夜の農村、ジョン、ビーナスに会う
青年騎士ジョンは、あの小さな女の子の住む農村に到着した。静まり返っていて、ちょっとだけ不気味にも思える。
そろりそろりと農村の家を一軒一軒見て回る。覗き見は趣味ではないジョンだが、仕方ないと自分に言い聞かせる。
しかし、寝静まっている様子のところ、どうやらあの小さな女の子は無事のようだ。ジョンは少しだけ安心する。
そして、最後の家の前に来た時だ。あの小さな女の子の両親とバッタリ鉢合わせしてしまった。
青年騎士ジョンを見た両親はこう命乞いを言う。
「ああ、すいません! どうかビーナスの命だけは……!」
「いえ、待ってください。私の名前はジョンです。あの女の子の名前はビーナスなのですね? 安心してください、私はあなた方の味方です」ジョンは笑顔でそう答えた。
ビーナスの両親は青年騎士ジョンを家に恐る恐る招く。
それから、部屋に居るビーナスとジョンが出会った。
「私に何の用ですか?」ビーナスは警戒している。
「今日の昼は、貴女の勇気に胸を打たれました。ジョンと申します。悪役令嬢のキャサリンをどうにかしたいのです。どうかお力をください」ジョンはそう胸の内を明かした。
少しだけビーナスは考えこう答えた。
「私の本当の名前はアフロディーテ、女神アフロディーテなのです。今は幼い女の子の姿をしていますが、この異世界に来るまでは女神アフロディーテとして存在していました」
「なるほど、アフロディーテ様。私は女神アフロディーテ様に誓います。貴女の騎士となり、いつか悪役令嬢キャサリンを倒す、と」
そう言って青年騎士ジョンは少しのお金をビーナスに渡した。その時に、女神アフロディーテことビーナスの手の甲にキスをした青年騎士ジョン。
何も言わずにジョンは農村をあとにして城に戻る。
運命の歯車は動きだした。
続く




