XDAY マイナス7日
XDAY マイナス7日
古びた別送風の洋館の大邸宅に、トム・ベースら、ノーザン連邦共和国の特殊部隊の30人は終結した。
ノーザンの最大の武器製造メーカーバーゲージの息のかかった、建物だ。
所有者はコリス・ベイン、ジパングの貿易商で内務大臣のユリア伯とも親しい間柄だ。
建物の中央には、パルミール星の地図。その横には、改革派と称される、アジイ・ウツラエの屋敷の地図が映し出されていた。
「7日後にここ、アジイの屋敷にて、キア王子の帰還歓迎パーティが開かれます」
中央の画面を見ながら、アニー・ジムスが説明した。
「各地から改革派と呼ばれる、人間が呼ばれています」
30人は、おのおのの目の前の画面を見ていた。
全員、黒尽くめの男だ。
一騎当千という、顔や体格をしている。
トムらはブラックベリーと呼ばれていた。
ノーザンは現在5カ国で戦闘を行っており、ブラックベリーはその中でも、選ばれた、特殊部隊だった。歴戦の戦士である。
「今回は、この改革派を一網打尽に葬ると言うことですな」
コリス・ベインが言った。
「ま、全員と言うわけには、いきませんが、キアとアジイは葬りましょう。
ついでに、王子付けになっている、ローヤル・カワキという人間がいます。
彼が薬物におぼれて、発作を起こし、王子を殺したという設定にします」
アニー・ジムスが言った。ブラックベリーの中でも、今回、唯一の女性だ。諜報部門のやり手でもある。
「どうやって、ローヤルを釣る?」
トムが訊いた。
「ローヤルの友人のコンド・パーミルとつてをとってあります。」
「つてをね」
トムは笑って言った。
「具体的にどうするつもりだ?」
「コンドにローヤルを呼び出さして、薬で眠らせて、ブラックベリーの二人が黒衣で全身を覆って、王子と、アジイを射殺、逃亡する途中で、入れ替わり、射殺するという段取りです。」
「うまくいかなかったら、」
「その時は、周りに待機しているブラックベリーを突入、屋敷ごと爆発させます」
「テロリストのせいにするというのか」
「既にテロリストの一人を捕まえてあります。彼に爆死してもらえば、言うことはありません」
「この屋敷の護衛は」
「パルミール警察が関与しているが、わしの息がかかっている者がヘッドになっておる」
コリスが言った。
「ローヤルを除けば、たいした人物はいない」
「そのローヤルも、ピエロとして、死んでもらうわ」
笑ってアジイが言った。
「ピエロか。それはいい」
「これで、バーゲージの製品を大量に売り込めますな」
コリスは、笑って言った。
「全ては、コリス殿のおかげですな」
バーゲージの在パルミール駐留員のスイターレは笑った。
全員の笑い声が建物に響いた。
たかが、ジパングの王族の暗殺など、楽勝だな。
トム・ベースは思った。




