四十二話 邂逅
三日目。
五人全員が部屋に集まった午前八時半ごろ。
「なあ、もうここら辺には観光名所とかないぞ?」
翔太は不意にそんなことを言った。
「でもまだ温泉には行ってないよね?」
と、僕が翔太に言うと、
「でも、どこも同じようなもんだしなあ......」
とのこと。
翔太曰く、お風呂の形が違うだけで効能はあまり変わらないらしい。なら大きいの1個あれば良くない?と言うツッコミは厳禁。かわいそうだからね。
なーんて考えながら、どうするかを話し合う。
「とりあえず、勉強しましょうか」
どうも進まない議論を続けていたところ、白撫さんが言い放った。一里あるな。が、それを聞いた相模川さんは、
「え〜⁉︎やだよ〜‼︎」
と駄々をこねる。
みんなそれをいつものことのように眺める。けど、僕はいつもと同じようには見れなかった。まだ、昨日のことが頭の中から出て行かなかったから。
「......? どうかしましたか、一ノ瀬君?」
僕の方を見た白撫さんがそんなことを聞いてくる。
「……………………いや、なんでもないよ」
一瞬昨日のことについて聞こうかとも考えたけど、わざわざ離れてしていた話だ、僕ら三人には聞かれたくなかったんだろう。そう思って聞くのをやめておいた。
「? そうですか」
白撫さんは首を傾げたが、気にしなくてもいいと判断したのか、すぐに相模川さんを説教し始めた。
「未亜は学校において自分の成績がどれ程低いものなのか理解していますか⁉︎一ノ瀬君を見習ってください‼︎大体あなたは……」
「あーうるさいうるさい聞こえなーい」
ガミガミモードに入った白撫さんが、耳を塞いで机の周りをぐるぐると回る相模川さんを追いかける。
その様子を見て呆れた表情を浮かべた翔太が、
「ははは、もうその辺にして一旦飯食おうや」
と口にした。
「はっ、すみません」
「まったくも〜、私お腹減ってるんだからね〜?」
「ううう〜〜……」
ちょっと機嫌を悪くしたような感じで湯気を発しそうなほどに顔を真っ赤にした白撫さんの頬をむにむにと引っ張るお姉さん。そんな時間を引きずりながら朝ごはんを食べた後、相模川さんが再び話題を戻した。
「で、今日はどうするの〜?」
だが、チラッと白撫さんから視線を貰った翔太は一言。
「ま、そこらへんは勉強してから決めるか」
なんとも無慈悲な一撃。
そのあと、翔太が机の上に教材を広げ始めたため、半自動的に今日の勉強が始まる。その後もずっと抵抗していた相模川さんだったが、最後には白撫さんの威圧に負けて渋々といった感じで勉強を始めたのだった。
そうして、三時間ほど勉強した午後一時半ごろ。
「そろそろ切り上げて、昼食おうぜ」
とんとんとノートから消しゴムのカスを落とし始めた翔太がいう。
「そうだね」
僕もそれに同意しながら片付けていく。そして、視線を前に向けたところ。
「ぷすぷすぷすぷすぷすぷすぷすぷすぷすぷす…………」
相模川さんが口で音を出し始めた。あ、これそろそろ本格的にダメなやつだ。
それを見たお姉さんが、ポケットから飴を一つ取り出して相模川さんの口に突っ込む。
「ふああああ〜〜〜」
途端、相模川さんが魂が抜けたような声を出した。
「ぅう〜〜つかれた〜〜……」
「飯行くぞー」
完全に脱力していた相模川さんだったが、それを聞いて飛び上がる。
「いくいくーー!」
はあ……さっきも言ってたんだけどなあ……と言わんばかりの翔太の表情に苦笑しつつ、教材をしまって立ちあがる。
「なあ、結局今日はどうしたい?」
「んー……逆になにがあるの?」
そんな話をしながら旅館を出ると、正面に、なんっかたっかそーな車が停められていた。
「なんだろうね」
そうして、僕らがその車の横を通ろうとした時、その車のドアが開き、一人の男性が姿を現した。
そして、一言。
「おい、まどか。こんなところでなにをしている」
それは、思いもよらぬ人物だった。
「––––お父、様」
ここまで読んでいただきありがとうございます。
村人Bです。
いやぁ、なんか佳境ですねぇ!ヽ(・∀・ )ノ キャッ キャッ
急に出てきやがって……と思ってます。
前回の後書きで「そんなに気にしなくていい」みたいなこと書きましたけど、ガンガン気にしてください。もう、主役です(ちがいます)
まあそんな感じで盛り上がってきたところで、モチベも盛り上がってきています!
明後日が祝日で学校が休みなので、どうにか更新できたらな、と!
宿題がなかったら一日中描き続けて、五千字くらいのを出したいですね!
あ、でもでも、この前ラノベ七冊買ったので、そっちの消化に励むかもしれません( ˙-˙ )
一応描くつもりでは居るのと、なんなら明日暇だったら描くかもしれないので、よろしくお願いしますねー!(☆ω☆)
では、今回はここまでで!
ここまで読んでいただきありがとうございました!
村人Bでした!
ばいばいヾ(・ω・`)