば、十分に間に合う筈だ」
レゼントとセリスは僅かだが、見つめあう。意志の疎通が出来たのか、大きく嘶いたレゼントだが。
むざむざ敵を逃す者などいる筈も無く、多くの敵兵が押しかけてくる。
怪我人を庇いつつ戦う。それは足枷をつけて戦う事に等しい。そうなれば戦闘経験や実力差も
かなり埋まると踏んでの事だろう。 見ればアーネはブルーを抱きかかえて泣いてしまっている。
セリスが着てくれた所も踏まえ、気が緩んでしまったのだろう。戦意喪失と呼べる状態だ。
他の騎士達も自分の相手で手一杯、相手はいくら素人とは言え、混血児その上、非常に戦い難いのだ。
言えば、一般人に剣を振り下ろすソレである。 一振り毎に、彼等の心も悲鳴を上げつつある。
そんな中、遅い来る混血種達を盾で押し払いはするものの、彼女は特に戦い難いだろう。
今まで、心を痛めていた存在が、牙を剥いて来るのだ。
「…くっ」
徐々にではあるが、圧されつつある。経験・腕その両方は明らかにセリスが上。
然し、彼等にはセリスがいまだ得られないソレが在った。
人並みの生活・自由な暮らし、いや、質素でもいい笑顔で居られる場所を手に入れる!!
願うでは無く、手に入れる。己が死を持ってしても手に入れようとする。
その覚悟が巨大な圧力を生む。セリスの眼には今、混血種達が見た目以上に大きく、力強く見えている。
どいてくれ、何故邪魔をする、俺達が幸せになる事の何処がいけないんだ!?
幻聴では無く、しかとセリスの耳にその言葉が届き、彼女は迷いを露にして、一歩後ずさった。
「わ…私は、貴方達を…貴方達に…」
言えるか? 言える筈も無い。 例え言ったとして、彼等の耳に、心に届く筈も無い。
彼女が相手しているのは、よりにもよってイズエリアで虐げられてきた混血種達なのだから。
その恨みは深く、その奥底で烈火の如く燃え盛る憤怒。届く筈も無い。
ついに、彼等の内の一人が捨て身でセリスの十字盾にしがみ付き、彼女の防御を封じる。
もう一人が手にした片手剣をセリスの首目掛けて突き、それが届こうとした瞬間。
金属音が鳴り響き、片手剣が宙に舞う。今尚困惑するセリスの目の前に、ゆっくりと血の粒が舞う。
ポタ ポタ と、彼女の顔に付着し、視線を前に向けたまま、ゆっくりと口を開いた。
「ブ…ブルー?」
赤のマントに白獅子の紋章が翻り、ソコから多量の血が舞う。満身創痍、それ以外に無い彼が、
まだ剣を振り上げてセリスを守った。 意識があるのか無いのか、本人にすら判らないだろう。
深手を負って尚、戦う意思。 ヴォイドとの戦いの最中、グラニウスが認めた理由は此処である。
もし、あそこで逃げていれば、彼は一生、ブルーを認める事が無かっただろう。
そんな彼の強い眼差しに、戸惑いを覚える混血種達は僅かであるが、手が緩む。
けれど、攻撃の手が止むわけでもなく、何人かの剣がブルーの左肩や右腕を斬り付けた。
「ぐ…ぅおおおおおっ!!」
一心不乱というべきか、無我無心というべきか、痛みを忘れたかのようにひたすらに細剣を振るう。
「ブルー…貴方は」
ただその背中を呆然と見ていたセリスだが、今まで守る事はあったが、守られる事など一度もなかった。
彼の背中に、自身の本来あるべきソレを見出したのか、大きく愛馬の名を呼んだ。
「レゼント!!」
主の声に呼応するように嘶き、そして彼女の横を横切る。 止まる必要なと無い。
走りながらでも主は背に乗り、成すべきを成すだろう…そう思った。
「いけっ!!」
大きく盾を振り下ろし、前方の敵を蹴散らせ。そう言わんばかりの彼女の視線は、ブルーを見ている。
あの傷…もう助からない。 貴方の死は無駄にはしない、そう思った瞬間の事である。
目指すべき北に数多くいる混血種達が宙に舞う中、なんとも野太く、低い声が響き渡った。
「唄えい糞ども!!」
「おおぉぉぉぉおおおおっ!!!」
世の中全ては金だ金。 金で買えない物は無し、金の為なら親でも殺せ、
金の為なら全てを壊せ、 王族貴族が金づると、着たり南部の戦道
聞きたくも無い、酷い歌だ。そんな野卑で下劣な歌が止むと同時に、またあの野太い声が。
「我等北部の戦斧 いくらで買うかい? 南部の盾の姫さんよ」
「あ…貴方は、カレン殿のお父上様!?」
禿散らかした頭に無精ひげ、巨木と見紛う豪腕。何より酒が好きといわんばかりに突き出た腹。
如何にも山賊といわんばかりの風貌に、ボロボロの衣服を身に纏う。
本人はおそらく爽やかに、ニカッと笑ったつもりだろうが、まさに泣く子も黙る…いや、
実際後ろで泣きべそをかいていたアーネが泣きやみ、彼へ向いて指差した。
「バケモノだー!」
「…そこのチビ、誰がバケモノだこの男前を捕まえて…」
「ゼドガル殿、カレン殿と既に交渉は成立しています。どうかお力をお貸し下さい」
ほう? と、口元を左手でなぞりつつ、報酬は何か? そう尋ねると、彼女は同じ言葉を再び。
「私に払える全て。 それで納得して頂けました」
…。瞬間、眼をひん剥いてセリスを見た、正気か? と。 だが、彼女の目は真剣そのもので
嘘偽りを言っているようには思えない。そもそも盾姫は、中々の堅物だと聞く。
おもむろに背に背負った巨大な戦斧に右手をかけ、突風と共に振り下ろした。
「糞ども、敵兵一匹残らず…皆殺しだぁぁぁあああっ!!!」
待ってましたとばかりに、各々が武器を振り上げ、目に付く混血種達に斬りかかっていく。
圧倒的、まさに圧倒的。経験・腕・気迫、何よりも覚悟。全てが彼等を上回り、蹂躙・虐殺していく。
そんな中、ゼドガルは馬を降り、ついに力尽きたブルーへと歩み寄る。
「見てたぜ兄さんよ。中々大したモンじゃねぇか。此処で死なすにゃ、勿体ねぇ」
そう言うと、懐から大きな木の葉で包んだドス黒い何かを自分の口に放り込み、租借する。
それを飲み込まずに、右の掌に吐き出すと、左手で彼の頑丈な衣服を破る。
「出血はひでぇが…まぁ、これなら五分五分ってとこか」
ベシッと傷口に貼り付けると、残った薬だろうソレを左肩や右腕に貼り付けた。
「ゼ…ゼドガル殿、それは?」
「俺達のとっておきよ…。折角見つけた娘の婿候補、死なせたくはねぇ」
「ブルーはボクのなのー!」
傷薬を塗られたのを見て、ホッと胸を撫で下ろしたアーネだったが、立て続けに起こる事態に
危険を感じて、ゼドガルを両手で叩きながら全身で抗議している。
「欲しいモンは、金、もしくは力づくで奪うモンだ。覚えときなチビ助」
「チビスケじゃなくて、アーネだよー!!」
「はん」
ブルーの容態は五分五分ではあるが、助かる可能性も十分にある。
その事に、セリスも胸を撫で下ろし、改めて周囲を見ると、
目を覆いたくなるような惨状が広がっていた。
全てが完全に上回る実力を持ちながら、混血種達をいたぶり尽くすその様は、さながら地獄絵図。
右腕を切り落とされ、逃げ惑う男の足を斬り、動けなくなって尚、左腕を耳を切り落とし、
目玉を抉る。 そして、トドメを刺すかと思えば、放置して次へと飛び掛っていく。
何だ、これは…何なんだ、この戦い方は。 酷い、余りに酷い!!
死にたくても死ねない状況に晒され、瀕死の者達が口々に殺してくれと訴えている。
「ゼドガル殿! これは…余りに酷すぎる、やめさせて下さい!」
「盾の姫さんよ、俺達、北の戦斧を買ったのは、アンタだぜ?」
「だとしたら、私はこのような戦い方は望んでおりません!!」
「…はぁ。 噂に違わぬ、お人好しか…おい糞共!! ちょいと手加減してやんな!!!」
彼の一言に、残虐な振る舞いは止むものの、殺しを趣味とも言わんばかりに、下卑た笑いを浮かべ
ながら一方的に、敵兵を確実に減らしていく中、ついに逃げる者達も数多く見られた。
明確なまでの死の苦痛。それが彼等の覚悟を鈍らせ、戦意を喪失させたのだろう。
そんな中、ゼドガルはセリスにこう言った。
「食うか食われるか…それも判らねぇお姫様が、戦場にしゃしゃり出てくんじゃねぇ」
彼の言う食うとは、相手の覚悟を喰らう事を意味しているのだろう。
相手の戦意を喰らい、自らの糧とする。それがゼドガルの戦い方なのだ。
「…。あんな戦い方、私は認められません」
「認められなきゃ…ま、いい。今はアンタが雇い主だ、極力従いはする」
北からの援軍は確かに来たが、それは彼女が望むべく者とは大きくかけ離れていた。
然し、兵数、気迫でどうしても劣るこの中においては、エステシアに次いで
望みうる最高戦力足り得た。 セリスは渋々と彼等にその場を任せ、レゼントにブルーを
を抱えたアーネを乗せて、一度、ツェルム城砦へと向かう。
**ツェルム城砦**
それから暫く後、セリス達は負傷したブルーを医務室まで運び、心配そうに医者の言葉を待っていた。
「…危なかったですが、これはデルスヴァ…地の民の秘薬ですね。恐らく大丈夫です」
その言葉に、二人揃って胸を撫で下ろし、一気に疲れがきたのか、壁へともたれ掛り、ずるずると
座り込んだ。
「はふー…たすかったー?」
「そのようです。 一時はどうなるかと、思いましたが」
そんな二人の横に、何時の間に、いや、元からいたのだが、全く気付かなかったのだろう。
エステシアが、苦笑いしながら立っていた。
「あー… まだ戦中なんだが」
ビクッとした二人は慌てて立ち上がり、声のした方を見ると、アーネは駆け寄りしがみ付いた。
「ティーシェー!!」
「おーおー、よく生きてたねー。 流石はアタシの娘だよ」
「エステシア殿、ご助力いただけるのでしょうか?」
いきなりではあるが、状況が状況、ここで彼女の力を得られれば…と。
誰でも思う所ではあるが、エステシアはアーネの頭を撫でながら、顎をくいっと窓の外に向けた。
一体何か? と、思い窓に近づき、外を覗くと、周囲を埋め尽くさんばかりの混血種達が
この屋敷を取り巻いていた。
「混血種…それもこんなに…これは一体」
「アンタやラムザの日ごろの行いだろうね。アタシも危うくぶった斬る所だったよ」
「それは、どういう…まさか」
「あー、彼等から一つ伝言。
昔に頂いた硬くて冷たいパンや、やたら不味いスープ、忘れちゃいないってね」
思わず、両手を口に沿え、身を乗り出すように窓の外へ。
彼女の顔を確認した混血種達が、それぞれに何か言っているようだが、
混ざり過ぎて何を言ってるのか、判らない。 セリスもまたどう言っていいのか、判らない。
ただ一つ判るのは、遠くの方で最早暴動ともいっていいソレを止めようとするラムザ。
その胃袋がまたキリキリと痛んでいるだろう事だけだろう。
報われたのか? そんな感慨にふける彼女の背後、ベッドからずり落ちた声が聞こえた。
ベッドの上にいるのはブルーであり、彼は外の騒がしさから気がついたのか…いやそもそも
何をしようと言うのか、地面を這い、何処かに行こうとする。
戦場で恐怖を学び、そこから逃げようとしているのか? 違う、彼の中ではまだ彼の地に
アーネやセリスが居る。そう思っている。いや、場所が認識出来ていな、錯乱気味と言うべきか。
「アーネ…セリス」
そんな這いずる様をエステシアがまたも苦笑いしつつ、扉の向こうに居る人物に声をかけた。
「こんな状態の、可愛い可愛い弟子をほったらかして、旅にいくかい?」
壁の向こうの人物はただ返事もせず、何の反応も示さない。
とりあえず、二人は此処に居るから安心して休め、そうエステシアは言うと、
軽々とブルーを抱え上げてベッドに寝かせた。
それと同時に、彼の右の手の甲に、牡羊座の紋様があるのを見つけた。
「そうか、ついに認められた。一人前になっちまったか…どうりで」
何かあるのだろうか、エステシアは、アーネに振り向くと、優しく微笑んでこう言った。
「アーネ、これから先、何があっても泣くんじゃないよ?
アタシが教えた事、しっかりと守るんだ」
「ほぇ? ティーシェ?」
「アタシはね。運河に流されて、ここに着た。ここで成すべき運命があったから…生かされた」
「エステシア殿…?」
今まで気付かなかったが、彼女の視線が足に向いた瞬間、それがどういう意味か悟る。
成すべきを成した今、生かされた彼女は…ゆっくりと足元から希薄になっていく。
「ティーシェ…?」
「ほらまた耳が左右に萎れた。いつでもピンとさせな!
いつでも笑え、絶対に泣くな! お前は強い子だ。そうだろう」
「むむぅぅ」
「あー、それと盾姫さん、一つ言伝頼む」
薄れ往く中、それでも笑顔で立つ彼女は、セリスに向かい一つ頼み事をする。
それは間違いなく、遺言であると、一文字一句違えず伝える為、彼女の目をしかと見、
ただ頷いて、その言葉を待った。
「乙女座 七代目 エステシア。その力が欲しければ、このアタシを認めさせてみろ…頼むよ」
「確か…十二星将という…えええええええ!?」
「はは、六代目と今、交代しに行く所さ、一度いったんだけどさー、蹴り返されちまってねー」
「蹴り返され…」
様々な事を知り、まるでブルーを導くかのように立ち回った彼女は、十二の将、その新しき一人だった。
今、その役目を終え、往くべき所へ往こうとする最中、我慢できなかったのか、アーネが泣きつく。
だが、既に存在自体が希薄になり、素通りし、アーネは倒れこみながら…やはり泣いていた。
「いっちゃ…やだ」
「仕方無いさね。 そもそもアンタとも縁が無かった筈なんだ。
それでもアンタを産めた。つまり、アンタにアタシの役目は引き継がれた。そう思いな」
「やくめ…?」
「ブルーの傍にいてやるってことさ。ま、心残りは孫の顔が直接見れない事か…。
笑え、アーネ。 アンタの名は、笑顔を絶やさぬ大地の女神。その名だ」
返事は無かったが、必死で笑顔を作る。が、やはり猫耳は萎れている。
それに一つ溜息を吐きつつ、笑顔のまま、彼女は白い光の粒子となり、何処かへと消え去った。
泣いているのか笑っているのか判らない。そんなアーネをセリスは優しく抱きしめ、頭を撫でる。
彼女の母は既に他界しているが、父が居る。 対してアーネは天涯孤独の身の上となったのだ。
理解しようとしても、出来るモノでは無いが、理解しようと涙を浮かべ、彼女を抱きしめた。
それから、約一日が経ち、現状をほぼ正確に理解したセリス達がツェルム城砦、北側入り口に立つ。
南からの敵軍は、一度退けられ、二度目の進軍の最中、二つに分かれた。
一度はノブナガに魅入られはしたが、悩み悩んだ末、セリスやラムザ達を守ろう、そう決意した。
戦力が半減、士気も落ち、ガルガー子爵に加え、エステシアと寝返った混血種達。
それを相手にするは愚策か、と。ノブナガは撤退し、行方は不明。恐らくはシアル・ランを越え
北の戦地にやってくるだろうと予想されている。
問題の北であるが、西の守りは健在であり、中央は押しも押されぬ大乱戦が続く。
北東は、北の戦斧が猛威を振るい、これを撃滅。西へと次の指示を受けるべく撤退中。
残るは中央の敵兵約1万。 こちらの兵数は北の戦斧残り三千と五百。
ラシュティエートの混血種 三千。 騎士連合三千五百。 互角となった。
兵数だけを見るとそうであるが、向こうにはまだ敵将が最低でも四人に加え、ノブナガが居る。
まだまだ油断は出来ない状況であり、こちらはエステシアとブルーが実質的戦線離脱となる。
だが、彼等の目には確たる勝利の証ともなろう人物が映っていた。
水色の長く美しい髪、戦場であるというのに、白と青のドレスを身に纏い、世界に一対の名剣を
腰に携えた、冷徹なるフェンサー、その人である。であるが…。
普段は感情の一切を見せない青の瞳に、悲しみを称えていた。
唯一無二の友が去ってしまった為か、彼女はエステシアの事を知っていたのか、
それは誰にも判らない。語る事が無いのだから。
「ラシュティエートの姫君、ただ一度だけ君の願いを聞こう。
それを、我が戦友への手向けとする」
隣に居るセリスは、言葉を慎重に選んだ。彼女の力は絶大だが、同時に無慈悲。
ゼドガル達のような大虐殺になりかねない。 一つ深呼吸して、彼女の青い瞳を見ながらこういった。
「なるべく、殺さないで下さい。今、敵としている彼等は本来、
剣を向けるべき相手ではありません。 共に歩むべき者達なのです」
「綺麗事を…、判った。ただ一人も手にかけず…それでいいな」
「はい。宜しく、お願い致します」
クリアネルにしてみれば、迷惑な足枷である。が、足枷でも無いと余りにつまらない…か。
そう思いつつ、残る戦力の一部を除いて、クラウディア平原、その中央部へと兵を進めた。




