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66 始まりの森

最後までお付き合い、ありがとうございました。



 羽の生えた白い鹿のような生き物が海を渡って、小さな島国へ辿り着こうとしている。

浜辺では少数の民が、その姿を見ている。

この国に住む少数民族の者達である。

翼をはためかせながら、波の上を走るように、滑るようにやってきた立派なツノを持つ白い鹿が渚に降り立つと民達を鹿上から眺め、大きな声で言う者がいる。


「民達よ、平伏せよ。我が名は、オキツヒコ。そして隣にいるのはオキツヒメ。オキツヒメの前で座っているのはオキナカヒコ。我ら、其方達の願いを叶えに海を越え遥か遠方の国より、その前には、遥か夜の空に輝く星よりやって来た」


 三者の瞳は金色に輝いている。



 民達は恐ろしさのあまり平伏したまま二頭の鹿に乗る三者を見上げていた。


「社を立てよ、我ら其処に居る限り森羅万象、あらゆる妖力から皆を守り、崇め奉る者には必ず幸を運ぼうぞ」


 民達は、その言葉を聞き終わると、民族総出で深い森の中に大きな社を建立し、毎朝毎夕、

神酒神食、を供なえ崇め奉った。


 やがてこの国は、農耕狩猟ともに栄えだし、子もよく成長し、この国を元に更に広がり、三神と共に遥かな時を歩んで行った。


 この国の栄華の始まりは、深い森の中にあった。


 彼らは、その森を、神殿の森、と呼んだ。


  終わり

久々に投稿した作品ですが、懲りずに読みきてくださった方々へ、とてもとても感謝しております。ありがとうございます。

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