122 お仕事お仕事☆
と叫んだら落ち着いた。
敵がなんぼのもんじゃい。オレがなんぼのもんになってやるわ。
オレのレボリューション魂は三歳から変わってない。計画も変わってない。その手段もある。
そうだ。警戒する必要はあっても慌てる必要はない。アドバンテージはオレにある。魔物溢れの一つや二つ起こされたところでオレの優位は変わらないのだ。
拠点はある。手駒もある。物の流れを抑えてある。魔物を狩るような仕組みも整えてあるのだ、これを覆すにはそれなりの集団か組織で挑まなければならない。
敵はおそらく個人。あっても傭兵団より少ないはずだ。それは今回のことで示している。
今回のことは計画されたもの。オレを確実に殺そうとして罠に嵌めた。それだけで組織ではないと言える。
まあ、用意周到で頭のキレるヤツだとはわかるが、個人でできることは限界がある。いや、今回のことで限界を示している。入念な準備をしなければオレを殺すことはできないってな。
とまあ、これはオレの推測。確信を得たワケじゃない。あちらが上手でオレの考えを誘導しているのかもしれない。
だが、オレはそれはないと考える。オレをからかうためにあれだけの用意をするとか非効率すぎるし頭が悪すぎる。キチだわ。
罠ってのは仕掛けた者の性格が出る。あれはある意味キチっとした性格だ。よく考えてよく用意するタイプ。行き当たりばったりはできないタイプだ。
うん。気持ちだけじゃなく頭も落ち着いた。
勝利をおさめて脳内戦争から現実に生還し、うちに帰ることにした。
「リンってキレると一段階上がるわよね」
そうだな。オレもそう思うよ。キレないと一段階上がらないのは不本意だけどな。
「ボス。こんな無防備でいいのか?」
警戒もせずうちに帰ってると、右側を歩くイビスが不安そうに声をかけて来た。
「無防備に見える?」
「ああ。偵察ポッドも少ないし、応援を呼ぼうともしない。なにより、ボスが気を抜いている」
「ねーもそう見える?」
左側を歩くねーちゃんに尋ねる。
「まあ、うん。そうだね」
二人がそう思うのなら他の者もそう思うだろうよ。
「油断してる。気を抜いている。警戒を薄くしている」
さあ、どうよ。オレを狙うまだ見ぬ敵よ。お前もオレをそう見るかい? そう思って襲って来るかい? それとも罠だと思うかい? ねぇ、どうよ? どう思うよ?
「リン、どう言うことよ?」
「わからなくていい。見えない戦いはリンがする。ねーたちは見える戦いをして」
ねーちゃんもイビスにも戦士。見える敵を倒すことに長けた二人だ。騙し合いには向いてない。必要以上の情報を渡さないでおく。
「まあ、難しいことはリンに任せるよ。あたしには敵をぶっ殺すしか能がないし」
できればもうちょっと頭を使って欲しいが、ねーちゃんには酷と言うもの。下手に求めるより長所を伸ばしてやるほうがオレのためだ。
「わたしも同じだな。性格的に無理だ」
うん。それは出会ったときから知ってる。この世を銃で生き抜こうとしてるんだからな。
「リンたちには敵がいる。用意周到で表に出て来ない敵が」
「見えない敵、か。面倒な相手に目をつけられたものだ」
「表に出て来ない敵は厄介。でも、攻撃して来る手段は限られる」
言い代えれば自分の行動を縛ってるってことだ。
「リンは負ける気はない」
こちらも用意周到に悪辣に、地道に地盤を固めて、周りを巻き込む。オレは必ず勝利してみせるわ!
改めて覚悟を決め、生き抜くための努力を惜しまない。最後に勝つのはオレだ。
何事もなくうちに到着。チビっ子どもに迎えられた。
「問題あった?」
留守を任せていたハリュシュに尋ねる。
「平和だったわ」
つまり、オレだけをターゲットと決め、すべてを注ぎ込んだ、ってワケだ。
「ただ、各地から商人が来て対応に困ってるわ。銃を売ってくれってね」
逃げようとするイビスの首根っこをつかんだ。
「気分転換もしたし、また頑張ろうね」
さあ、生き抜くためにお仕事お仕事☆




