あのさぁ、俺。
「呼ばれた気がしてきたぜ」
帰れ。俺は眠いんだ。
「読んでねーのかよ」
アクセントが違うぞ。
「呼んでねーのかよ」
そう、そのアクセントでOK。おやすみ。
「おい。起きろ」
寝かせてくれ。俺は眠いんだ。あいつの影響で。
「あー、そういえば名前つけちまったんだっけ?」
そう。面倒臭がりだよ。つぅことで、眠い理由がわかったところで帰れ、この壊したがりめ。俺の安眠時間まで壊す気か?
「え?」
え?何その、『その通りだが?』って顔は。あれか?いじめか?
「俺様は眠くねーんだけど?」
俺は眠いの!分かって!察して!
「だが断る」
断るな。帰れ。
「だが断る。俺様も暇なんだよ」
暇なら寝ろ。俺も寝るから。
「はーなーそーうーぜー!」
だが断る。眠いからな。隠したがりにも負担がかかる。
「え、分裂体のやつ、立ち直ったのかよ」
立ち直りやがったよ。だから認めてやれ。あいつは『隠したがり』だ。
「へー。で、その隠したがりがなんだって?」
アイツに負担がかかるから、俺はもう寝なけりゃならん。だから、帰れ。
「だが断」
『だがだん』って何?もはや断ることすら面倒臭くなったのか?面倒臭がりみたいになるぞ?
「だが」
省略しすぎだ。もはやただの接続詞にしかなってねぇよ。
「……」
……。
「眠いな」
だから、さっきから、言ってる、だろ?だから、か・え・れ!
「分かった、帰ろう。騒いだら俺様も眠くなってきたぜ」
やっとか。
「だが、俺様は壊したがりとも言われた男。だから、この眠気すらもこわ」
さなくていいから、さっさと帰れ。素直に寝ろ。俺らに迷惑だ。
「すまん。じゃあな」
……やっと帰ったか。まったく、せっかく人が寝ようとしてるのに、まるで見計らったように来るのは勘弁してほしいぜ。
つぅことで、俺は寝る。邪魔すんな。
……つぅか、眠いのはみんな、面倒臭がりのせいじゃね?