72/76
72、今日もグロリアは記憶消し屋に向かう
グロリア・ノーティカは失恋をした。それでも、グロリアの人生は終わりじゃない。
苦しさに耐えるため、記憶を消そうと思った。
しかし、一方的に捨てられたという惨めさは、気がつけば新たな恋で薄れていき。人との出会いもあった。
そうして、グロリアは完全に過去を気にしなくなったのだ。
これが万人に共通する正解とは限らない。それでも、自信を持って言えることは1つ。
グロリアの今は幸せに満ちている。
ソムヌスと共に。苦楽にあふれるこの世界を生きていきたい。
グロリアは、古びた扉を開いた。最初に来た時は重苦しい気持ちだったのに、今はこんなに軽やかだ。
「おはよう、ソムヌスさん」
「おはよう、グロリア」
こうして今日もグロリアは、記憶消し屋に向かう。
最後までお読みいただきありがとうございました!
「婚約者に捨てられたグロリアは、記憶消し屋に向かった」の本編は完結となります!
ありがとうございました!
おまけ情報。
花のイメージは、グロリアが胡蝶蘭で、ソムヌスは紫の薔薇です。
「ソムヌス」の名前の由来はラテン語の「眠る」です。辛いことを忘れたい人が眠りにつくように、記憶を眠らすことができるようにという意味があります。




