三十二話 あぁぁぁぁん!?
それから落ち着くまで少し時間がかかった。いや、かかりすぎてもうお昼の時間だった。何にもできてないわ。
「……ごはん、どうする……」
「おう!えっとだな!」
僕が翔太に聞くと、翔太はツヤツヤした表情で答えた。こいつだけご機嫌なんだよな。
「ここに持ってきてもらってもいいし、下に食べるとこいくつかあるからそっちでもいいぜ!」
「一週間近くいるんですし、一度見に行きませんか?」
白撫さんがそう提案する。反対する理由もないので、五人で見てみることになった––––五人なんだよな……五人。
「じゃあ、良夜くんには私が案内してあげるわ!」
「あっ……はい……」
もう好きにしてくれよ。
「じゃ、行きましょ!」
僕はお姉さんに腕を掴まれ、引っ張られていった。
……むにむにしてる……むにむに……
その様子を、一歩引いた場所で他の三人がなんとも言えない表情で見ていたのはいうまでもない。
一通り回ってみたところ、寿司屋、ステーキ屋や和食全般が食べれる店、スイーツ店に和菓子屋その他諸々があった。
「どうする?」
一週してきたところで、相模川さんが言った。
「どうしようね……翔太、おすすめはどこ?」
「いや、俺どこも入ったことねえからわかんねぇや。姉ちゃん、どこがいいんだ?」
「んー……とりあえずファミレスでいいんじゃない?」
「安牌だな」
そう、ここにはファミレスもあった。なんでこんなにあるんだろう……ってくらいに店が入ってた。広すぎて何も言えなかった。
「じゃ、行こうか」
「うん!良夜くんいこ!」
……ああ……むにむに……
ということで、僕らはファミレスに入り、六人がけの席についた。それから各々が好きなものを頼み、ドリンクバーを取りに行った。
さて、ここがファミレスの一番楽しいところである。
ドリンクバー。それは我ら子供心を忘れぬ男子の味方であり、最大の楽しみ!これで今日のお昼ご飯の満足度が決まると言っても過言じゃあない!
そう、何種類混ぜるか、何対何で混ぜるか、どれくらい作るか、トッピングになにを乗せるか、全てが作用する、直感が支配する戦場なのであるっっっ!
なーんて考えながら、僕は翔太と並んでコップにジュースを注ぐ。
「お?なんだ、今日はシンプルだな」
僕がただの炭酸水に桃ジュースを混ぜていると、翔太が横からそう言ってきた。
「なに言ってんのさ、まだまだこれからだよ。さっき唐揚げ頼んだろ?ここのはついてくるレモンが輪切りなんだよ。つまり……」
ジュースに入れるのだ。美味しいかは、知らない。
「お前天才かよ」
「伊達にドリンクバーソムリエやってないよ」
「そんなソムリエがあるのか俺は知らんけどな」
と、話しながら席にもどる。何故だか僕はお姉さんの左側に座らされた……何故だかって言っても、理由はわかってるんだけどね。そして、向かい側には左から相模川さん、白撫さん、翔太だ。
それから少しすると、フライドポテトが運ばれてきた。
「んー……なにつけようかな……」
選択肢としてはケチャップにマヨネーズ、塩があって迷っていた。
と、横から
「ほら良夜君、あーん」
…………あぁぁぁぁん!?
「……嫌だったかな?」
いやっ、これは……
僕が躊躇っていると、若干目がうるうるしているお姉さんの顔が視界に入った。
「……あーん……」
「! はい、あーん」
ポテトが口の中に入る。ただ、恥ずかしすぎるせいかなんの味もしない。
「……ぅ、……」
「ぃ……ぃ……」
ふと正面を見ると、相模川さんと白撫さんがヒソヒソと小さな声で話している。
「? どうしたの、二人とも」
「あ、あー……いえ、なんでも」
そこまで白撫さんが言ったところで、相模川さんが遮った。
「あのね……まどかがあー」
「やめてください!」
白撫さんが相模川さんの口を塞いだ。
「むぐっ」
「や、め、て、く、だ、さ、い」
一文字発するたびに迫力が増していく。
「ね?」
「「「ひいっ」」」
その白撫さんを見て、僕ら三人は悲鳴を上げ、相模川さんはこくこくと首を静かに振った。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
最近の僕にしては珍しく二回目の更新!これは来てますよ!アレがああなってこんな感じで来てますよ!
ってことで、モチベが上がってきました。この調子なら、冬休みには爆速ですね(確信)( ー`дー´)キリッ
さすがに毎日とかは無理だと思いますが、できるだけ沢山書いて沢山更新しますのでよろしくです!
話は変わるんですが、今日体育でボール蹴ったら爪が少し剥がれて血が出たんですよね。大爆笑してました。ちなみに爆笑って複数人が笑うことをさしていることがおおいんですが、一人でも使えるみたいですよ。知らなかった(知ってた)
ところで皆さん、暖かくしてますか?ちゃんと暖かくしないと風邪引いちゃうので気をつけてくださいね!……ブルアックショェイ!( >д<)、;'.・(くしゃみの音)
ではでは、今回はこの辺で。次回もよろしくお願いします!




