164 メイド
堕落は人を腐らせる。だが、ときには安らぎを与えるものである。byリン。
「いいことを言った風だけど、見た目は完全に腐ってるけどね」
さすが九年分のジャ○プを三日で読むのは不可能。もうベッドから下りられることもなくすべてのことをベッドで済ませてしまった。
「人は三日風呂に入らなくても死なないってことを久しぶりに思い出したよ」
あの頃は体を拭くのが精一杯。毎日風呂に入れるようになったのは何歳からだったっけな~。
「人は堕落を覚えると過去の苦労を忘れるもの。イカンわ~」
あ、キノコの森が切れた。手のひらの創造魔法でチチンプイのホイ。あ~美味しい。
「そろそろ行動を起こしたほうがいいんじゃないの? サリッサやバリューサたちが心配してるわよ」
オレが休むために皆にも休日を与えたが、休日なにそれ? なヤツらに三日は長いか。そろそろ突入して来そうだな。
まあ、ドアは手のひらの創造魔法で特定の者しか出入りできないようにしてるから突入されることはないが、ドアの前に集まられても面倒だ。リリーの助言に従って行動する準備をしますかね。
ジャ○プを片付け、お菓子の袋や空のペットボトルをアイテムボックスに放り込んで魔力に変換する。PETマークから1を抜いて∞を入れたいくらいだ。
……なんて∞機構なら助かるんだけどな……。
「リリー。お風呂を用意して」
「わたしはあなたの召使いじゃないんだけど」
知ってるよ、守護天使さま。
VIPが泊まるような部屋をお借りしたので、バスタブがある。
まあ、お湯を運んで来るタイプのものなので、手のひらの創造魔法でお湯を出してバスタブを満たす。
下着を脱いでバスタブへダイブ。お湯が溢れるが排水口があるから問題なし。でも、減ったから足し足しっと。あ、薔薇でも浮かべてみるか。
エマニエルゥ~な夫人の感じでビバノンノンしていると、シルバーがやって来た。どした?
「ガゥ~」
「誰か来た? 誰よ?」
「シスターとメイドみたいよ」
と、同じくお湯に浸かるリリーさん。君を構成してるの布なんだけど、水分を吸って大変なことになってるんだけど……。
じゃなくて。メイドとかいたんだ。まあ、城じゃないんだから侍女とかはいないか。つーか、メイドと侍女ってなにが違うんだろうな? まあ、メイド萌えもなければ侍女萌えもないんでどうでもいいんだけどね。
「シルバー。開けてやって」
「ガゥ~」
シルバーが下がり、四人のメイドがやって来た。
「あ、リン様。お風呂でしたか。すみませんでした」
「気にしなくていい」
イビスじゃないんだ、同性相手に体を見られてもなんとも思わないよ。まだつるぺただし。
「なに?」
「教会に人が集まりすぎて市長からなにか声をかけてあげて欲しいとお願いされました」
「教会? もうできたの?」
まだ造ってる最中でしょう。それとも急ピッチで完成させたのか?
外界とは完全に遮断してたのでまったくわからないのです。
「いえ、教会はまだです。周辺の町から人が集まって来たようで収拾がつかないそうです」
宗教こえ~。人を盲目にさせやがるぜ。
「市長には祈りを捧げよと伝えて。ウェルヴィーア教は祈りを捧げる者に祝福は訪れるから」
皆の魔力は一人のために。一人の魔力は皆のために。ウェルヴィーア教は紳士淑女の宗教デス。
「わかりました。そうお伝えします」
なにやら品が出て来たシスターズ。メイドさんたちに立ち振舞いを学んだのかな?
「リン様。背中をお流ししましょうか?」
歳かさのメイドがそんなことを言って来た。いや、いらないんだけど。ってか、囲むの止めてくださいません。いくら見られても平気とは言え、囲まれて入ってられるほど無神経ではないんだからさ。
「……お願い」
いらないと思ったが、今後のことを考えてメイドの仕事を学んでおくか。さすがに身の回りを世話する者がいないってのも困る。今後、権力者を会食に誘ったりすることもあるだろうからな。
浴槽から出てメイドさんに体を洗ってもらう。
……誰かに洗ってもらうとか、なんかお姫様になった気分……。
まあ、嬉しいかと問われたら微妙だけどな。お姫様に憧れたことねーし。




