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ウェルヴィーア~邪神と戦えと異世界に放り込まれたオレ(♀)の苦労話をしようか  作者: タカハシあん


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95 カレー

「ボス、大猟だ!」


 三時のおやつをいただいてると、やっとイビスが戻って来た。遅いよ。


「いや、すまない。ついおもしろくなって時間を忘れてしまった」


「イビスにそんな童心なんてあったっけ?」


「おいおい、わたしはキルマシーンじゃないんだから感情くらい持っているぞ」


「それは失礼。これからは人として扱う」


「……いや、人扱いされてなかったことにショックなんだが……」


 いや、人としては見てたよ。ただ、別次元の人と認識してただけさ。


「それより角猪をこちらに移して」


 それぞれに渡してあるアイテムボックスは繋がっているし、強制的に移すこともできるが、個人のも入ってるので、緊急性がなければ個人のアイテムボックスはノータッチにしてます。


「はいはい。なんでもどうぞ」


 イビスのアイテムボックスからオレのアイテムボックスに角猪が移される。


「大猟すぎない!?」


 大猟と言えば大猟だけど、百匹以上を狩るのを大猟と区分していいのか?


「いや、あいつら光と音に弱くてね、集団にスタングレネードを投げ込むとおもしろいように気絶してくれるんだよ」


 ……カエルのケツに爆竹入れて破裂させる子どものノリだな……。


「そう。光と音に弱いのか。いい事知った。じゃあ、スタングレネードの量産、お願い」


「……人として扱って欲しいのだが……」


「うん。人として扱ってる」


 ケダモノなら殺してるし、天使なら昼夜を問わずこき使ってるよ。


「……わたしは、守護天使らしく敬ってもらいたいわ……」


 よっ、守護天使! 君は守護天使の中の守護天使だよ! 愛してる! で、いいかい? なんなら毎日線香でもあげてやるぜ。


「……おやつに紅茶とケーキを出してくれるだけで充分よ……」


 ハイハイ。高貴な守護天使様のために美味しい紅茶とケーキをお供えさせていただきます。


「皆。そろそろ戻って来て」


 周辺の探索に出た皆を呼び返す。


 そう遠くにいってないようで、五分もしないで全員が戻って来た。


「ご苦労様。狩れた?」


「はい。大猟です」


 さすが弓が得意な種族だ。この短時間で二、三匹は狩って来たよ。


 ……これで肉を食えたら弓の腕も報われると思うんだがな……。


 まったく食べないと言うワケじゃないが、胃が消化してくれないそうだ。ただ、ウサ肉コロッケはウケはいいな。エルフの間では大ブームを起こしてるよ。


「なら今日はコーン入りパンとコロッケパンを作る」


「ありがとうございます!」


「やったー!」


「選ばれてよかった~!」


 そう喜ばれると張り切らないワケにはいかないな。美味しいものを食わせてやるよ!


 チョロいな。とか言わないで。求められたら応えたくなるのが人間です。


 ローブのアイテム工房でコーン入りパンにコロッケパンを作り、角猪を一匹解体台の上に出す。


 ……元の世界の猪とそうサイズに変わりはないな……。


 人を襲うことはなく、作物を荒らす魔物。邪神は直接的、間接的に世界を壊そうとしている。


 たぶん、角猪は作物を荒らす目的と食用として世に放たれ、人の暮らしに欠かせなくなったら消してしまうんだろう。あくどいと言うか陰湿と言うか、世界を滅ぼすのではなく人を滅ぼそうとしてるとしか思えないな……。


 ここでリリーが突っ込んでくれたりもすればオレの推察を後押ししてくれるのだが、邪神にかんすることは絶対に口にしない。まるで神と邪神の間で取り決めがあるかのようにな。


 まあ、そんな神々の事情など地ベタで生きる人間には関係ない。人間は人間の事情で生き抜くまでだ。


 手のひらの創造魔法で血抜きし皮を剥ぐ。


 今回は右脚だけを切り取り、残りはアイテムボックスに戻す。


 薄く切って竈で炙って試食。う~ん。悪くはないが、ちと堅いな~。熟成させたら違って来るかな?


 アイテムボックス内の時間停止しない場所に解体途中のを移して、明日また食べてみよう。


「カレーならイケるかな?」


 前世じゃチキンカレーが好きで牛や豚は食べなかったが、カレーの風味で誤魔化せばイケんだろう。


「イビス、カレーって食べられる?」


「カレー? ああ。食べられるとも。むしろ好きな食べ物だ。同じ部隊にいたジャパニーズがよく作ってくれたよ」


 そう言う前世話は出すんじゃないよ。気になっちゃうだろうが。


 好奇心を振り払い、鉄鍋だして角切りにした角猪の肉を炒め野菜をブチ込み、圧力鍋のように魔法で包み込んで薪を竈に放り込んで煮る。


 いい感じになったら火を弱めて甘口のカレールーを入れてかき混ぜ、仕上げに蜂蜜を入れる、だったっけ? まあ、カレーは魔法の食べ物。雑な作りでも美味しくなるさ。


 ご飯は手のひらの創造魔法で創ります。てや!


「──うん。いい匂い」


 やはりカレーは魔法の食べ物。ハラショー! って、ハラショーってなんだっけ? ノリで言ってみたけどよ。


 ご飯を盛ってカレーをかける。さあお食べ。


「美味い! カレーだ!」


 うむ。たくさん食べるとよい。


「おねーさんもどう?」


 なにか食べたそうにしてるので尋ねてみる。


「いただくわ」


 そうかいそうかい。おねーさんもたぁーんとお食べ。いっぱいあるからさ。


 おねーさんに盛ってやると、エルフたちも食べたそうにしてたので盛ってやる。


 エルフたちの口にも合うようで、カレーは大盛況。あっと言う間に空になってしまった。


 ってか、オレの食うのがねーや。


 まあ、カレーはいつでも食える。今日はコーン入りパンとコロッケパンをいただきますか。モグモグゴックン。うん。これもイケるな。


 皆の胃が満足したら野営地を片付け、町へと戻った。


 うん。今日はいい日だったぜ。


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