反抗期の息子に殿下の処遇が良く効く
あら?貴女も王妃様の園遊会に??
私?出産して王都から離れていたのだけれど王妃様の園遊会が開かれるのと所用があって戻ってきていたのよ。
心配無さらないで夫婦仲なら問題ないわ。
王都に戻って来たのは夫婦喧嘩では無く長男がね…
ほら、ちょうど難しい時期で…反抗期と言うのかしら?
『こんな勉強しても意味はない。』
『なんの為の勉強なんだ!』
注意すると『それは貴女の価値観ですよね。』
…とか言い始めて。
そこに王妃様から園遊会の招待状が届いたので長男を連れて王都の実家に挨拶がてら少し早めに出てきたの。
真面目に勉強しない人の顛末はアレですよ、と第一王子を見せたらよほどショックだったらしくずっと黙ったままよ。
王妃不在の夜会で第一王子は王妃お気に入りの婚約者を冤罪で断罪しその夜のうちに南辺境にいる王弟の妻として王都から追放する騒ぎを起こした。
慌てて王都に戻った王妃が悪鬼の如く第一王子に掴み掛かり凄まじい力技で髪を毟った…それも抜かれた一部は頭皮ごとだったと聴いたわ。
自身のお腹を痛めて産んだのに可愛さ余って憎さ百倍だったのかしらね。
王子の顔は恐怖で歪み、その夜以降も以前の美しい面影は戻っていないそうよ。
抜かれた髪も毛根に致命的なダメージがあったのか斑にしか生えて来ない有様だと言うわ。
王位継承権は剥奪されたが王族としての籍は何故か抜かれなかったそう。
毒杯が賜われない代わりに与えられたのは魔法強化硝子で作られた檻で王都の広場から見易い位置に硝子の檻を設えたのよ。
この魔法強化硝子が厄介らしくて強化硝子なので投石や打撃程度では割れない造りになっているの、まぁ隕石やドラゴンのブレスに対しては流石に耐久に問題があるかも知れないけれど…。
これに加えて『魔法』が付加されていて中の元王子の声は漏れ聞こえない造りになっている一方で外の音は些細な物も拾って中に聞こえる造りになっている訳。
投石・暴言はぶつけ放題で反論できない仕様なのよ。
王位継承権を剥奪したけとあえて王族の籍を抜かずに民へのサンドバッグとして硝子の檻で生涯を過ごす。
真面目に勉強せず遊び放題だった者の末路だと息子に見せたら震えていたわ。
硝子の檻でひたすら保管期間を過ぎた帳簿を刻んだり王族が使う封筒を折ったりする作業を延々と繰り返し少しでも休むと広場にいる酔っ払いが『働けー!』と言って空の酒瓶を投げつけるの。
さすがに息子もマズイと思ったのかしら?今日は文句を言わず書き取りをしていたわ。
あら?貴女まだ硝子の檻を見ていないの?
園遊会の会場からは見えないけれども会場に着くまでに近くを通ると思うわよ。
そういえば、原因となった平民の特待生は未だに行方が分からないらしいわ。
元王子を見捨て逃げた平民など王宮の騎士団も真面目に探さないとは思うのだけれど…。
話が暗くなってしまいましたわね。
そういえば園遊会の会場から王妃様の薔薇がよく見えるらしいのだけれど今年は今まで見たことないくらい見事な花をつけているらしいわ。
きっと良い肥料をいれたのね。
次回、ヒロインに戻り
『副作用に責任を持てません。』




