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ウェルヴィーア~邪神と戦えと異世界に放り込まれたオレ(♀)の苦労話をしようか  作者: タカハシあん


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72 極大爆裂魔法(笑)

 昼になり、皆が一旦戻って来た。


「物資回収はどう?」


 働く皆に食事を振る舞い、落ち着いたところで尋ねた。


「物が多くて四軒しか回ってません」


「おれもです。なるべく大きな店からと思いまして」


「わたしは二軒です……」


 う~ん。芳しくないなぁ~。まあ、町のすべて、なんて甘い考えはしてないが、予想より回収具合がよくなかった。


「わかった。午後もよろしく。合図を送ったら火を放って撤退。わかった?」


 了解と皆が頷き、午後の仕事へ出ていった。ご安全に~。


「ねーちゃん。午後からは町の中心部にいって欲しいんだ」


 第一壁内は上級民が住む場所で、たぶん、なにかあるところだと思う。オレの勘がそう言っている。つーか、なにもないと思えるほど楽観できねーよ、オレの人生はよぉ……。


「わかった」


「なにかいるから注意してね」


「なにかってなによ?」


「それがわかるなら苦労しないよ。だから、いる前提で動いてね。ダメだと思ったらすぐ退く。深追いしたらダメだからね」


 命大事に。生きて戻ることが勝利である。


「リンがそう言うならそうするよ」


 素直なねーちゃんでなによりだ。


「万能偵察ポッドを二つ、つける。万が一のときは『自爆、五秒前』で逃げてね。家を二十軒くらいなら余裕で吹き飛ばすから」


 イモ一千個分の魔力を込めてるからさ。


「……五秒で逃げるの無理じゃね……?」


 そう? ねーちゃんならできると思うけどな。


「ま、まあ、そうならないように動くよ。うん」


 なにか自分を納得させ、第一壁内へと向かった。いってらっしゃ~い。


 さて。オレは町のマッピングだ。第二壁内はあとちょっとで完成する。


「しかし、カイヘンベルクはデカいよな。五万人くらいいんじゃね?」


 町と言うより都市だろ、これ。町と言い張ってるヤツちょっとオレの前に出て来て町の定義を納得できるまで語れや、クソが。


「住宅地は捨てるとしても、商業区と倉庫区は回りたいな~」


 いや、二つは欲張りか。一つが精一杯だな。


「金を取るか物資を取るか。悩ましいぜ」


 限られた人数でやりくりせんとならんとか、もう家計簿つけてるみたいだぜ。


 人を増やしたいところだが、偵察の体で来たので今さら増やすことはできない。いまいる人数で対処しなければならんのよね。ハァ~。


「ままならんな~」


 考えれば考えるほど落ち込んで来る。まったくクソな世界だぜ。


 って、イカンイカン。思考がネガティブになっている。思考はポジティブに。明るい未来を信じろだ。


「ちょっと体を動かすか」


 下手な考え休むに似たり。体を動かして頭をすっきりさせましょう。


「リリー。マッピング見てて」


「あら、ついて来いとは言わないのね?」


「ついて来たいのならついて来ていいよ。死体回収だからね」


 本当は物資回収にいきたいところだが、我を忘れそうなので止めておきます。まあ、死体見てても我を失いそうだがよ……。


「シルバー。いくぞ」


「ガフ?」


 完全にオフ態勢。お前、野生を失ってないか? 失ってたら戦場に放り込むからな。


「ほれ。関係死体回収にいくぞ」


 シルバーに跨がり、ジェスたちが重ねた死体の山に向かう。


「……主は子らを愛するね。オレら選ばれた者たちはその愛に含まれてるのかね……?」


 フッ。益体やくたいもないな。生きたければ戦うしかないんだからよ。


「ガウ!」


「どうした?」


「ガウガウ!」


 はぁ? 死体が動いた? なに言ってんだお前は? 死体が──動いたぁ~~!?


 な、なんやねん! なんで動くねん! 意味わからんわ!


 死体が気持ち悪く蠢き、肉が、肉が、オェ~!


 あまりの気持ち悪さに吐いてしまった。


「……な、なんなんだよ……?」


 肉は蠢き、一つになり、なんか肉のスライムって感じになった。


 吐き気を堪えながら>っと鑑定。


「……通称、ビジューナー……」


 ほんと、誰がつけてんだよ? 魔物学者でもいんのか?


 ぷるんと肉スライムが揺れる。


「──ガウッ!」


 シルバーが吠えて後ろへと飛んだ。


 野生が失ったとか言ってごめんなさい。君の野生に大賞賛を送ります。


「邪神が、こんな仕掛けを用意してるとか悪辣すぎんだろう」


 さらに>っと鑑定。弱点はどこや?


「……中心部の核を破壊すればいい、か。って、誰か倒したのかよ。スゲーな……」


 ダンプくらいあるもんを倒すとか、オレと同じ転生者か?


「リンより皆へ。死体が集合してビジューナーと言う肉スライムが現れた。死体は一カ所に集めないように」


 もう集めないだろうが、一応、傭兵団員に報告する。


「リン様、大丈夫なんですか!?」


「問題ない。ただ、わざと暴れるから気にしないで」


 毒液と呪毒を放つらしいが、フードを被れば猛毒から呪いまで完全シャットアウト。動きも鈍いので、それほど脅威ではない。


 それに、鑑定と光の指輪を使えば核を撃ち砕くなどチョー簡単。恐れることはなにもない。


「シルバー。下がってろ」


 さすがにシルバーに戦わせるのは惨いことになりそうなのでオレが一人で相手します。


 お前にできんの?


 と、おっしゃる方よ、心配めさるな。我が手のひらの創造魔法は攻撃魔法だって使えます。


 神の強制とは言え、せっかくファンタジーな世界に生まれたのだからイ〇ナズンとか使ってみたいやん。


「フフ。派手にイケや、イオ〇ズン!」


 なんてノリでやって大後悔。ゲームの魔法はゲーム内だから成立するんであって、現実世界でやったら大惨事。めっちゃ大爆発に飲み込まれましたとさ。めでたしめでたしっと……。

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― 新着の感想 ―
[一言] イ〇ナズンは両手で使う魔法らしいw
[一言] 町の中でイオナ○ンはダメだろうww
[良い点] リン、頭いいのか悪いのか…… [気になる点] 主人公は一般よりは強いけどネームドあたりには勝てないくらいの立ち位置かと思いきやそんなことはなく普通に強いキャラっぽいです? [一言] フレン…
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