117 ぽん太郎
ローソ……ゲフンゲフン(*°∀、°*)
タヌキ様Ω\(-ω- *)チーン ポクポク
「あ、おーい!暁斗、シロちゃーん!」
川から戻ると、家の裏手で麗奈姉さんがタヌキと戯れていた。その光景に驚く琥珀だが、見慣れた光景なので俺は気にせずに言った。
「麗奈姉さん、またその子と遊んでたの?」
「そうだよ〜!ぽん太郎とはあんまり会えないからね〜」
「えっと、麗奈さん……」
「もう!シロちゃん!私のことはお姉ちゃんって呼んでよー」
「え?えっと……お、お姉ちゃん……」
「うん!よく出来ました」
従姉妹の中で一番明るい麗奈姉さんのテンションにまだ慣れてないからおっかなびっくりな琥珀だけど、そのうち慣れるだろう。そんなことを思っていると麗奈姉さんが愛でていたタヌキのぽん太郎が琥珀に近づく。
「えっと……タヌキなんですよね?」
「田舎だと珍しくないけどね〜」
「この子なんか凄く人に慣れてません?」
「そりゃ、私が子供の頃から世話してるもの!」
エッヘンと胸を張る麗奈姉さん。悲しいことに琥珀より年上でも、発展途上ながら豊かになってきてる琥珀の胸に比べるとまな板クラスな胸を張っているのだが、そんなことは口が裂けても言えないし、墓場まで持っていくつもりだ。
そんなことを思っていると琥珀がおっかなびっくりにタヌキの頭を撫でる。無抵抗すぎて野生を捨ててるのだが、琥珀は撫で心地に満足そうに微笑んでいた。
「シロちゃんって、動物好きなの?」
「えっと……詳しくはないですけど、可愛いので好きです」
顔を赤らめてそんなこと言われたら勘違いしそうになる。ぐっ、今の台詞は録音したかったのに……!
「そっかー、私も結構好きなんだよね〜」
「麗奈姉さん、昔から人間にも動物にも好かれやすいしね」
「そうかな?確かに友達は多いかなぁ」
社交性というか、コミュ力がめちゃくちゃ高いので、男女問わずモテるのだろ。
「凄いですね。私、あんまりお話得意じゃなくて……」
「その代わり、シロちゃんには暁斗が居るから大丈夫だよ!」
「ふぇ?そ、それは……はい……」
全く、麗奈姉さんめ。嬉しいことを言ってくれるぜ。
「そうだね。琥珀のそばにずっと居るからね」
「あっくん……うん!」
「あーん!私も混ぜてよ〜」
さりげなく琥珀に抱きつく麗奈姉さんだが、まあ、ギリギリ独占欲を抑えてみせる。姉というポジションなら文句はない。家族での交流は必要だし我慢もできる。ただ後で琥珀を更に愛でてもバチは当たらないよね?
ぽん太郎の視線が『ドンマイ』と言ってそうな気がした。この子は確かメスだったような……賢いぽん太郎に目礼をしておく。




