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クリッカーの転職物語  作者: タヌキ汁
第一章 能力がその子を変えるまで
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前を向いて歩くべき


「ふわぁぁぁ」


 あれからシオウは目の前に浮かぶスライムをずっとつついて遊んでいた。


 ただつついて驚くだけのリアクションしかしないスライムであるが、シオウにとって何かと戯れているという経験が無かったので、本人にとってはとても楽しいひと時だったようだ。

 ひとりぼっちの生活をしているシオウにとっては、同じリアクションを取るだけのスライムでも、心が安らいだのだろう。

 なので、夜遅くまでスライム達と戯れていたのだが、そのせいで寝不足になってしまった。


「・・おはよう」


 今も目の前に浮かぶスライムをつつきながら、シオウは朝の挨拶をしながら歩き出す。

 眠くてもいつまでも住み家にいる訳にはいかない。

 今日のご飯を、何か食べられる物を探さなければいけないのだから。


「むがっ!?」


 だが、目の前のスライム達で遊びながら歩いていたシオウは転んでしまう。

 先程までの状況は、慣れないスマホでゲームをしながら歩いているようなものであった。

 なので足元がおぼつかなくなり、転んでしまうのも仕方がない事だろう。


「う、うぅぅぅぅぅぅ」


 受け身も取れずにもろに顔面から地面に額をぶつけた為、思わず痛みで涙をこぼしてしまう。

 ただ、泣き叫ぶなどはせずただ小さく唸りながらボロボロと涙を零すシオウ。


 早朝で人通りの少ない住み家の近くであっても、安全とは言えない。

 どこにでも浮浪者は徘徊しており、怖い奴等がこの貧民区には存在する。


 そんな場所で子供が大きな声で泣いてしまえば、良からぬ者達を呼び寄せることになる。

 そのことを十分理解しているシオウは、必死に痛みに耐え、声を押し殺しながら目元をグシグシと拭う。


「いだぐない。いだぐないぞ・・・いだぐ・・・ずずずずずっ」


 拭っても拭っても流れる涙を見る限り、とても痛いのだろうが、必死に強がりを口にしながらご飯を得るために歩み出した。


 そして痛みに気を取られていると、いつの間にかスライムの画面が消えており、そのことにシオウが気付くことは無かった。




 最後まで読んで頂きありがとうございます。


 感想や評価を受け付けておりますので、良かった点や悪かった点などを教えてもらえればと思います。


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