114 お疲れ父さん
(´・ω・`)ノ どんまい
「はぁ……」
リビングの片隅で疲れ切ってる我が父。それはそうだ、昨日からずっと祖父と言い合っていたのだから。大抵実家に戻った時のテンションはこれだが、多少は哀れにも思う。
「大丈夫?」
「……暁斗、年末年始、父さんは仕事が忙しくて来れない。いいよね?」
「それをしたら、叔父たちに恨まれるそうだけど?」
「だよねぇ……」
ある意味婿達への複雑な感情全てをぶつけられてるので、分散すると面倒になりそうだ。実家に来る度に仕事より疲れてるのはなんというか気の毒だが。
「まあまあ、お祖母ちゃんのご飯好きでしょ?」
「それはね、でも、紗希のご飯の方が僕は好きなんだよね」
近くで聞き耳していた母があからさまに喜んでいた。ちょろい母だが、好きな人にはちょろくなるのだろう。俺だって琥珀にはちょろ甘な自覚あるし。
なお、父のストレスの元凶である祖父は畑仕事で出ており、もう少ししないと帰ってこない。つまり、寝る時以外で父が唯一ゆっくり出来る時間なのだ。
「夫婦円満のようで、息子は嬉しゅうございます」
「まあね。その幸せ税だと思うしかないかな?」
「その考えだと、俺もこっちに来る度に琥珀との幸せ税取られることになるんだけど?」
「うーん、暁斗の場合は従姉妹達に琥珀ちゃんを取られるかもね」
なるほど、それなら確かに幸せ税かもしれない。まあ、簡単に渡すつもりはないけど。
「そういえば、お義母さんえらくご機嫌だったけど、琥珀ちゃんとの料理楽しんでるみたいだね」
「琥珀も、お祖母ちゃんの腕前見て感動してたからね」
多分、それだけが理由ではないが。祖母とは昨日の夜に少し話して、色々アドバイスを貰ったからね。でも、前の時は祖母からそんな話を聞いたことは無かったが・・・まあ、あの時の状況だと言えるわけないか。
「はぁ……この後は畑仕事で扱き使われるのかぁ……」
「俺と琥珀も少し手伝うから、その時は多少お祖父ちゃんも落ち着くと思うよ」
まあ、琥珀の体力を考えて本当にお手伝い程度にするつもりだけど、祖母も琥珀に色々と教えたいことがあるらしいし、従姉妹達とも遊びたいだろうし、何より俺との2人きりの時間も必要だからね。
「あなた」
「ん?」
「頑張ってね♪」
「……分かったよ」
思うに、父もちょろいな。母のこんな小さなエールでやる気になるなんて。まあ、同じ男として分からなくはない。俺も琥珀から『頑張って』なんてチアガール姿で言われたら何ヘクタールだって耕してみせるさ。
2人きりの時はアンダースコートは無し……いや、あっても太ももとか眩しそうだ。琥珀たん恐るべし。




