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31.初代シリウス辺境伯
レギナルド・リュカ・シリウス。
第二十五代ミラレーヌ王の庶子にして、初代シリウス辺境伯。
妖精の子である彼は、父王の正妻に疎まれ、隣国サンドル・ペティとの戦火が渦巻く北の辺境に送られた。
死を望まれて戦地に赴いた彼だったが、数多の精霊を味方につけ、時に死の淵に立つことになりながらも戦線を押し返すことに成功する。
やがてミカレ山が噴火し、強制的に終了するまで闘った彼は、その功績により辺境伯位と北の領地を与えられることになり、その血筋は七百年経った今でも続いている。
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水晶城の正面広間に飾られている、初代様の肖像画。
久し振りに前を通ったのだけれど、もしかしなくても肖像画に魔法がかかっている?
何の魔法か気になって魔眼で暴こうとしたら、次男に止められた。
この水晶城にはたくさんの魔法がかけられていて、それは直系姫であるわたくしにも知らないものもたくさんある。
でもそういう魔法にはすべて発動すべき瞬間があって、この肖像画も今は待っている状態なのですって。
七百年も前から仕掛けられている魔法なんて、一体何を待っているのかしら。
初代様の肖像画にかけられているから、初代様がかけたのだと思うのだけれど。




