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ウェルヴィーア~邪神と戦えと異世界に放り込まれたオレ(♀)の苦労話をしようか  作者: タカハシあん


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59 ドワーフ

 この冬、ドクターリンの戦いが始まる。カミングスーン。


 って感じて言ってみたが、オレの戦いはとっくに始まってます。


 さすがに一人での治療は大変と、回復魔法に興味がある者を集めたのだが、結構な数が集まってしまった。


 希望者、十二名。エルフが九名。ドワーフが三名だ。


 エルフは魔法に特化した種族なので興味を持つのもわかるが、ドワーフが興味を持つとは思わなかった。ドワーフと言ったら鍛冶をしてるイメージだったんだがな。


「ドワーフは凝り性なだけだ」


 なんで? って訊いたら髭もじゃなドワーフが教えてくれた。ちなみにゴッズと言う名でまだ十九歳だそうです。


 前世の知識と今生で習得した魔法を集まった者らにコピーをする。どや?


「……凄い。人の体とはこうなってるのか……」


「なんと言う魔法だ!?」


「微生物、ウイルス、寄生虫。興味深い」


 などなど、皆さん知的好奇心に溢れた方々だ。きっとよい回復魔法師になることだろう。


 任せる相手ができたら任せるのがオレのモットー。たくさんのじっ──経験を重ねて大きく育ってくださいませ。


 治療から外れたオレは、次の仕事に取りかかる。


「村長代理。使ってない倉庫か使っていいのを一つちょうだい」


 村人に説明し回ってる村長代理を捕まえておねだりをする。


「な、なにに使うんでしょうか?」


 すっかり下手に出ちゃってる村長代理。村の纏め役なんだからもっと横柄に出ちゃっても構わないのよ。こんなお子さまにおもしろくないでしょうに。


「とんでもございません! 魔女──リン様のお陰で村は救われてるのですから!」


 魔女って、またなんかオレは魔女と認識されてんのか? 魔女っ子ならまだしも魔女はなんかイメージ悪いよな。いやまあ、聖女扱いされるよりはマシだけどさ……。


「倉庫ですね。こちらです!」


 逃げるように倉庫へと向かう村長代理。魔女って禁句なのか?


 で、その倉庫は古くはあるが、レンガ造りのしっかりしたもので、中にはボロい荷馬車や農機具なんかが収められていた。


「どうぞお好きに使ってください」


「中のも使っていいの?」


「はい。構いません。廃棄するのが手間で、そのままにしてたものですから」


 なら、ありがたく使わせてもらおう。


「あの、リン様」


 ん? なによ?


「ロウル議員に魔物による被害を報告したいのですが、よろしいでしょうか? 死んだ者もおりますし、税も免除してもらいたいので」


 ああ。そう言うのはあったね。報告はちゃんとしないと。


「うん。して。魔物はねーが倒したことにすればいい。都市の上のほうまで知られてるみたいだし」


 あ、そう言やオレ、じーちゃんの名前とか地位とか知らんわ。機会があれば訊いてみよう。


「わかりました。そう説明します。では」


 村長代理さんがいなくなり、この度、オレの秘書に任命したエルフ少女──ミレイズにお願いして工作が得意な者を集めてもらう。


 で、集まったのはドワーフの……おっちゃん? 髭もじゃでよーわからん。


「ここに秘密倉庫作る。地下二階まで掘り進めて脱出口を三カ所作る」


 手のひらの創造魔法で全容図を創り、おっちゃんらに見せる。


「リン様。なんのために作るんだ?」


「万が一の避難場所兼物資補給所。ラオ村にはグランディール傭兵団の食を供給してもらわなくちゃならないから」


 もちろん、それは建前。転移装置を設置するためだ。


 転移。回復魔法と並ぶくらい必要な魔法だ。


 手のひらの創造魔法でやるには結構手間がかかり、魔力も莫大に消費するのだ。


 何度か試したが、熟練度を上げる前に魔力がなくなるし、魔力に余分がない。イモ四万個分の魔力を使ってられんわ。


 それでも転移は欲しい。なので装置として設置し、他人様の魔力でやろうと思うワケですよ。


 二百人ちょっとの村でグランディール傭兵団を賄えることは不可能。なら、なぜ固執したかと言ったら魔力をいただくためだ。


 この世界のものには魔力がある。もちろん、大小の違いはあるが、魔力は誰にでもあり、家畜にもある。謂わば生きた魔力発生機関だ。


 魔力は生命力とも被るが、余分な魔力は結晶化し、体内に溜まる。溜まりすぎると体に異常を起こし、酷いときは死ぬそうだ。


 と、回復魔法を使うエルフに聞きました。


 まあ、人の魔力は少ないので、滅多にないことらしいが、エルフではよくあることらしく、定期的に魔力放出を行うらしい。


 ならば、利用しない手はない。二百人ちょっとでも集めたらイモ数千個分にはなる。一日に数千個。月十日としても数万個分にはなる。


 もったいない。もったいないすぎてもったいないオバケが出るくらいにもったいない。


 ただなくなるならオレがいただきますと、村人のおうちに魔水晶を仕掛けさせてもらい、この秘密倉庫に集まるようにするのだ。


 集まった魔力は転移装置を動かすエネルギーとさせてもらい、万が一、うちが強襲されたときにここへ逃れたいと思います。


 皆、騙してゴメンねと、心で謝りながら秘密倉庫を作ります。


 ドワーフは物作りに長けており、数日で完成。地下一階にアイテムボックス化させた箱をいくつか置き、村長代理にここへ乳や肉、チーズ、野菜などを入れてもらうよう指示を出す。


 ケガ人の治療や秘密倉庫を作るので一月ほどかかったが、大いに収穫のあった仕事だったと思う。


 定期的に回復魔法師を寄越すことを約束して、グランディール傭兵団の仕事は終了。倉庫の管理は村の年寄り連中に任せて撤収する。


 ハァ~。春までゆっくりするかね。


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