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ウェルヴィーア~邪神と戦えと異世界に放り込まれたオレ(♀)の苦労話をしようか  作者: タカハシあん


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39 町、と言うか娼館に来た

 今日、オレは町に出ます!


 ──だから?


 なんて冷たい反応は止めてください。言いたいことはわかってますから。


 町にいったことは何度もあるが、一人でいったことはない。いくときはねーちゃんと一緒だったのよ。


 そのねーちゃんも毎日の様に牧場にいってるので、ここ最近は町にいってはいないのだ。


 まあ、魔力が充実してから町にいく必要もなかったし、娼館のばーちゃんがたまに来るので、さほど町を必要としてなかった。


 だが、傭兵団が襲って来たことで考えを改めた。閉じ籠もっていてはダメだ。積極的に外の情報を集めなければ時代にも遅れるし、敵に後れを取ることにもなる。


 だからと言って計画はなし。町のこと、なんも知らんし。なので、情報偵察から開始するのだ。


 かーちゃんやねーちゃんが出かけたのち、町へと出かけることにする。


「ガウ~」


「お前は留守番だ。しっかり家を守れよ」


 娼館のばーちゃんの話では許可がいるらしい。なので、今回はその許可をもらう目的もあるのだ。許可なしにいって問題になったら町に入れなくなるからな。ルールは正しく守りましょう、だ。


 心配そうなシルバーを宥め、町へと出かけた。


 と言っても三百メートルもないのですぐに到着。なんの感慨も湧きません。


 町、とは言ってるが、正式にはクロフェンツの町と言うらしい。


 規模的にはわからんが、娼館のばーちゃんの話し振りからしてそれなりに大きいことが窺えた。


 比べる対象がないんで大きいかどうかはわからんが、隊商がよく通るのだから重要な場所なのは理解できる。流通の要な町なんだろう。


 裏町は町の住人が住むところとされてるが、表町に出せない店も多くあるらしい。


 娼館や宿屋なら普通表町だと思うのだが、裏町は元町であり、昔ながらの店は裏町にあるそうだ。


「道理で古いワケだ」


 なにも知らないときは寂れてるからスラム的なところだろうと思っていたが、理由を聞けば納得だわ。


「えーと。娼館は宿屋の右のほうにあるんだったよな?」


 そうかーちゃんから聞いてたが、なんとも雑な説明だよな。裏町の裏道だぞ。看板とか掲げられてるワケねーだろうが。わかるワケ──。


「──ありましたね。あ、うん。ここじゃなかったらどこだよって話だわ……」


 オレとかーちゃんが作った下着が大量に干されている。これでわからないヤツは頭に蛆が涌いてるヤツだけだ。


「ってか、無防備に干してんな。盗まれたりしないのか?」


 裏道から丸見えじゃん。この世には下着を愛する変態はいないのか? まあ、いたら悪即斬だけどな。


「誰だ!」


 と、誰かに誰何すいかされました。お前こそ誰だ!


「リン」


 なんて冗談はともかく名を告げる。オレは紳士……ではなく淑女だからな。


「リン? あんたが森の小さな魔女かい?」


 と、誰何したのは十歳くらいの少女でした。下働きか?


 ってか、なんだい、その森の小さな魔女ってのは? オレはそんな風に呼ばれてんのか? 随分と可愛らしい呼び名だな。


 ……魔女と呼ばれているところに悪意を感じるけどな……。


「魔女知らない。リンはリン」


 二つ名とか止めて欲しいわ。バカにされてる気がして腹立たしいわ。


「ばーちゃんに会いに来た」


 未だに知らないばーちゃんの名前。でも、世の中には名前がいらないヤツもいる。それが娼館のばーちゃん。


内締うちじめかい。ちょっと待ってな」


 追い出されるとかはないんだ。ばーちゃんが言い含めていたのかな?


 その場で待っていると、先ほどの少女ではなく、いつもうちに来る護衛兼荷物持ちの男がやって来た。


「こっちだ」


 しゃべれたんだ! とはオレが言っちゃいけないか。オレも似た様なキャラだしな。


 頷き一つして男についていく。


 宿屋もそうだったが、娼館も古いな。基礎は石組みで板材で建てられている。少なくとも百年は過ぎてるだろう。


 増築に増築を重ねたのか、なんとも無秩序である。先など考えてないんだろうな~。


 終わりが来るまで突き進む。退廃的な考えである。


 中に入るとなんとも言えない香りで満ちている。女の臭い、化粧の臭い、それを誤魔化すための臭い。こんな空気を吸ってたら碌な死に方しないな。


 ……もっとも、碌な生き方ができないのだから死に方なんて問うだけ無駄か……。


 オレは長生きしたいので空気清浄の魔法を使わしていただきます。娼館の掟やらやり方など知らんわ。


 男もオレがなにかしたのを気づいた様だが、振り向いただけで問うことはなかった。なので反応は示しません。


 男が連れて来た部屋? サロン? やたら豪華な部屋だった。


 ……文明も想像以上に高いと思ったが、文化面でも想像以上に高い様だな……。


 陶磁器の様な瓶や絵画、窓にはガラスが嵌められ、ランプ(たぶん魔法具)まであった。


 ……いや、普及してないから、発展してるのは極一部。限られた階級だけのものなんだろうな……。


「座って待ってろ。内締めを呼んで来る」


 と言うので柔らかなソファー……ではなかった。ベンチに布を被せてクッションと言う名のせんべい座布団。まだシルバーの背のほうが心地良いぜ……。


 しばらくしてドアが開き……見知らぬジジイが入って来た。誰!?

 

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[良い点] はじめてのおつかい? [一言] 誰だよジジイww
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