スタッド
「ボストン博士。オリオンの追っ手の妨害に成功しました。」
スタッド・バーミルは、機動歩兵F104から報告した。
「了解した。オリオンを誘導して、こちらに着陸してくれ」
「了解しました。」
スタッドはF104から信号弾を発すると、オリオンの前に立った。
フレクス104、科学立国で中立を保っているフレクスの最新鋭機動歩兵で、性能はベリアルの上を行くとされていた。
フレクスの傭兵部隊の主力機になる予定のものだ。
傭兵ナンバー20のスタッドは、その中でも優秀な一人だった。
「さて、少し試してみるか」
スタッドはにやりとすると発行信号を送り出した。
「我に続けか」
ローヤルが読み上げると、スタッドの104が急発進した。
「このやロ」
ローヤルは慌てて、オリオンを急加速させる。
「ほう」
スタッドは付いてきたオリオンを見て、急角度で旋回させた。
「何を」
ローヤルも慌てて旋回させる。
「ちょっとローヤル」
残りの4人は悲鳴を上げた。
ローヤルほど耐久性があるわけではない。
さすがのクリスもぜいぜいしている。
まだ、子供だ。無理もあるまいとローヤルは思ったが、
速度を緩めるつもりは無い。
黒塗りの宇宙船の前でスタッドは104を急減速して、停止させた。
ローヤルも逆噴射で合わせる。
「ぎゃ」
急減速に急激なGで、コンドが叫ぶ。
ピタッとローヤルはスタッドの真横にオリオンを止めた。




