王都での噂
都市伝説の発生って、電車男しか知らないよ。
最近王都では、人気のある噂話がある。
噂なのに人気とか、変な話だが都市伝説だと思えば、納得出来るだろう。
最近、王都の西部は、治安が安定して来た。盗賊も出ないし、モンスターも出ない。
その証拠に、商人がよく来訪する。
まあ、此処までは事実だ。此処からが噂話になる。
治安が安定したのは、ある血に飢えた冒険者パーティーが、周りの盗賊やモンスターを狩り尽くしてしまったからだそうだ。その名は潰走ラスプータン。彼らは盗賊を殲滅後、どこへともなく消えてしまったらしい。
その後、ツグと名乗る商人が、行商に来る様になり、この地方の治安の安定を証明してくれた。それを見て、他の商隊も最近では行き来しているらしい。ただ、向こうの産品にあまりいいい物が無く、更に向こうの街では物価が安く、装飾品も高価な物はあまり売れない様なので、有名な商隊は手を出していない様だ。
貧乏農家達が、治安の良さを目当てに、西部の開拓を始めたらしい。でもそんなもの、ちょっと利益が出て来たら、すぐに誰かに目を付けられて潰されちゃうんだけどね。
噂話が面白くなるのは、更に此処からだ。
治安が良くなったと聞けば、当然すぐに新しい悪い奴がやって来る。お手軽に自分達が利益の上前をはねられると思ってだ。
でも、そいつらは、なぜ此処の治安が良くなったのかを考えていなかった。新しい悪い奴が来る度、それを阻止する奴がいた。
破壊神とスタンドさん。どうだい、都市伝説っぽい、噂話らしいネーミングだろう?
なんで噂話だって言うと、そいつを見た奴が居ないんだ。西部へ向ったと言われる、悪人グループはいくつもある。でも、そいつらの消息は誰一人知らないんだ。帰ってきたザコ一人いない。
なんで名前が分かっているのかって?そいつらが悪党を片づけて帰る所を遠くから見た旅の商人が、描いたスケッチを王都の住民が見て、うちの壁を壊した破壊神さんだ、って言ったのが元ネタらしいよ。
スタンドさんの方は元ネタすら無い。さっき言ったツグっていう商人が、西部にはそういう名前の神様がいるらしい、って言ったのが広まったらしい。
でも実際西部の治安は収まっていて、盗賊もモンスターも出ない。事実を踏まえれば、立派な都市伝説だろう?
破壊神とスタンドさん。
ツグ達の方針は、対敵必滅です。
命乞いとか聞きません。敵対した時点で、存在却下です。
仲間orそれ以外、の認識が凄いですね。




