九十三話 ラジオ②
「え、僕?」
「そう、りょーくん」
どう答えるのが正解だ?もしかすると白撫さん達も聞いてるかもしれないし、変なこと言えないぞ……!
「えーっと……」
コメントを見ると『言え!いけ!』『なーちゃんダルォ!?』『末長くお幸せに!』ともはや背中を押すようなコメントばかり。なんでこうなってんだ?普通のリスナーってもうちょい反発しない?
「うりうりー、どうなんだよー!」
小鳥遊さんは僕の隣に移動してきて、肘でつついてくる。
「ど、どうって言われても……」
どうとも言えなくない?
「もーりょーくんたら恥ずかしがり屋さんなんだから」
小鳥遊さんは正面に戻り、別の葉書を取り出した。
「じゃあつぎのおたより!えーっと、ラジオネームりょーやさんからいただきました」
「え、また僕!?」
「ううん、今回は本当のりょーやさんだよ、ほら」
「あ、本当だ」
今回"は"ってことはさっきは捏造かよ。アドリブ強いね。
「えーと、『同じ名前のりょーやさんに質問です』だって、りょーくん」
「う、うん」
なんだ?今日のパンツの色は覚えてないぞ?
「『今日のパンツの色を教えてください』」
「超能力者か何かかな!?丁度今そんなようなこと考えてたよ!」
「……りょーくん、日中にパンツの色を考えてたの?」
「ごめんこれは僕が悪いだがしかし誤解だ信じてくれ」
「………………ふーん?」
「ねえほんとごめんって」
「じゃ、読むよー!」
「スルーするんですね」
なんだか、小鳥遊さんの手のひらの上でコロコロ転がされてる気がする。ここらで反撃したいところだ。
「『同じ名前のりょーやさんに質問です』」
そこは同じなのか。
「『なーちゃんに一つだけなんでもできるなら、どんなことをしますか』だって!ふふ、私になにさせるの?」
そうだな…………エプロンつけさせて『ご飯?お風呂?それとも……』とか、小鳥遊さんも頭いいし、赤縁メガネにタイトスカートで手取り足取り腰取り教えてもらっても……
「りょーくん、顔」
「…………失礼」
「で、なにして欲しい?」
「そうだなぁ……案外合いそうだし、ミニスカナースで看病してもらいたいかな」
「……えっち」
「なんで!?…………いや、ごめん」
「まあ、りょーくんが言うなら、やぶさかでもないと言いますか……」
「え」
口では謝るものの、内心真逆で、コメントと同じ。『Fooooo!』『やるやん』『天才』など、どうやら正解を引いたようだ。と、そんなことを考えている間に小鳥遊さんがすごいこと言ってた。え、なに?やってくれるの?
「さ、さあ、そろそろ次のコーナーに行こっか!」
台本(A4の紙一枚の手抜き)によると、次はゲストとのコーナー、つまり––––
「『奈夢とりょーやの、かっぷるふりーとーく!』!」
「スタッフさん、めちゃくちゃ悪意ある名前つけてくれやがりましたね?後でちょっとお話ししましょうか」
「…………我ながら恥ずかしいセンスかも」
「小鳥遊さんが考えたのかよ」




