青年ジョン、騎士団長になる
周囲からはスピード出世、悪役令嬢キャサリンのお気に入りだから、等と騒がれた。青年騎士だったジョンは今では騎士団長なのだ。隊長時代の時に二十名を率いて、今や十倍の二百名の長なのだ。騎士団長ジョンは悪役令嬢キャサリンに忠誠を誓っているふりをしながら、その実は女神アフロディーテこと少女ビーナスのために、いつ反乱を起こすか機会を待っている。そして、その機会はすんなりとやって来る。
「ジョン? 私はちょっと日帰り旅行に行って来るの。騎士団長ジョンに城の留守をお願いするね」自然な笑みを浮かべて悪役令嬢キャサリンはそう言った。
チャンスだ! 騎士団長ジョンは、
「わかりました、キャサリン様。行ってらっしゃいませ」と笑顔で言った。
それにしても、悪役令嬢キャサリンの自然な笑みとは何を意味するのだろうか? キャサリンは少数の護衛を連れて城を出る。
騎士団長ジョンは、早速二百名の騎士たちを引き連れて、少女ビーナスのいる農村へと向かった。農民は全員丸い目をしている。そして、ジョンはこう叫んだ。
「よいか! 悪役令嬢キャサリンは民たちを酷使している! よって、我々は悪役令嬢キャサリンに反旗をひるがえす!」騎士団長ジョンは力強く農民たちに宣言した。
農民たちや騎士たちも力強く叫ぶ。
そこに少女ビーナスが騎士団長ジョンに駆け寄りこう言った。
「ジョン、ありがとう!」女神アフロディーテことビーナスは笑顔で言った。
しかし、その時。
空が暗黒に包まれる。大地からは異形の魔物が現れる。
「何事だ! みなの者、戦え!」騎士団長ジョンは騎士団員に命令した。
戦争の始まりである。異形の魔物は悪役令嬢キャサリンの本当の部下なのだ。そして、悪役令嬢キャサリンが戦場を高みの見物とする。
「こうも私を裏切るなんてねぇ? 私は本当にジョンのことが好きなのにねぇ?」ついに悪役令嬢の正体が知れ渡る時が来た。
騎士たちは異形の魔物どもと戦う。農民たちも農具のカマ等で応戦する。少女ビーナスは騎士団長ジョンのそばで震えている。
「大丈夫ですよ、女神アフロディーテ様。勝ってみせますから!」騎士団長ジョンがそう言った。
続く




