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つながらない物語  作者: 半信半疑
26/31

26 宙ぶらりん

 たしかにここにあったはずだ、と。

 ピエロが泣き顔で呟くのを、私は黙って聞いていた。

 遠くの空に浮かぶ雲の行く末を知る者はいないまま。


「花が散るのは運命かしら」


 綺麗な人は中指を折って去ってしまった。


 巨大なミミズクの羽音に驚き、口に諸悪の根源を投げ入れる。

 夢中で走りまわった日々が懐かしく感じられた秋の日の午後。

 公園で彷徨う一匹の幽霊を見つけ、探し物を尋ねる。


「みつけにくいものです」


 寂しげに顔を伏せる。

 足は透けていた。

 妄想と現実が溶けあっている夕方なので、あの人は正気を失っているのだ。

 もれなくついて回る噂話に辟易し、夜中に叫び声を上げたくなる飛車。

 核酸はデオキシリボ。


「鼓動はおよそ半年で息絶えることだるぉ」


 老人の迷い音を聞きながら、月の光にその身を晒した。

 首は未だにつながっていた。

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