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ビーナスの涙
ビーナスは農村で毎日を働いている。少女のビーナスは元いた神々の世界に戻りたいと思っている。けれども、隊長ジョンのことを思いすぎるがゆえに、この苦痛の毎日を受け入れているビーナス。
ウワサを聞いた。それは隊長ジョンと悪役令嬢キャサリンが人目を気にせずにキスをしているというウワサ。女神アフロディーテことビーナスにとって、この上ない苦痛である。
きっと隊長ジョンは助けてくれる。そうビーナスは心を痛めながら労働する。きっと隊長ジョンは悪役令嬢キャサリンに脅されている、そう信じて。
ふとビーナスは男性神エロスのことを思い出す。
しかし、この異世界に彼は居ない。
ひとりぼっちのビーナス、農村で貧しい生活を送る。
あの時に、隊長ジョンの後ろ姿を見て涙を一粒流したのは、すでに隊長ジョンと悪役令嬢キャサリンが付き合っていることを知っていたから。それでも女神アフロディーテことビーナスは隊長ジョンのことを信じている。
また少女ビーナスは涙を一粒、いや、今度は止めどなく泣く。誰も少女ビーナスに心配をしない。悪役令嬢キャサリンに歯向かったから。他の農民は怖くて声もかけられない。
ビーナスの涙。
今は泥だらけのビーナス。
続く




