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ありとあらゆる未来のある鼠として転生したから好き放題生きていく【旧】全ての可能性がある鼠に転生(仮)  作者: リント
第3章

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138話

大人しく聞いていたフレデリックがつまらなそうに欠伸をしながらロワに尋ねる。


「ふぁあ……で?それが何で封印に繋がるの?最高神にとっては不都合かも知れないけど封印するほどじゃないよね?」

「簡単な話ですにゃ。アレを使えば誰でも簡単に、子供であろうと神を殺せるからですにゃ。」


淡々と告げるロワの言葉にアレクシスとフレデリックは言葉を返せない。


「それだけではないですにゃ。樹液はすべての傷を治せる万能薬。果実を口にすればこの世界に蓄積されたすべての知識を手に入れることができますにゃ……」


冷たい視線でフレデリックとアレクシスを見つめる。


「……それを表に出すことを貴方は理解しているんですかにゃ?誰でも神を殺せる、誰も死なない、何でも出来るようになる知識。……もう一度聞きますにゃ。理解してますかにゃ?そんな物を世界に再び出す意味を。」


言い返せないね。……けど使わない手も無いんだよね。それで、僕の目的が達成出来るなら使わせてもらうよ。そのせいで僕が死のうともね。


何も返せないフレデリックの意思を確認するように目を凝視するロワ。フレデリックの真剣な目に気がついたロワは逸らさずゆっくりと目を瞑る。


「……考えがあるならいいですにゃ。」

「……僕にはフレイの考えがよくわからないんだけど……」

「あはは、何時かわかるよ。さて、ロワを皆に紹介したいし一度帰ろうか!」

「……ごまかされた気がするんだけど……」


ジト目で睨み続けているアレクシスとロワを抱えて壊れたダンジョンの外へ出るためにゆっくりと高度を上げる。外は既に薄暗く星や月が静かに輝いている。


「ねぇ、フレイ、どうやって帰るんだい?飛んで帰るにも日が変わると思うよ?」


地面に降ろす頃には機嫌が戻ったのかアレクシスが空を見ながらフレデリックの尋ねる。


「まぁ、普通に帰ればね。」

「ならどうやっ、ええ?!」


フレデリックがパチンと指を鳴らすとフレイルの城の中庭移動する。その光景に驚いたアレクシスを見て悪戯が成功した子どものような笑顔を浮かべる。


「一瞬だったでしょ?」

「……こんな事ができるなら空を飛んで移動する必要なんかなかったんじゃないのかい?」

「うーん、1度行ったことが有る場所じゃないと無理っぽいかな?試してないけど多分ね。」


フレデリックの返答に少し納得していないアレクシスがため息をつく。


「……はぁ、とりあえずこのことは後で話すとして今はロワを紹介しようか。」

「そうだね。あ、今は無理かも。」

「どうしてだい?」


うーん、答えるのは良いんだけど多分意味がわからないよね……だって僕も意味がわかってないもん。なんでカイとカーラインが泣いてるんだろうね?



────────

カーラインSIDE────


フレデリックが服の裾を引きずりながら城の入り口に着くと俺を降ろす。


「入って良い?」

「兄貴、構わにゃいですがそちらの方は?」

「カーラインだよ。一応協力者になって貰う予定だから連れてきたんだ。」


フレデリックの会話を正直聞いてることしか出来なかった。……理由としては簡単だ。城の入り口には何故か猫耳の生えた筋骨隆々のエルフ、ドワーフ、そして2つの獣の特徴を持った獣人か立っていたら普通の人は固まるだろ。


フレデリックの紹介ということですんなり入ることが出来たが何故か彼らは同情するような目で俺を見ていた。


城の中を歩いていても普通の人が1人も居ない。いや正確にはムキムキで猫耳の生えた色んな種族が普通に仕事をしている。


誰も疑問に思っていないというか当たり前のように生活をしているのを見てフレデリックに尋ねてみる。


「……なんで猫耳が生えててエルフですらムキムキなんだ?」

「うーん、ムキムキになった原因は知らないかな?猫耳は僕のスキルでステータスを強化したら生えちゃったんだよね……あ!もしかして耳欲しいの?」

「いらんわ!……はぁ、大体アンタのせいか……もしかしてこの国のトップもか?」

「流石に違うよ。もー僕が諸悪の根源みたいな言い方止めてよ!」


頬を膨らませたフレデリックに対して『いやそうだろ』と思ったが面倒になる気がして口に出さなかった自分を褒めたいところだった。


城の中をフレデリックの案内でついていく。立派な白にも関わらず手入れが行き届いていないのか少しホコリが溜まっているような気がする。


そしてここでもすれ違う人全てが俺に対して同情的な視線を送ってくる。そして廊下の向こうから大量に書類を持った女性が書類を読みながらゆっくりと歩いてくる。


普通の人間も居るのかと考えながら女性を見ているとフレデリックと俺の存在に気がついたのか走って近づいてくる。


「あ、フレデリック、貴方帰ってきてたの?ねぇ、その横人はだれかしら?ってそれマイケルのじゃない……しかも引きずって……」

「僕は分身だよ。新しいおも……協力者を見つけてきたから紹介しに来たんだ。」


俺に対しての同情的な視線の理由がわかった気がするがここまで来て帰れことが出来そうになかったので自己紹介しておくことにした。


「カーラインだ。よろしく頼む。」

「へぇ、カーライン、カーライン?!」


俺の事を知っていたのか軽く距離を取る。まぁ、当然か。勇者とは名ばかりの殺し屋として有名だったからな。


「……もしかしてアレクシスの国の何代か前の勇者よね?気に入らない貴族を殺したって有名なのよ。」

「ふーん、そうなんだ。なら僕と同じだね!だってこの国の王族は全員殺したし貴族も大半は死んじゃったしね!」

「まぁ、そうなのだけど……はぁ、いいわ。貴方に今更何か言っても意味がないってわかってるから。」


そう言うと警戒していたのを止める。正直自分でも言うのは何だがかなりやらかしているはずなんだがな……


「ライラよ。一応この国の大臣ね。」

「よろしく頼む。」

「あ、カイって何処に居る?僕何処に居るのか知らないんだよね。」

「カイは、そこの角の部屋に居るわよ。私はこれを持ってギルドに行かないといけないからここで失礼するわね。」


去り際に俺を同情的に見ながら俺にだけ聞こえる声でぼそっと


「彼の相手は大変だと思うけど頑張るのよ。」


俺がコイツの計画に乗る前に聞きたかった言葉が聞こえる。少しため息を付いていると先に歩き出していた頭の可笑しいやつが急かすように声をかけてくる。


「ほら、早くして!僕だって暇じゃないんだから!」

「わぁったよ。おっさんを急かすんじゃねぇよ。」


俺がドアの前まで着くといきなりドアを蹴破り中に入っていくフレデリック。


「やぁ!カイ。」

「……ノックをしろ……で、何の用だ?」


そう言い椅子に座っている男の姿には見覚えが有った。



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